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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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淫らな夏 (2)-1

 Fの腕の中でまた目が覚めた。
 夫とは違う匂い、肌の感触。

 こんな日に限って、いやこんな日だからこそか、大学時代の淫らな思い出が脳裏に去来し、夢にまで見てしまった。

 あの夏の終りの小旅行。二日目の夜も結局、ゆきはDに抱かれた。隣ではやはり、楓がEと愛し合っていた。昨夜と同じ、二組の若いカップルの愛の営み。ただ昨日と違うのは、興奮した男たちの手により彼らの間を遮る襖が少しずつ開かれ、しまいにはお互いの行為が完全に見える状態となっていたことである。
 若く美しい二人の女がそれぞれのパートナーに同時に犯されている光景は想像以上に淫猥で、その場にいる者全員の性欲を掻き立てた。男たちだけでなく、ゆきと楓もおかしくなってしまった。

 楓が差し出した手をゆきが握る。二人ともなるべく喘ぎ声を聞かれまいと、快感に耐えていたが、ゆきがふと見ると、楓は正常位で突かれながら腰をヘコヘコ動かして悶えていた。いつもクールで大人びた憧れの先輩のはしたない姿を目の当たりにしたゆきは、下半身がきゅうと収縮し、気がつくと同じように尻を振り、絶頂に達していた。楓もほとんど同時にオーガズムを迎えた。
 互いの恋人同士が指を絡め腰をくねらせイク姿を目の当たりにして、男たちも我慢できるわけがない。Eは楓の腹に、少し遅れてDはゆきの口に射精した。

 ゆきは自分だけ男性器を口に突っ込まれ射精されたことが恥ずかしく、気づかれぬうちにと出されたものをさっと飲み込んだ。もちろん他の三人はすべてを見ていてさんざんに冷やかされた。

  *

 笑いが生まれたことで、場がリラックスした。といっても健康的な雰囲気になるわけではない。なにしろセックスを終えたばかりの男女四人が一糸まとわぬ姿で固まっているのだ。

「それにしてもゆきと楓が手を繋いでるのはぐっと来た!」
「てかまだ手繋いでね?」
「なんだ、仲良しかよーー」
「仲良しだもんねーー」
「ねーー」

 顔を見合わせ微笑むゆきと楓。身体にかけたタオルケットの裾から、軽く指を絡めている様子が見える。美女二人が額に汗をにじませ、頬を紅潮させながら手を繋いでいる。薄く小さなタオルケットの布地は、胸の膨らみも先端の突起も尻の丸みも隠せていない。股間の三角地帯には黒々とした茂みがちらりと覗く。

「仲良しついでにさ。キスしてみてよ。女の子同士のキス見てみたい」

 Dの冗談半分の発言にEもふざけて同調する。ゆきと楓も「やだー」などと笑いつつまんざらでもない様子。ふざけて楓が唇を突き出すと、ゆきも真似して応えてみせる。「おーー!」と盛り上がる男子の声にも乗せられて、二人は軽く唇を重ねてみた。

「……ちゅ…………」

 歓声が上がる。もう一回、もう少し長くというリクエストに引っ張られるように、二度、三度とキスを繰り返す。初めて経験する女性の唇の柔らかで繊細な感触に、新鮮な驚きを感じるゆき。おまけにシャンプーなのか楓自身の体臭なのか、男性とのキスでは感じたことのない、甘い、いい匂いがする。
 頬を赤く染め、照れ笑いしながら数を重ねていると、楓が遠慮がちに笑いながら言った。

「ふふふ……やだぁ、ゆきちゃんのお口、Dくんのアレの匂いがする……」
「あーー! そうですよね! ごめんなさい、楓さん……」
「えー? なになに? 何の匂い?」
 わかっているくせに大喜びで言わせようとするD。「わかってるくせに」、「わかんない、教えて!」という押し問答を繰り返した末に、根負けした楓が恥ずかしそうに小さく「精子……」とつぶやいた。
 美人に卑猥な言葉を吐かせて興奮気味のDとE。口が精子臭いと言われてやはり恥ずかしそうなゆき。
「まじかよー、もう楓とはキスできない」
「えぇ? 酷……! 自分だって煽ってたくせに。いいもん、ゆきちゃんとキスしてるから」
「んん……! 楓さんいいの? 私のお口臭いんでしょ?」
「いいの。ゆきちゃんなら平気。Eくんに見せつけてあげよ? んん、ちゅぅ……」
「うぉーーなんか楓に間接フェラされてるみたい! 興奮する!」

 おかしなシチュエーションに笑いがこみ上げ、吹き出しそうになったそのとき、背後からDの手が伸び、ゆきの乳房を包み込んだ。はらりとタオルケットがずり落ち、乳首が顕になる。つんと勃った蕾をDがそっとつまむと、ゆきの口から吐息が漏れる。見ると楓もEに同じことをされている。楓の口からも生暖かい息が吐き出され、ゆきの顔にかかる。トクンと心臓が音を立てた。

 さきほどまでのリラックスした空気が一変し、緊張感が部屋を満たす。

 男たちはそれぞれ恋人の乳首を転がし、陰核をつまみ、花びらをめくる。女たちの吐息が荒くなり口が開く。重ねた唇の合間で舌と舌が触れ合い、唾液が糸をひく。顔を見合わせて恥ずかしそうに笑う。笑いながらも、接合された口腔内ではなおも舌が絡みあう。上からも下からも、ピチャピチャ、グチュグチュ、ジュルジュル、生々しい音が発せられて、若者たちの脳を支配する。
 ときおり男たちが恋人の顔を自分のほうへ向け、キスをする。Dにとっては楓との、Eにとってはゆきとの間接キスとなることに、もちろん全員が気づいていた。楓の唾液がゆきを介してDに嚥下され、Dの唾液を口に含んだゆきがまた、楓と舌を絡める。同じようにゆきは、Eと唾液交換をした。

 Dがゆきの手を取り、楓の乳房へ導く。はじめての、女性の乳房。自分のものよりひと回り大きな膨らみを手のひらに乗せ重みを感じる。先端の蕾を指で弾くと、憧れの先輩が可憐に鳴いた。潤んだ目で見つめてくる。可愛い。楓もゆきの乳房に触れた。びっくりするほど細く繊細な指の感触。この優しい指で、もっと触ってほしいと思った。


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