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性用占精術 秘密のセックス鑑定 『星座別鑑定データ』
【ハーレム 官能小説】

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アクエリアスの女 変革の章-2

 次の日、写真集を購入しそびれたことに気づき唸っていると扉をたたく音が聞こえた。今日は来客がない予定だが何か荷物でも届いたのだろうかと扉を開けた。

「君……」
「トモです。こんにちは」
「一人?」

コクリと頷くトモをとりあえず家にあげた。外は雪こそ降ってはいないがこの冬一番の冷え込みだろう。紺のダッフルコートを着、ウールの細身のパンツにブーツを履いているが吐く息は白い。

「そこのストーブに当たって。今コーヒーでもいれるよ」
「ありがとうございます」

淡々としているし素っ気ない様子だがきちんとした態度には好感が持てた。

「どうしたの?わか、出射さんは知ってるの?」
「いえ。あなたに興味があった来ただけです。緋月さんは若菜さんの元カレでしょう?」

胸がチクリとするが正直に答えた。

「うん。そうだね」
「今でも好きですか?」
「……そりゃ、そうだね」
「よりを戻そうとは思ってないんですよね?」
「戻したくても無理だね」

尋問なのか質問なのか。トモはどういう意図で聞いてくるのかわからない。

「緋月さんは占い師なんですよね。自分の事を観てほしいんです。いろんなことを」

話題が若菜からトモにいきなり移行する。

「まあ、今日は予定がないからいいよ。ホロスコープ作成するからから生年月日教えてもらえるかな」

リビングからトモを鑑定ルームに案内しパソコンで彼女の星の出生図を作成し眺めた。彼女の特徴はやはりみずがめ座で多くの星々と影響し合っている。しかし一般的に言う良い配置とは言えず幼年期から相当の困難を強いられている様子だ。

「黒甕さん、だったね」
「トモ……で、いいです」
「ん。トモ。君は子供のころから相当辛い思いをしてきてるようだけど……家族との関係はどうなのかな」
「親とは特になんの関係もありません」
「そう。その……ネグレクトやもしくは虐待なんか受けたりしてないか?」

ふっと微笑しながらトモは答える。

「親は……そうできたら良かったんでしょうけど、そんなことすらできなかった」

謎めいた言い回しに困惑を覚えながら引き続きホロスコープを眺める。恋愛に関することを読み解いていると先ほど若菜の事を持ち出した理由がわかり始めてきた。

「君は同性愛者なの?」

言い辛いのだろうか。押し黙って考えている。

「若菜が好きなのか……」
「若菜さんは僕の全てです」
「そうか」

納得がいったので僕は少しすっきりして話した。

「僕は君たちの関係に立ち入ることはないから心配しなくていいよ。ただ若菜は偏見がないほうだけど女性を愛する傾向はちょっと薄そうだな」

「もう告白してるんです。僕が男か女かそんなことは関係なくて、若菜さんはあなたが忘れられないんだ」
「時間の問題だよ」
「僕の問題はあなたを超えることが出来るかということ。心だけじゃなくて身体も」
「急がなくてもいいんじゃないかな。君はまだ若いし若菜の過去に固執することはないんだよ」
「普通ならこんなに焦らないかもしれない。でも僕は……はやくあなたを克服したい。いや、征服したい。身体だけでも」
「君はセックスをどう考えてる?」
「エネルギーの交換と移動」

僕と寝て若菜のエッセンスを全て奪おうとしているのだろうか。そんなことは無意味だと諭してもそれこそ意味がないだろうか。

「若菜とはまだ寝ていないの?」
「うん。あなたを知って克服したら彼女を抱くよ」

トモは真摯な眼差しを向ける。視線が物質化したら射貫かれそうだ。拒んでも事態は収拾しないだろう。八木寛美とのカーマスートラを思い出す。――伝統と継承か。

「わかった。君に渡してしまおう。ベッドルームにおいで」


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