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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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帰らぬ妻 (1)-2

 ネオンがきらめく夜のホテル街。
 複雑に入り組んだ狭い路地裏の一角で、女が男の足元に跪き、股間に顔を埋めている。

「じゅぷ……じゅぽ……じゅる……じゅぽ……じゅぷ……じゅる……」

 路地裏といっても通りから数メートル入った程度で、通行人もいる。人の視線も声も気配も届く距離で、一心不乱に行為を続ける女。見られていることに気がつかないわけはない。むしろ見られているからこそ、行為はより激しく熱を帯びてくるようにも感じられた。

「じゅぷ……じゅっぽ、じゅっぽ……じゅるじゅる……じゅぶぶ……じゅぷ……じゅっぽじゅっぽ……」

 フェラチオをしているのは私の妻、ゆき。しゃがんでまくれあがったスカートの裾から、例の恥ずかしいストッキングとショーツ、そしてむちむちの白い丸みがかすかに覗いている。Fのペニスを口の奥深くまで頬張り、丹念に肉棒を舐めまわす。こんなことをしていてもなお醸し出される人妻の清楚な雰囲気が、下半身のだらしなさを一層引き立てる。

  *

 夕方、私にデート延長の許可をとりつけたゆきは、献身的な口淫奉仕によりFを復活させ、三度目のアナルセックスを行った。大きくなった男性器に頬ずりし、肛門への挿入をおねだりしていた妻。「もう今日は旦那としないから」「いいの?」「疲れてるから明日にしてって言えば大丈夫」。正常位でアナルに男性器を挿し込まれ、キスをしながら肛門をひくつかせ、最後は当然のように肛門に中出しされ悦ぶ声を聞かされた。
 勝手に今日のセックス、とくにアナルセックスを無しにされて茫然自失状態の私に、ゆきからメッセージが届く。

《パパ、今日はありがとう。
 Fくんとのデート、楽しんでるよ。
 いまから外で食事してきます》

 気がつくと私は車を走らせ「Pホテル」に向かっていた。着いたところでどうなるものでもない。乱入したいわけではない。私に対して不誠実なゆきに腹は立つが、それ以上に興奮してしまっている。
 ただゆきが、Fと腕を組みホテルへ出入りするメロドラマのようなシーンを目撃したい。ホテルを外から見上げ、この建物のどこかで愛する妻が寝取られているのを想像して股間を硬くしたい。「この世で最も愛する女が、今まさに私以外の男とセックスをしている」という確信と実感を抱き、マスターベーションしたい。
 馬鹿げた衝動に突き動かされ、ホテルへ向かう。二人はもう出た後かもしれないし、また同じホテルに戻ってくる保証もない。無駄足になる可能性も高い――そんな冷静な判断より先に、体が動く。

 しかしまさか、屋外フェラチオシーンに出くわすとは――。

 小さな口いっぱいに、夫のものより格段に太く長い男性器を突っ込まれているゆき。
「じゅぷ……じゅる……ちゅぅ……ぺろ……ぺろぺろ……ちゅ……」
 ようやくFの肉棒を口から出す。愛おしそうに何度か先端にキスを繰り返す。尖らせた妻の唇からたっぷりの粘液が糸を引き、ネオンの光を反射しつつFの亀頭へと伸びている。唾液と呼ぶには量も多く、粘り気も強いのは、喉奥奉仕で胃液が逆流しているのである。なんと汚らしい。

  *

 二人がのんびりチェックアウトしてくれたおかげで間に合った。

 ラブホテル特有の、隠秘でこじんまりしたエントランスを覗ける物陰に身を隠し、ドキドキしながら待つこと数分。ゆきが出てきた。隣に私ではない別の男がいるという当たり前の事実に、あらためてショックを受ける。
 Fの手はゆきの腰、というより尻にあてがわれている。同じことを私がしたときは、「エッチ!」と睨まれ手を払いのけられた。そっと添えられたFの手が、妻の尻の丸みを優しくなぞっても嫌がる素振りはない。今のゆきはとても楽しそう。腕を組みFを見上げ、何ごとか言葉を交わし微笑む姿に、胸が締め付けられる。笑うと、私の大好きな少し幼い表情が顔を出す。鼻にかかった甘え声が、イヤホンを介さず聞こえてくる。

 それにしても――と、あらためて思う。
 ホテルから出てきたゆきの美しいこと。今日さんざん聞かされた痴態の数々、変態行為の数々とまったく整合性がとれない、どこからどうみても清楚な美人妻。これほどまでに美しい女性が三度もアナルセックスをして肛門に精液を中出しをされているなど、とても信じられない。そもそもラブホテル街で男と一緒というシーンがミスマッチすぎて、頭が混乱する。清楚で健康的な可愛らしさが売りの女子アナの、枕営業スクープ映像を見せられているような背徳感に満ちている。

 そんな女性が、男と食事を終えるや路地裏にふっと姿を消した。何ごとかと追いかけたら、女が男のズボンを下ろし、股間に顔を寄せていくところだった。


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