オフィスでのマッサージ-5
「どうして?」
「どうしてって…わかるでしょう!俺、これ以上、何するかわからないですよ!」
「これ以上って?」
「ーー会社、やめて欲しいなら、俺、辞めます。金払えって言うなら払います。それ程のことをしたと思います。俺が一方的に悪いです。でも、こんなふうにからかわないで下さい…!」
金治の目から涙が溢れ出た。
「すいませ、ん…。俺が…悪いのに…あんなひどいことされて、泣きたいのは先輩ですよね…」
真由美はそんな金治を見て、ジャケットのポケットからハンカチを取り出して涙を拭った。
「からかってないよ。だから、マッサージ続けて?」
「何で…だって…!」
真由美は金治のネクタイをグイッと引っ張って、抱き寄せた。
「んっ…せんぱ…い」
「あんなに触られて、あたしが我慢できないの。ほら」
金治の手を、真由美は下着越しの自身のそれに押し付けさせた。
「あっ…」
金治の手の先に触れたもの。じっとりと熱く、下着越しにもわかるぬるぬるとした感触。
「して、お願い…もう…我慢できないよ…」
そう言うと、抱きしめたまま、真由美は金治の唇にキスをする。それでも金治は自身から体を動かすことはできなかった。
「佐田くんは本当に優しいんだね…あたしがここまでしても、自分から何もしてこないなんて…
この間はそんなに興奮しちゃった?それとも、一回しちゃったらもう興味なくなった?」
「そんなわけないです。だって、俺、ひどいこと…」
「それは、小菅くんがあんなことバラしたからでしょ。あたしこそ、ごめんなさい…。気づかなくて。夫との部屋に入るなんて、とても嫌だったでしょう」
(そこまで、この人は気遣ってくれるのかーー)
「嫌じゃ、ないんですか」
「うん…」