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香澄の本性
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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家族旅行での出来事 1日目 夜の狂宴 その2-3

「うわ〜。凄いお部屋ですね。」
部屋に入るなり、部屋中を見回して、孝志は大きな声で言った。
「お兄ちゃん。いきなり失礼でしょ?
 奥様。厚かましくご一緒させていただきます。」
「ヤダ、真央ちゃん。そんな遠慮しないで。
 それよりごめんなさいね。真奈美が一方的に約束しちゃったみたいで。」
「いえ。そんなこと、ありません。
 でも、奥様。よく許してくださいましたね。真奈美ちゃんとの約束。
 わたし、真奈美ちゃんがガッカリして断りに来るのを何度も想像しちゃいました。」
(この子、こんなに可愛い表情するのね。
 この顔であの声で悶えられたら男はたまらないわ。
 それでいて、こんなに礼儀正しいし……。)
香澄は真央に真顔でそう言われて、少しばかり虚勢を張った。
「断る?こんな素敵な約束を断ったりするものですか。
 最初から大歓迎よ、ねえ、あなた。」
「あ?ああ。そうだな。」
夫は意外そうな顔をして香澄を見た。
もっとも香澄自身、そんな言葉が自分の口から出るとは、思っていなかったのだから、
夫が驚くのも無理はなかった。

最初はとんでもないことだと反対した香澄だったが、
夫にいろいろと話を聞かされているうちに、
香澄は我慢しきれずにオナニーをしてしまうほど興奮した。
そしてさらにはこの特別室に通され、この部屋でこれから行われることを想像した時、
改めて真奈美がしてきた約束の魅力に感激さえしたのも事実で、
香澄は偶然が重なったことに感謝したのだ。

(これから始まる時間は、わたしが今までに経験したことがないほど、
 刺激的な時間になるかもしれない……。)

しかし、その感激はすぐに疑問へと突き当たった。
孝志と真央の格好を見て、香澄は違和感を感じたのだ。
(えっ?どうして荷物まで持ってきているの?)

松本兄妹も今夜はこの旅館に泊まる予定のはずだ。
それなのに、もう帰り支度を済ませたかのように荷物まで持ってきている。
しかも、さっきで会った時とは別の洋服にわざわざ着替えているのだ。

(今夜、泊まるはずじゃないの?
 何かあったのかしら……。)
香澄はそう思って孝志に聞こうとするが、
部屋の豪華さに興奮状態の孝志は一向に話を終わろうとしなかった。
「奥様、ここの女将さんと同級生だったんですってね。
 さっき、女将さんから聞いてびっくりしました。
 とてもそんな年には見えませんよ。」
「お兄ちゃん。それってかえって失礼よ。」
「あら、真央ちゃん。かえって失礼の、かえってが、かえって失礼だわ。」
「あ、ごめんなさい。わたし……。」
「いいのよ、気にしないで。
 確かに娘が高校生になるんだから、わたしもいい年だわ。」
「そ、そんなことないですよ。ほんと、お若く見えます。」
「ねえ、年齢の話は無し。
 だって、これからすることに年齢は関係ないでしょ?」

「確かにそうですね。年齢でするもんじゃないですよね。」
「とは言うものの、やっぱり孝志君の狙いは真奈美だろ?」
「あ、いや、そうばかりとは……。」
「気を遣わなくていいのよ。やっぱり若い子の方が興味あるでしょ?」
「あ、いや、決してそういうことではないんですけど……。」
「ごめんなさい。えーと……。」
「そうよね。このタイミングでおばさん、なんて言ったら大変だもの。
 いいのよ。香澄って呼んでくれて。」
「はい。あの、兄は……。
 若いからとか、そういうことで相手を選ぶタイプじゃないんです。
 兄の場合は、声なんです。」
「声?」
「はい。簡単に言えば、あの時の声。」
「あの時?いく時の声ってこと?」
「はい。女性がいく時の声に、
 その女性の全てが現れているっていうのが兄の持論なんです。」
「へえ。それはそれで変わった趣味というか……。」

「はい。お前は変わってるって、友達からもよく言われます。
 でも、どんなに美人……。
 あ、まあ、これも主観的なものですが。容姿とかは全く関係なくって。
 喘ぎ声から始まって、絶頂に向かっていく時の切羽詰まった声。
 そして絶頂を迎えた時の、恥も外聞も、
 もうどうでもよくなった時に発する声。
 ボクが一番興奮するのは、そういう時の声なんです。」
「じゃあ、するまで、っていうか、相手がいくまで決められないじゃないの。」

香澄が初めて聞く、好みのタイプだった。
ただ、そうした選び方ができるということは、
孝志の周りにに複数の女性がいるということなのだろう。
案の定、孝志の次の言葉が孝志の恵まれた環境を教えていた。
「ええ。ただ、そういう経験を重ねているうちに、
 いく時の声も、普段の声からだいたい想像できるようになりました。
 それに、最初は必ずしもボクがいかせなくてもいいわけですから。」
(つまりそれって、普段から複数でプレイしてるっていうことよね。
 この人以外の男の人が女性とセックスをしていて、
 その女性が絶頂を迎える時の声を聞いていて、
 それで次に交わる相手を決めるっていうことだわ。
 えっ?それって、もしかしたらこの男、とんでもないやつなんじゃ……。)

しかし、夫はごく当たり前のこと、といった反応で、孝志に言った。
「まあ、そうだろうな。
 でも、いく時の声って、人によってそんなに違うものなのかい?」
「はい。声の出し方や言葉も様々ですが、
 例えば、ある程度、言葉は選ぶことができますよねぇ。
 声の出し方でも、演技をする女性がいないわけじゃありません。
 でも、その人の本当が出るのが絶頂を迎えた時の声そのものです。」

「本当?」
(えっ?この人って、そこまで見てるの?
 案外、わたしの若いころと同じで探求心の塊なのかもしれない……。)
雅和の問いかけに対して、孝志は経験からくる自信に満ちた顔で答えた。


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