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性用占精術 秘密のセックス鑑定 『星座別鑑定データ』
【ハーレム 官能小説】

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スコーピオの女 情欲の章-5

――リカと柏木の結婚は組長が決めたもので、跡目を柏木に譲るつもりでもあったようだ。しかし年齢も価値観も何もかも合わず肉体関係もない結婚生活はリカにとって何の魅力もなかった。組長の一人娘と言う自覚はあったので離婚を考えることはなかったが気が付けば歳の近い竜二と関係を持っていた。恐らく柏木は気づいていたが何もリカには言わないことをいいことに腹の子も柏木の子として産んで育てるつもりだったようだ。形式上このまま上手くいく予定だった。柏木が麻耶と出会う前では。
麻耶はこの組のシマでホステスとして働いていたらしく。柏木とは顔見知り程度であった。ただならぬ色香のせいで麻耶は昼の仕事は男とトラブルが続き夜の世界へと身を投じていたようだ。それでも彼女を付け狙う男が多く、ある晩ビルの隙間で襲われそうになったところを柏木に助けられたのだと言う。

 渋い表情で組長は唸った。
やっと木刀を飾り棚に戻し、パンパンと手を叩いた。和服を着た年配の女中がやってきた。

「柏木を小林先生に診せてやってくれ」
「かしこまりました」

柏木は少し呻いたが立ち上がり麻耶に一瞥をくれその場を去った。
組長はリカと竜二の二人を並べて座らせ問うた。

「で、どうしたいんでい」
「リカは、リカは……。竜ちゃんと一緒になりたいの!」
「りゅうのじはどうなんでい」
「お、俺、お嬢さんのそばに居られるんだったらなんでもいいんです」
「ふんっ」

鼻を鳴らした後組長は大きくため息をついて若い二人に告げる。

「おめえらの好きにしたらいいや」
「いいの?好きにして……?」
「腹の子を大事にしろよ」
「ありがとうございます!ありがとうございます!」

竜二は何度も頭を下げ繰り返した。リカはその姿を涙を流しながら見つめ、自身の腹を大事そうに擦った。二人が静かに座敷を出て行ったあと包帯を巻かれた柏木が戻ってきた。

「具合はどうだ?」
「打撲です」
「おめえも丈夫な男だなあ。そこに座れ」

僕、麻耶、柏木と三人が横並びに座ることになった。ほかの組員は席から外し四人だけになった。

「おめえはどうしたいんだ」
「こいつと一緒になって……。できれば堅気になりたいです」
「あんたは?」
「あたしも柏木さんと一緒に居たいです」
「はあ。おめえらも好きにしな。俺あ疲れた。まあ一番俺が悪いのかもな。いいと思ってリカと結婚させたんだが……。あのアマッコも甘やかせすぎちまったようだし」
「オヤジ……。すみません」
「時代かもな。とりあえず今日はけえれ」
「はい。失礼します。麻耶行こう」
「ええ」

麻耶はちらっと僕を心配そうに見たが微笑んで目配せすると柏木とともに部屋を去った。組長と二人きりになってしまった。

「じゃ、僕もこれで失礼します」
「すまねえな。巻き込んじまって」
「い、いえ」
「ところでどこで剣術を習ってたんだ?」
「松永紫雲先生のところです」
「やっぱりな。俺も門弟だったんだ。もう顔を合わせられることはできねえけどよ」
「そうでしたか」
「あんたは紫雲先生の望んだとおりの門弟みたいだな。そのまま頑張れよ」
「ありがとうございます」

ふっと組長は遠くを見つめ一瞬少年のような目の輝きを見せさっと踵を返した。風格と哀愁を感じさせる背中を見守っていると目の前に黒塗りの高級車が停まり「どうぞ」と声を掛けられた。こんな車に乗るのは最初で最後だろうと脱力し、柔らかい黒のレザーに身を深く沈めて足を伸ばした。


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