最後の夜-1
ビールで乾杯をして、適当に食事を注文する。
野田は、今日がベトナム最後の夜である。
桃奈は、野田より1日長く滞在する。
『野田さん、明日は何時のフライトなんですか?』
『朝の8時過ぎのフライトだよ。』
『じゃあ、今夜は早く寝ないといけないですね。』
『別に大丈夫だよ。機内で寝ていけばいいんだから。』
それより、野田には気になっていたことがある。
『桃ちゃんが仕込まれた、アブノーマルな性癖って何?』
桃奈は、顔を真っ赤にして下を向いてしまう。
『言いたくなかったら、別にいいんだけど。』
と、野田が言う。
『いえ、ただ、ちょっと恥ずかしくて・・・・。』
続けて、
『日本に帰ってからも、会えますか?』
と聞く。
『もちろん、喜んで。』
と野田は返事をする。
『じゃあ、日本に帰って、再会できたら、その時に、、、でいいですか?』
『分かった。じゃあ、その時に。』
食事を終え、2人はホテルに戻る。
ホテルが近づいてきた時、
『どうする? どこかでお酒を飲む? それとも、部屋でセックスをする?』
と、野田が聞く。
『え〜〜、選択肢は、その2つなんですか?』
『うん。』
『じゃあ、、、、、、部屋で、、、、』
30分後、シャワーを浴びた桃奈は、野田の部屋にやってきた。
ベッドの上で、全裸で野田とキスをする。
咥えるのが好きな桃奈と、シックスナインの態勢になる。
そして、バックで挿入をする。
桃奈は、バックで突かれるのが好きなようで、自分で腰を振りながら、イッてしまう。
野田が果てるまでに、桃奈は何度もイク。
1回戦が終わると、2人とも息が切れている。
『桃ちゃん、セックス好き?』
『、、、はい、、。』
『本当は、毎日でもセックスしたいぐらい?』
と野田が聞くと、コクリと頷く。
『でも、相手は誰でもいいって訳じゃないんです。だから、悶々とするんです。』
と桃奈が言う。
その夜、都合3回戦をこなし、桃奈は自分の部屋に戻っていた。
仮眠をとった野田は、早朝の5時過ぎに、ホテルをチェックアウトする。
フロントでキーを返却し、出口に向かうと、桃奈が立っていた。
『お気をつけて!』
と、桃奈が言う。
そして、野田に抱きついてきて、キスをする。
『それじゃあ、また。連絡を待ってますね。』
そう言って、桃奈は、自分の部屋に戻るべく、エレベーターの方へ立ち去っていった。
<帰国してからも、楽しめそうだな>
野田は、そう思いながら、機内で眠りについた。
着陸の衝撃で、野田は目が覚めた。
台北で、乗り換えである。
飛行機を降り、ターミナルを移動する。
日本行きのゲートの前には、大量の日本の高校生がいる。
たぶん、修学旅行なのだろう。
最近は、修学旅行で海外に行く学校も珍しくない。
成田行きの飛行機に乗り込むと、最悪なことに、その修学旅行性に囲まれるような座席だった。
野田は、窓側の席なのだが、その隣2席、そして後方席も、すべて修学旅行生だった。
彼ら彼女らは、疲れを知らない。
機内で、ずっとしゃべっている。
それでも、野田は、うとうと眠ってしまい、目が覚めた時は、もう成田に着陸していた。
飛行機は、ゲートにスポットインして、乗客の大半が降機していた。
野田の周囲の修学旅行生も、みんな飛行機から降りていた。
野田も、慌てて、荷物を持って席を立つ。
ふと見ると、隣の席に、生徒手帳が落ちていた。
さっきの修学旅行生が落として行ったのだろう。
名前は、中林美緒となっている。
高校2年生か3年生だな。
<あとで届けてやるか>
そう思って、野田は帰路についた。