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IFP―第二章―-4

DEAR 圭





圭、今これを読んでいるならNO.9からいろいろ話を聞いているよな。お前をこんなヤバイことに巻き込んでしまってごめん。本当は自分でなんとかしたかったが、どうやら俺はゲームオーバーらしい。親友と婚約者を守ることさえ出来ない俺を赦してくれ……いや圭の日常を奪ったんだから憎んでくれ。本当にすまないと思っている。俺を憎んでこれを最後まで読んでくれ。


言うのはずかしいけど、どうせ俺はもういないから言うぞ。俺は圭のことを太陽だと思ってた。近づく奴は片っ端から焼いていくのに、誰よりも優しい光を持っている。老人から小さい枯れかけの花まで、お前は優しかった。鋭い目の奥にある瞳は、悲しげで和らげであることを俺は知っている。いつも傍らでもったいないと思ってた。もっとその優しさを周りの奴らにも見せてやればいいのにと思ってた。人が見ていないときだけしか本来の圭がでてこないのがもどかしかった。だから昔から俺はいつもお前の邪魔ばっかりしていたんだ。少しでも周りからの誤解が解ければと思って。だからお前がうざがっていたことを知っててやってた。ごめん。でも、ほっとけなかったんだ。一人孤独に自分の居場所を探している姿が。居場所を見つけても自分から去っていくお前の姿が。圭が一匹狼を洒落こむにはあまりにも似合わな過ぎる。俺は圭と同じ道場で学んでから、自分の世界が変わったんだ。圭に会って、ただ黒と白しかない世界に鮮やかな光がともったんだ。初めて世界が綺麗だと思えた。そのときからお前は俺の太陽になったんだよ。それまでずっと俺はガキの頃から死場所を探
してた。今思えばガキのくせしてかなりエグイことばっかりしてた。きっとそのツケが今になって回ってきたのだろう。でも俺は全く後悔していない……自分のことに関しては。俺は幸せだったと胸をはって言える。NO.9に圭と琴音のことを全まかせておいた。NO.9は信頼できる。お前はこのまま今まで通りとは言えないが、俺のことなんか忘れて自由に生きてくれ。…でも琴音のことは気にかけてやってくれないか?あいつ独りだと弱いから、誰かが側にいなければならないんだ。俺じゃなく、琴音のために頼む。


最後にこれが一番伝えたい。俺と出会ってくれてありがとう。ずっと側にいさせてくれてありがとう。一緒にバカやらせてくれてありがとう。何度でもいい足りない。ありがとう。





from 慎介





……………………話についていけない。一体なんなんだ?分かんない。………………けど、慎介に謝らなければならないといけない。でもその慎介はきっともうこの世にいない……しばらく俺は放心状態のまま座り込んでいた。


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