不倫の顛末-8
※
「田口係長…」
トイレでの一件の後すぐに昼休憩となり、リカは私の元へ来た。乱れた衣服はすっかり元通りとなっている。
「ん?何かね?」
「その…」
煮え切らない態度の櫻木くんに、私は素知らぬ顔で演じる。
「昼食だよ。しっかり休憩を取りなさい」
「わ、分かってます…」
「今日は佐々木さんとランチの約束をしていないのかね?」
「…断り…ました…」
内腿をもじもじとさせている。
昼飯どころではないだろう。薬の効果も切れていないだろうし、何よりずっと焦らされている。普段から思いの外リカは性欲が溜まっているようだ。
「田口係長、あの…良ければ御一緒に…」
「すまんね、今日は一人で食べる予定だ」
「…え?」
リカはあからさまにショックの色を浮かべる。お預けを食らった犬のようだ。
「仕事が残っていてね。これを済ませないと飯どころじゃないんだよ」
「その…手伝いましょうか?どれですか?」
やけに距離が近い。背中から回り込んで胸まで押し付けてきている。すっかり発情しているようだ。
私はリカの太ももに手を這わす。
一瞬、ビクッと反応したリカだが拒絶はしない。そのまま手を尻へと持っていき撫で回す。
「この案件なんだがね」
「え、ええ…確か山下さんが企画したプラン……んっ」
「そうなんだよ。このプランにはどうも “穴” があってねぇ」
私はそしてリカの穴へと指を這わす。
「ぁっ…係長…ここでは………」
オフィスに残っている者に聞こえないよう、小さな声でリカは言う。
トイレで拭い切れていない愛液か、それともまたこの一瞬で濡らしたかは分からないが、ショーツからストッキングまでもう既にぐっしょりと濡れている。
「はっ…ぁっ…ぁ…だめ…係長…ちょっと………んぅ」
「ここの時間帯だ。これではホテルに着く時間が少し遅くなる。せめて10km圏内に収めたいと思うんだがどうかね?近く “穴場” はあったかね?」
「そ…です、ね…その辺り…は、、ぁんっ、ぁっぁっ…」
頗(すこぶ)る愉しい。この女は私の嗜虐心を擽る。淫乱なくせに普通であろうとするから羞恥心が自身を抑制する。その羞恥が彼女自身を興奮させているのだろう。私自身もそれは興奮する。
「それで?」
ストッキングとショーツをスカートの中で下ろすと、私は直にリカの割れ目を弄る。
「はぁっ…待っ…直接……ぁっん、ぁっ」
手はもうリカの体液でびっしょりになっている。二本、三本と軽く指の侵入を許してしまう程に濡れそぼっている。きゅっと膣内で指を締め付けるところも可愛い。
緊張しているのだ。皆の前で、見られていなくとも辱められているという事に。
「どうなのかね?」
「そ、そうです…ね、んっ、、ここに…何か、あれば………ぁっ」
「そうだね、 “埋め” られるね」
「は、い…」
「なにか “欲しい” よなぁ」
「んっ…んぅ……ほ、 “欲しい” …です…」
ぐちゅぐちゅと掻き混ぜる。リカの艶っぽい唇から甘い吐息が漏れている。
「ちょっと別室で話そうか。ランチの時間はズレてしまうがいいかね?」
「は…い、お願いします…早く…」
潤んだ瞳で懇願するリカ。
そこにはもう、いつもの常識然とした櫻木リカの姿は居なかった。