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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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淫らな夏 (1)-4

 しかし経験人数という意味ではたしかにそうだ。三年生の楓やEよりも、一年生のゆきのほうが異性経験が多い。そうなると俄然気になるのがDの過去である。

「ちなみにDくんてその……やっぱり昔からいろいろな人と付き合ってたんですよね……?」

 本人には怖くて聞けなかった質問を、楓ならと恐る恐る聞いてみる。否定して欲しいのと知りたくないのが半々。それなら聞かなければいいのに、もう遅い。

「……私も全部は知らないけど……うん、まあ……って、えぇ? ゆきちゃん……!?」

 目にみるみる涙があふれてきた。止められない。「全部は知らない」の一言だけで、絶望してしまった。「全部は知らない」――相当な浮名を流していないと、そんな表現にならないではないか。

「ゆきちゃん……! 大丈夫? 急にどうしたの……!?」
「ごめんなさい、だいじょ、うぶ……です」

 まったく大丈夫ではない。ゆきの脳内にはさまざまな水着ギャルがDに侍りまとわりつくイメージが浮かんでいた。その全員がゆきに「この小娘が」と陰険な視線を向けている。幾人かは、ゆきに対して実際にやっかみを投げかけてきた女性の顔だ。
 あぁ、これは嫉妬だ。ゆきは悲しみの中で理解した。水着ギャルたちの話ではない。そのような想像をしてしまう自分自身の心のありようが、である。

「どうして泣いてるの? 意味がわかんないよ……?」
「……ふふふ、私も意味がわからないです……でも、わかりました」
「なになに? どういうこと? 何がわかったの?」
「私ってかなりやきもちやきみたいです……えへへ……」
「えぇ? あれだけで? てか私まだなんも言ってないけど……」
「そうですよね。変ですよね……ふふふ。自分でも変だって思います……」

 Dに過去があることは仕方ないことなのに、想像するだけで辛くなる。しかもそれなりのプレイボーイであったことを楓の口ぶりから察してしまい、皆まで聞かぬうちにゆきの心は折れて涙が出てしまった。薄々自覚しつつあったが、本当に嫉妬深い性格だとあらためて思う。
 そう、思えば遠距離恋愛のCが他の女性に走ったのも、自身のこの性格のせいかもしれない。向こうの大学の新歓コンパに参加した程度で拗ねてみせたり、メールの返信の遅さを非難したり、留守電になるだけであれこれ問い詰めたり。振り返ると「痛い」言動が多かった。

「いやー、ゆきちゃんがまさかそんな乙女だなんて知らなくて……ごめんね」
「楓さん悪くないです。乙女というか……こんな性格直さないとですよね……」
「あはは。浮気されたとかならともかく、全部過去の話だしねー」
「全部……? やっぱりそんなにいっぱい……?」
「あーーごめん! 泣かないで! 泣かなくていいからほら!」

 ゆきのことを気遣いつつも笑いをこらえきれない楓と、泣きながら笑っているゆき。

「でもね、Dくん四月にゆきちゃん入学してきてからは、本当にゆきちゃん一筋なんだよ」
「えぇ? そうなんですかぁ?」
「ちょっとゆきちゃん! 急ににんまりし過ぎ!」
「そ、そんなことないですけど……」

 楓によると、見た目も性格も爽やかなDは、過去少々遊んでいた時期もたしかにあった。楓のような身持ちのしっかりした女子からすると、少し距離を置きたいタイプである。それがゆきが入学してから変わったと専らの評判なのだという。他の女性と親密になることもなく、誤解すら受けぬよう自ら遠ざけた。勉学に打ち込み、サークルとバイトに精を出し、どこか浮ついていた印象ががらりと変わった。そうなるとさらにモテてしまうのが世の常だが、Dは寄ってくる女子には見向きもせず、ゆきにだけ、熱烈かつ紳士的なアプローチを掛け続けた。

「こういっちゃなんだけど、最近のDくん、私から見ても素敵だよ」
「素敵? むーーーー……」
「あーーそうだった、ごめんごめん素敵とか言っちゃって! 変な意味じゃないから!」
「ホントですか?」
「ホントだよ! ごめんね、ゆきちゃん!」
「Eさんに言いつけますよ?」
「あ、いや別にEくんともそういう話したことあるし、あまり気にしてないからいいっちゃいいんだけど……」
「そ、そうなんですか? 私だけ子供みたいで悔しいですね」
「子供なんてそんな。女の子ってみんなそういうとこあるからさ。全然普通だよ!」
「じゃあなんで笑ってるんですか?」
「いやだって……ふふふ、いひひ……ゆきちゃん可愛い……」
「むーーーー!」

 二人でひとしきり笑いあい、じゃれあった後はなんとなく無言になってしまったが、悪い気分ではなかった。きっと楓も、そう感じてくれている気がした。

 ビキニ姿の美人女子大生が二人、通りすがる男たちの好色な視線を浴びながら――ときに声も掛けられながら――夏のビーチで肩を並べている。頬を赤く染めつつかき氷をほじくっている姿は、それだけで絵になる風景だった。

  *

 この日の夜、ゆきと楓はキスをする。唇の触れ合う、可愛らしいキス、だけで終わらなかった。舌を絡め、唾液も交換した。全裸で。四つん這いになって。

 二人の女子大生の突き出した下半身は、それぞれ別の男に犯されていた。楓の膣にはDのペニスが、ゆきの花芯にはEの陰茎が挿し込まれ、何度も何度も出たり入ったりを繰り返した――。


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