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香澄の本性
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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家族旅行での出来事 1日目 夜の狂宴 その1-10

「う〜ん。史恵。わたしひとりじゃ決められないわ。
 夫にも相談しないと。」
「そうよね。そうだわね。
 じゃあ、この答えは後でいいわ。
 でも、8時からの松本様との約束。
 特別室の方へ来て。
 あなたの旦那様と娘さんには、もう伝えてあるから。」

「史恵……。」
「じゃあ、香澄。またあとでね。時間はまだまだたっぷりあるわ。」
「ええ。ねえ、史恵。」
「えっ?なに?」
「ありがとね。いろいろ……。」
「……。こっちこそ……。ありがと。」
「じゃあ、あとで、ね。」
「うん。」
「ありがたく、特別室、使わせてもらうわ。」
「ええ。わたしもお気に入りの部屋だから……。香澄もきっと気に入るわ。」
「まさか、露天風呂以外にも、何か仕掛けがあるんじゃないでしょうね。」
「……。さすがに香澄……。鋭いわね。楽しみにしておいて。」

香澄は史恵に渡された、真新しい浴衣を着ると、
史恵の頬にキスをして部屋へ戻った。


香澄は部屋の前でもう一度身なりを確認した。
唾液に濡れた帯も新しいものになり、真新しい浴衣が素肌に気持ち良かった。

「あ、お母さん、お帰り。大丈夫?」
案の定、真っ先に声をかけてきたのは真奈美だった。
(本当にこの子は、意外なところにちゃんと目をつけるのよね。
 大人のわたしたちが見逃してしまうようなことを、
 敏感に感じ取ることができるんだわ。)

「おい、さっき、史恵さんが来たぞ。」
「ええ。わたしもたった今、そこで会ったわ。」
「じゃあ、話は聞いたのか?」
「ええ。特別室の話でしょ?」
「ああ。なかなかすごいことになったな。」
夫が少しはしゃぎながら言った。

(無理もないわ。特別室なんて話、聞いたんだもの。
 それに、おそらく史恵たちも加わるっていう話も聞いたはず。
 すっかり上機嫌になっちゃって……。)
「ええ。それもこれも、真奈美のおかげだわ。」
「真奈美のおかげ?ほんと?真奈美、えらかったの?」
「ああ。真奈美のお手柄だ。」
「ありがとね、真奈美ちゃん。」
(今日の真奈美は怒られたり褒められたり。
 親の気まぐれにすっかり翻弄されちゃってる。
 今夜はやっぱり真奈美のペースを大事にしてあげなくちゃ。)

「やった〜。真奈美のお寺がだ〜。」
「真奈美。お寺が、じゃなくて、お手柄だ。」
「うん。真奈美のお手柄だ〜。」
(う〜ん。この子のこの言い間違えというか、
 覚え間違いだけは何とかならないものかしら。)
香澄は真奈美の言葉に笑いながらも、これからのことが改めて心配になった。


「失礼します。」
扉の外で声がした。
女将の声とは違う声だった。
「はい、どうぞ。」
入ってきたのは、女将ではなく、若い女性だった。
「本日はようこそおいでくださいました。
 この旅館の娘……。史恵の娘の奈々美です。
 特別室の方へご案内するようにと、母に言われてきました。」
「史恵の、娘さん……。」
「はい。今年、中学を卒業します。」
「じゃあ、真奈美と同級生ね。」
「はい。母から聞きました。真奈美ちゃん、ですよね。」
「奈々美ちゃん?」
「うん。よろしくね。」
「わ〜い。こちらこそよろしく。」
「じゃあ、どうぞ。ご案内します。」

史恵の娘、奈々美に連れられて、真奈美たちは廊下を歩き、特別室へと案内された。
「こちらです。間もなく、松本様ご兄妹もいらっしゃると思います。」
「あ、奈々美ちゃん。」
「はい?」
「奈々美ちゃんも後で来るんでしょ?」
「はい。兄や姉たちと一緒にお邪魔させていただくつもりです。」
「わ〜い。楽しみだ〜。」
「では、失礼します。」

「ふ〜ん。真奈美と同い年か。落ち着いたもんだ。」
「ええ。真奈美ももう少し大人になってくれればいいんですけど。」
「な〜に。真奈美には真奈美の良さがある。今のままで十分さ。」

3人は靴を脱ぎ、部屋の入り口を開けた。
「うわ〜。なんだ、これ……。」
真奈美が叫ぶのも無理はなかった。
香澄自身も、心の中思わず叫んでいたほどだった。
「こりゃあ、参ったな。」
(ちっとも参ってなんかいないくせに。
 それどころか感動ものでしょ?もう目が輝いてるわ。)
香澄には夫が子どものように無邪気に喜ぶ姿がおかしかった。

(それにしても、こんな町から離れた温泉旅館にこんな特別室があるなんて……。
 史恵が言っていたように、まさにそのために作られた部屋なのね。)

入り口を入ると、そこは10畳ほどの広さの和室だった。
正面はガラス戸になっていて、外には中庭があり、
そこに露天風呂が作られている。
和室の左右にはそれぞれ8畳ほどの部屋があり、
床はカーペットが敷いてあった。
不思議なことに、その床は、何段にも段差ができていて階段状になっている。

「サウナ風呂みたいだな。この段差。」
「面白〜い。ねえ、なんで、こんなに床が階段みたいになってるの?」
真奈美が不思議に思うのも無理はなかった。
香澄自身、史恵からあんな話を聞いていなければ、
この段差の目的はわからなかっただろう。

(一段高いところに横になれば、ちょうど男の人の腰の高さになる……。
 男の人がもう一段下がってしゃがめば、口の高さになる。
 ああ、そういうことだわ。
 わたしがあの舞台のようになったところに寝て、
 周りから男の人たちが、わたしの身体を弄ぶのにちょうどいい段差なんだわ。
 これならどんな体位でも簡単にできる……。
 あの頃、匠君と苦労したこと、思い出しちゃうわ。)


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