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芳恵叔母―フルハウス
【近親相姦 官能小説】

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過去が追いかけてくる・・・-1

 長野の老舗旅館、紅屋から、臨月のカラダを抱え逃げてきた芳恵は、命からがらの思いで夜行列車の座席に座った。そこで思うことは、自分の今後。抱えたお腹の中の子のことだった。
まず、自分は食べて行かなくてはならなかった。娘を育てなければならないし、さりとて手に職があるわけでもない。一般職を目指しても、娘を育てながらでは、生活も苦しく、立ちいかなくなるのは目に見えている。母親の救いの手が必要だった。
 帰るつもりのない家でも、実家は実家。優しい母親の牧子は、諸手で彼女を迎え、喜んでくれた。牧子の夫を追い出し、牧子に寂しい思いをさせた張本人である芳恵を、だ。
 出産を果たし、遥香が生まれた。彼女の養育に、芳恵と牧子、母娘の奮闘が始まった。その間はもちろんのこと、芳恵は永らく、性生活から意図的に遠ざかってきた。
 遥香は賢い子供だ。保育園で問題児、と呼ばれる子供とは比べようもなくおとなしい。自分や母親の牧子の言うことをよく聞き、幼児なりに理解している。比較的手を焼かない子供である。
 賢い子、遥香を保育園に預け、芳恵は仕事に専念することができるようになると、今まで退けていたものが、芳恵の中で呼び覚まされた。それは、オンナの肉体に眠る欲求。旺盛な性欲への堪えがたく、抗いがたい欲求である。
 だが、その対処の仕方は、知っているつもりだった。母親牧子が、秘かに教えてくれたのだ。いや、直伝で、母親から直接の教えを受けた、というわけではない。芳恵が深夜にふと目覚め、母親牧子の寝所から漏れる妖しげな声や咽び泣きを耳にして、牧子が何をしているのかわかった時、娘芳恵もそれに倣うようになった。
 永らく快楽から遠ざかっていた芳恵である、深い歓びを得られなくとも、自慰は束の間、彼女の欲求を満たしていた。最初は指だけで、自分の快楽を刺激し、自分の好きなように果てる瞬間を決め、歓びの極みに達する。まさに自らを慰めるには、指を使うだけでよかった。
 だが、彼女の渇望は次第に増してゆき、果てが見えない。牧子に倣い、長物の野菜や果物を使ってみもした。電気式のオモチャを試し、それらはそれらで、使ってみれば、その時は、エスカレートする欲求を満たしてくれる。
 だが、だんだんと、淫らなことから遠ざかっていた彼女は、まるで心が浸食され、食い尽くされるかのように、欲求が高まってゆく。その欲求こそ、オトコの肌を、ぬくもりを、彼女の柔らかな肌に受け、剛直までを身に受ける快感。セックスへの渇望だった。
 自宅近くの寺院に、大学生となった彼が来る、そう彼の母親から電話をもらった時は、まだ、道案内がてらのちょっとしたドライブのつもりだった。しばらくぶりの彼の母親との会話に、ふと、芳恵の心の琴線に触れたような、違和感を感じた。
 彼の母親は、自慢の息子の大学入学を素直に喜び、学業に専念するよう期待していた。同時に、
「あの子、まだオンナの子と付き合ったことがないらしいのよ。今まで受験、受験だったでしょ?芳恵さんも知っての通り、あの子、奥手だものね。・・・見てくれだって母親のワタシが言うのもなんだけど、まあまあだと思うのにね」
と、次第に大人になる息子を案じ、そう吐露した時だった。
 (もしや?未体験のオトコの子?・・・セックスの体験があったとしても、まだまだ穢れのないオトコの子?)
そう思った途端、彼の子供の頃の姿は、まだ見ぬ大人の、成長したオトコに変わった。
 若作り、と言われてもいい、芳恵は彼女が思う、精一杯の、若いオトコが好む服装をした。そして、幼い頃しか知らない彼を駅のロータリーで見かけたとき、その成長ぶりに心躍らせた。彼を篭絡したい、と芳恵はその時思った。忘れかけていた肉体の中に眠る快感が、その時まさに蘇った気がした。
 彼が与えてくれる快楽は、芳恵をオンナとして目覚めさせ、陶酔の毎日が送れる、と思った。しばらくは自分の家出滞在する、と彼が言ってくれた時、芳恵はこれで報われた、と思った。
 その翌日である。彼と一緒に出勤し、初々しくも困った彼の悪戯に秘所を濡らしてしまった直後、鴨居老人もまた、芳恵のカラダに悪戯したい、と言い出したのだ。
 以前より、お小遣いもくれる、手指や長物野菜、果物、おもちゃでは得られない快感を与えてくれる、老人の渇いた指や口の快感には、不承不承ではあるが、身を捧げてきた。また、老人の悪戯は、お金をもらえるうえ、夜毎に自分が繰り返す自慰とどこが違うのだろう?快感こそ、人にされた方が気持ちいい、と芳恵は思う。足を開き、勃起できないと思い込んでいた哀れな老人の相手をしていたつもりであった。
だが、それは、彼と出会う以前のことだ。彼と結ばれて幸せさえ感じていた芳恵にとって、老人に改めて身を捧げるつもりはなかった。
だが、彼と出会う前の、鴨居老人の悪戯に付き合ってきた過去は変えられない。その過去に追われるようにして、老人に捧げた局所であったが、その日に限ってはいつもとは違った。どこでどう感づいたのか、鴨居老人は芳恵の、忘れ去りたい過去を言い当てたのだ。
汚れのない、愛のあるセックスを彼と愉しみゆくつもりだった。それが鴨居老人の一言、
「開発済みなのだろう?」
とアヌスをくじられた時、芳恵のカラダの奥底で、再び開けてはならない何かが、こじ開けられてしまった気がした。
 (望むと・・・望まないと、に限らないんだわ・・・。アタシ、結局逃げ切れないのかもしれない・・・)
芳恵は切り離せない暗い過去が彼女に追いつき、その闇が未来までも覆い尽くさんばかりに迫っていると、観念した。



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