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闘牝
【スポーツ 官能小説】

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闘牝-4

 一般的に、武道では腰が高いことを嫌う。
 重心を高くすると不安定になるからで、故に、蹴りを重要視しない流派もある。
 だが、闘牝における尻上げは、高ければ高いほど良いとされている。もちろん不安定にはなるのだが、その不安定さが最初の一歩を速め、強めるからだ。
 大量の浣腸液を一滴もこぼすことなくしっかりとこらえられる二匹の裸美少女たちは、もちろん尻上げも念入りに練習している。仕切り線に着いた左右の拳に体重を乗せ、グイグイと前のめりになりながら、白桃のような美尻を天井に向けて高々と、堂々と、誇らしげに突き上げる。
 瑞々しい桃尻に向けて、パシパシとフラッシュを焚いて写真を撮りまくる観客たち。
 肛門が仰向くほどに尻を上げているから、尻房を割って秘裂に喰い込む股縄が丸見えになっているのだ。当然、飾り縄に押し分けられてムニュッと歪んだ若々しい肉畝も、ハッキリと見えている。
 普通の少女なら羞じらうだろうし、美柚子や凜にしてもまったく恥ずかしくないというわけでもないのだが――。
(いよいよ、決勝戦……佐伯さんと闘えるのも、これが最後……)
(これが最後だっていうのに、相変わらずの余裕の笑みかよ。チィ……ホントにお前は愉しそうに闘うよな……)
 すべての神経を目の前の相手に集中している。
 いつでも立てる。
 立った瞬間に全力を出せる。
 いつしか周囲の歓声が聞こえなくなり、澄んだ静寂の中に深く深く沈み込み――。
 両者の額の間に差し出されていた軍配が、サッと返った。
 転瞬――。
「きぇぇええっ!」
「たあぁああっ!」
 可愛い気合い声を発し、バネ仕掛けのように飛び出す二匹の裸美少女。
 ゴッ!
 一番先頭にあった額同士が真正面からぶつかり合い、重々しい衝突音が会場中に響く。
 反動で、飾り縄に緊縛された両者の白い裸体が大きく弓なりに反り返る。
 大相撲もかくやという、凄まじいばかりの立ち合いだ。
 しなやかに背を反らしつつ辛うじて踏み止まった二匹の裸乙女の姿に、あれほど昂奮していた観客たちが一斉に息を呑んだ――が、
「やぁあっ!」
「ぬっ!? くっ!? せやぁあっ!」
 すぐさま立ち直った凜と美柚子は細い腕を伸し合い、互いの飾り縄を掴む。
 右腕で相手の胸縄を掴み、左手で相手の肘を制した、がっぷりの相四つ。
 相撲であれば押し合いが始まる場面だが、二匹とも軽量級だから、
「せぇえいっ!」
「っしゃぁああっ!」
 競うように叫びながら、しきりに投げを打ち合う。
 勇ましく逆立てられる細い眉。
 ほんのり桜色に火照って輝く白い柔肌。
 揺れる黒髪、跳ね踊る乳房。
 カモシカのようにしなやかな脚が蹴り、絡み、払い、踏ん張り、蹴り――二匹が動くたび股縄によって左右に割られた桃尻から瑞々しく伸びやかな太腿にかけて、しっかり錬り上げられたしなやかな筋肉が機敏に伸縮。
 ちなみに飾り縄の形は、美柚子は古風な亀甲縛り、凜は近代的な菱縄縛りだ。
 どちらもよく似た縛り方ではあるものの、腹部の縄組みが六角形ならば亀甲縛り、菱形であれば菱縄縛りとなる。
 亀甲か菱縄かの違いのほかにも、二匹の縛り方には特徴があった。


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