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性用占精術 秘密のセックス鑑定 『星座別鑑定データ』
【ハーレム 官能小説】

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バルゴの女 処女の章-2

「こんな車ですみません」
「いえ。案外乗り心地がいいんですのね。見晴らしもよくて」

SUV車に乗ることなどほぼないのであろう真澄は新鮮な感想を呟いていた。しばらく車を走らせ市街のラブホテルへと入る。ここは以前牛島夫妻を鑑定したラブホテルだ。

「こ、ここは……」
「ラブホテルです」
「え、あ、はあ……」

おっとりとしているのか主体性がないのか。もしくは状況に流されながら観察しているのか。僕はペルセポネーを連れ去るハーデスの様にホテルに連れ込む。部屋を選ばずに受付に直接一番いい部屋を用意させた。牛島夫妻の好意で僕が利用するときは最も手入れの行き届いた部屋を確保してくれることになっている。まさか本当に使うことになるとは思わなかったし、相手が真澄でなければわざわざ上等な部屋を用意させることもなかっただろう。

「この部屋ですよ」

真澄はきょろきょろと部屋を見渡す。彼女の人生にはこのような場所はまるで別世界の様なものでラブホテルに関する知識など持ち合わせておらず全くの異世界に来てしまったような表情だ。ペルセポネーは初めての冥界を今の真澄の様にあたりを見まわしたかもしれない。ゆるゆると室内を歩き床から天井までをぐるりと眺めている。
この部屋は薄いブルーで統一されており、冷ややかな雰囲気だ。これからの行為を考えるとあまり盛り上がりに欠けそうな色味だが乙女座の真澄はおそらく清潔感を重視するはずでギラギラと淫靡な色合いでは逆に委縮してしまうだろう。僕にとっても雄の欲望が抑えられるのでいいかもしれない。

「始めましょうか」

ハッとしてこちらを振り向き真澄は身体を強張らせた。

「あの、いったい、何をするのでしょうか。あなたと麗子が諍う理由がよくわかりませんの」

麗子と真澄の話は通じ合ってないのであろうか。

「麗子さんは僕にあなたを抱かせたいのですよ」
「え?ダカセル?」
「ええ。あなたが結婚初夜を恐れていることを彼女は心配してるんです」
「まあ……。あのこったら……」

真澄は困惑した様子だが一息つきベッドに腰かけて静かに話し始めた。

「麗子に誤解させたようです。確かに不安ではありますが本当に心配なのは身体よりも私の残り火のような気持ちなんです」
「気持ち?」
「はい。私にはずっと想っていた方がいたんです。告げることもなく終わりましたが」

彼女はミッション系のスクールで若いころはほぼ全て男性と触れずに過ごしてきた人生だ。そして家族以外で唯一気を許した男は神父だった。習慣ともいえる教会通いで二十代も信仰と奉仕の日々であったらしい。
ある時、新しく年の近い若い神父がやってきた。彼は穏やかで柔らかい声を持ち信仰に厚いまさに神に人生を捧げた人物であったという。真澄は清らかな目で見つめていながらも淡い恋心も抱き始めていた。何年も教会で顔を合わせるだけの日々が続いたが満足だった。指先が触れ合うときまでは。真澄はうっかりと落としてしまった聖書を神父に拾い上げられたときにかすかに触れた指先に甘いしびれのようなものを感じた。それからというもの神父への尊敬の念が、神への信仰が俗にまみれた穢れたものに変わってしまたのだと言う。

「本当に若かった私には自分が許せなかったんです。心ばかりか身体までなんだかおかしくなってしまって……」
「身体が?」
「あの時には何が起こっているのかわかりませんでした。内側から熱がこもって発散されないような、もやもやしたものがぐるぐるしてたんです」
「それは……きっと……」
「ええ。神父様に欲情していたのですよ」

罪悪感を思い出したかのように苦悩した眉間のしわを寄せながら、しかし僕は一瞬の真澄の恍惚とした唇を見逃さなかった。

「それであなたはどうなさったのですか」
「え?どうって。な、なにもしません。しばらくすると神父様もほかの教区に移ってしまわれましたし」
「いえ。彼にではなくあなた自身は何もしなかったのですか?」

人差し指と親指をこすり合わせながら俯き目を泳がせている。

「神父様のことを想って何もしなかったのですか?」
「ああ。おっしゃらないで……」

哀願と淫靡さが入り混じった複雑な表情に思わず嗜虐的な気持ちが沸いてきてしまう。

「真澄さんは男性経験はないようですが、快感を知らないわけではないでしょう?」
「あ、ああ……」

罪の告発のような雰囲気に居たたまれないように身をよじる真澄は乙女のようだ。

「私、私……。初夜が怖いのではありません。神父様の事をまだ消化できないまま別の男性に委ねてしまうことが怖いのです」
「エクスタシーを感じたときに神父様を想ってしまいそうだから?」

図星をついてしまったようで真澄は押し黙り硬く目を閉じて天井を仰いだ。両手はしっかりと組まれており祈っているようだ。

「恋を終わらせましょうか。僕と一緒に」
「オワラセル……?」
「ええ」
「麗子とのことはいいんですか?あのままで。あのこはあなたの事を本当に好きだと思いますの」
「僕よりも真澄さんのほうが大事なのでしょう」
「私のせいで……」
「すみません。あなたが悪いんじゃないんです。彼女にとって僕はナイト止まりでキングにはなれませんでした。残念ながら」
「わかる気がします」

初めて真澄はまっすぐ僕の目を見つめて心から同情と憐憫を催した。しばらくの沈黙の後真澄が意を決したように白いブラウスのボタンを外し始めた。

「私の身体が変じゃないか見てもらえますか?」

僕はボタンを外す手を止め
「服を脱がせるのは男の楽しみでもありますから」
残りのボタンを外した。


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