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真奈美の性春
【学園物 官能小説】

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家族旅行での出来事 3-8

「ううん。真奈美、よくわからないけど、
 あのお兄ちゃんもお姉ちゃんも、あのおばちゃんも、
 とってもいい人だっていうことだけははっきりわかるんだ。でも……。」
「でも?でもどうしたの?」
「3人とも、なんかちょっと、秘密があるみたいな気がするけど……。」
「秘密?あの兄妹と、史恵に?」
「うん。特にあのおばちゃんにはね。
 それに、お母さんとあのおばちゃんの間には、
 もっともっと、いろいろな秘密がありそうな気がするな。 
 あ、そんなに気にしないで。真奈美の勘違いかもしれないから。」

母親は真奈美の顔を驚いたような顔で見つめたきり、再び黙り込んでしまった。
(あれ。まただ。お母さん、また急に黙り込んじゃった。
 今日のお母さんは山の天気みたいだな。
 急に晴れたり曇ったり……。いや、女心と秋の空、かな。)
仕方なく、真奈美も口を閉じ、母親の様子をうかがった。
母親はいつになく、もぞもぞと身体を動かし、落ち着かない様子だった。

(やっぱり体の具合が悪いのかなあ。あ、違う。そうだ。きっとそうだ。)
真奈美は母親が何度も座り直している様子を見て、思い当たることがあったのだ。
(お母さん、感じちゃってるんだ。って言うか、感じたいんだ。
 気持ちよくなりたいんだ。
 真奈美も、学校でとし君とのことを思い出して、
 お股をギュって閉じたり、ずらしたりすることがあるもん。
 そうだ。お母さん、あのお兄さんとすることを想像して、感じちゃったんだ。)
母親はさっきから何度も時計を気にしている。
おそらく松本兄妹との約束の時間が迫ってきて、
少しずつ興奮しているに違いなかった。

「お母さん。大丈夫?おなかの調子、悪いんじゃない?
 今のうちに、おトイレに行っておいでよ。
 わたしたち、テレビ見てるから。ね?お父さん。」
真奈美はそう言うとテレビのスイッチをつけ、ボリュームを上げた。
「ほら。お母さん。大丈夫だから。
 あ、ねえ、部屋の外にもトイレ、あったけど、きれいな写真が飾ってあったよ。
 そっちに行って来れば?」
真奈美は母親を見て、意味ありげにほほ笑んだ。
(お母さん、少し気持ち良くなってくるといいよ。
 あのおトイレ、ちょっと凄そうだったし……。)

母親はゆっくりと立ち上がり、部屋を出ていった。

「なんだ、お母さん、部屋の外のトイレに行ったのか?」
「うん。その方が落ち着いてできるでしょ。」
「夕飯、食べすぎたのかな……。
 いや、あまり箸をつけていなかったから……。具合でも悪いんじゃないか?」
「大丈夫だよ。戻ってきたら元気になってるよ。」
「そうか。まあ、真奈美がそう言うんだったら安心だろう。」
真奈美の言葉に、父親は妙に納得し、そのままテレビに見入った。


真奈美と父親は何をするでもなく、テレビを見ながら、ただ母親の帰りを待っていた。

「失礼します。」
そこへ現れたのは女将だった。
「あ、どうかしましたか?」
「いえ。ご主人と真奈美ちゃんに、というよりは、
 真奈美ちゃんに、ちょっとご相談というか……。」
「あ、さっきは、真奈美が失礼なことを言ったようで……。
 厚かましくて申し訳ありません。」
「いえ、とんでもない。こちらこそ、配慮が足りなくて申し訳ありません。
 そうでした。お父様にも聞いていただいた方がいいですね。」
「なんでしょう。」
女将は入口のところに正座すると、少しずつ雅和との距離を縮めながら話し始めた。

「真奈美ちゃんから聞きました。
 これからあの松本様と混浴の方でご一緒なさる約束がおありとか……。」
「あ、いや、お恥ずかしい。」
「いえいえ。恥ずかしいことではありません。素晴らしいことですわ。」
「そうでしょうか。」
「ええ。ただ、そのお話を真奈美ちゃんから聞いたものですから、
 わたしも正直申し上げると、いささか驚いてしまって……。」
「いや、驚かれるのも無理はないと思います。
 中身はまだまだ子どもなのに、あっちの方だけは……。」
「いえ。それも素晴らしいと思いますわ。
 でも、ごめんなさい。今も申しましたように、先ほどはいささか驚いてしまって、
 わたしもお客様のニーズに合ったサービスをご提供できませんでした。」
「どういうことでしょうか。」
「松本様とは混浴場でお会いになるとか。」
「ええ。真奈美が一緒にお風呂に入る約束をしてきた、ということなので……。」

「お父様。お風呂に入るだけでは、終わりませんよね?」
女将は急に改まった顔になって、雅和との距離を縮めた。
そして心持ち声をひそめ、雅和の耳元でささやくように話し始めた。
「は?」
「どうか、包み隠さずお話していただきたいのですが……。
 ご入浴が目的ではございませんよね?」
「……。ああ、大広間を使ってもいい、というお話の件ですね。」
「はい。失礼ながら、本当の目的はそちらかと……。」
「いやいや、隠しておいても仕方ありません。
 女将、いや、史恵さん。男女が一緒に風呂に入る目的を、
 改めてお話しする必要もないでしょう。」

「真奈美ちゃんは?」
「当然、そのつもり、かと思います。
 というよりも、真奈美にとっては、それが当然の流れなのだと思います。」
「当然の流れ……。」
「はい。男女が出会って、親しくなれば、
 当然、身体を求めあい、快楽を追及する、という……。」
「では、話が早いですわ。」
「はあ。」
女将は雅和の耳元から顔を話し、真奈美にも聞こえるような声で話し始めた。
「真奈美ちゃんから、長湯はのぼせてしまうから、と聞きまして、
 大広間のことをご提案したのですが、
 皆さんが最初からそのおつもりならば、
 それにふさわしい場所がございます。
 そのことで伺いました。」


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