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検事 桐生美鈴
【母子相姦 官能小説】

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幹事長の災難-1

美鈴は体内時計のお陰なのか、目覚まし時計を掛けていなかったがいつもの時間に起きた。自分が着ている寝間着を見て、

【猛が着せてくれたんだわ。】
【体も髪も洗ってくれた見たい。】

と記憶に無く、驚く。浴室に行き、体をシャワーして髪を洗う。髪を乾かし化粧をすると台所のテーブルにお金と食事用と書いたメモを置く。

【また、泊まりなるかも。】
【今日の裁判次第だけど。】

と思いながら食事用の椅子や居間を見る。

【猛が掃除してくれたのね。】

と微笑む。買い置きしてあるゼリーの栄養食品を冷蔵庫から取ると時計を見て玄関に向った。そろそろ、迎えの公用車が来てる筈だった。

山海与党幹事長の収賄罪の裁判に向けての準備は着々と進んでいた。司法取り引きを持ち掛けて来た山海の秘書北島、山海が受け取った1億円を山海の事務所で見た元私設秘書との打ち合わせ、質疑応答の練習。

本当は午前中で有ったが、山海側被告弁護団が直前になって検察側の証人申請や証拠申請を理由に午後への開廷を希望したのだ。美鈴は、相手側はかなり焦っていると思った。

美鈴は会議室の椅子から立ち上がり、

『食事してから、裁判所の方へ向かいましょう。』

と部下の検事達に話すとみんな笑顔で頷く。いきなり、会議室のドアが開く。慌てた様に上司が入って来て、

『桐生君、テレビを今すぐ見るんだ!』

と叫ぶ、美鈴の部下がテレビに駆け寄りテレビのリモコンでスイッチを入れる。女性レポーターが画面に映り、

『繰り返します。こちらのビルから出ようとした所を暴漢に襲われた模様です。』
『与党幹事長で本日収賄罪で公判予定の山海衆議院議員が暴漢に襲われました。』
『このビルには山海衆議院議員の弁護団の事務所が有るとの事です。』

と切迫した様子で話している。部屋の全員から、

『嘘だろ!』 
『本当かよ!』
『公判は?』

などと驚きの声が上がる。美鈴は、口を真一文字に結びテレビ画面を睨んでいる。さらに、テレビから

『山海幹事長は切り付けられ複数箇所を負傷したとの情報が、只今入って来ました!』
『山海幹事長は負傷したものの命に別状は無いとの事です。』
『私達が入手しました情報によりますと、山海幹事長は切り付けられましたが、暴漢はすぐに警官達に取り押さえられたとの事です。』
『警官1名が負傷したとの事ですが、こちらも命に別状ないとの事です!』


と女性レポーターは話している。美鈴はホッと安堵する。

【誰も亡くなっていない、良かった!】

と思いながらも、

【到底、裁判と無関係とは思えない。】
【犯人は逮捕されたので、捜査待ちね。】
【暫くは山海の裁判は延期だわ。】

と勢い込んで今回の山海幹事長収賄罪裁判に臨んでいただけに正直失望を禁じ得ない。少しして裁判所より被告負傷により山海の収賄罪裁判は延期と連絡がある。

美鈴は、証人として出席予定だった山海の秘書の北島と元私設秘書にも伝える。2人に公判の再開が決まったら知らせると言い帰って貰う。

少しして北島が戻ってきて、

『絶対に今回の襲撃に大原とその秘書の黒川が関わっている。』
『賭けても良い!』

と力説した。美鈴は、

【地検で賭けられても。】  

と苦笑いしながら、

『警察が容疑者の取り調べをしていますので、結果を待ちましょう。』

と話すと北島は頷き、帰って行った。美鈴は、部下達に中止になった訳では無いので山海の収賄罪の証拠を更に調査して行こうと指示する。


料亭の一室で、大原源蔵は腕組みして座椅子に座り人を待っていた。待たされる事が大嫌いな源蔵だが、今晩会う相手はようやく会う事を了承してくれたのだ。引き戸の廊下側から、

『黒川です、よろしいですか?』

と声が掛かる。源蔵が、

『ああ、何だ?』 

と返す。黒川がスッと部屋に入り、すぐに引き戸を閉める。

『岸山政調会長、少し遅れるそうです。』
『山海幹事長の事件で与党内で内々の幹部会議が行われた為だそうです。』

と言うと源蔵は顔をしかめ、

『まだ、待つのか。』

とうんざりした様に言い、

『しょうが無い、俺の蒔いた種だ。』

と笑う。黒川はすぐ様、

『会長、誰か聞いているかわかりませんよ。』

と諌める様に言う。源蔵は手を振り、

『分かってる。』
『結果は今一だったが。』

と悔しそうに言う。黒川が、

『事件の直前、幹事長は警察に警備の強化を要請したそうです。』

と言うと源蔵は、

『バレてたのか?』

と驚く。黒川は首を振り、

『いえ、例の写真が公表されて以来、脅しめいた手紙が山の様に来る様になり怯えた結果と聞きました。』

と説明する。源蔵は笑い、

『奴の臆病さが身を助けるか。』
『運の良い奴め。』   

と言う。黒川は、

『山海幹事長の裁判は時間稼ぎが出来ます。』
『これ以上、幹事長に足を引っ張られる前に会長の裁判を和解に持ち込みましょう。』

と言うと源蔵は頷き、

『そうだな、奴の運転手も隠れてんだろ。』 
『そいつも何か知ってて検察に話すかも知れねえぞ。』
『自分の部下も押さえられねえ間抜けとは、俺も人の見る目が落ちたな。』

と面白くなさそうに言う。黒川が、

『まあ、その分会長の言いなりに動いてくれてかなりの利益をグループに。』

と言う。源蔵は微笑み、

『そうだな、馬鹿とハサミは使い様とは正にあのヘボ幹事長に有る言葉だ。』

と高笑いする。


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