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夢と現の狭間の果てに
【OL/お姉さん 官能小説】

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既視感-7


 このまま樋口と付き合うことを頭の片隅で考えてる。でも私の気持ちだけ一方通行になるのは嫌だ。樋口と付き合うということはそういうことだって分かるから。
 …違うか。私はただ怖がってるだけだ。
 樋口はそして私のお尻を掴んで少し持ち上げると、そのままおちんちんを割れ目へと当てがってきた。

 「ちょっと」
 「なに?」
 「なにって…んぅっ」

 すんなりと挿入る。下の口は上の口と違って “食いしばる” ことが出来ない。当然歯も歯茎も無いのだから当たり前と言えば当たり前だけど。

 「あっ、ん、こら…駄目…って………」
 「サクちゃんだってココが涎垂らして悦んでるよ」
 「バカ…そんな話じゃなくて…」

 片足を持ち上げられたまま立位で下から抉ってくる。ちゃんと話をしたいのに上手く逸らされた気がする。

 「あ、ちょっと…本当に…んっ、あっ早いってば……ああっ!」

 喋らせてくれない。腰付きが早くなってまた私を気持ち良くさせようとしてくる。本当にズルい男だと思った。この男はこうやってペースを握るんだ。繋がったまま顔を近付けてくる。
 仕方ないか…。
 自分が気持ち良くなる為の言い訳。エッチだけの関係に甘んじて、本当の意味でのパートナーになることから逃げる為の言い訳。
 樋口は貪るように私の唇を奪う。流されるように私も舌を出して彼に吸われる。唾液の交換はセックスへの気持ちを昂らせるのに十分な効果を与えた。

 「ズルい…よね、先輩…」
 「ズルくても悪くてもいいよ。何でも俺のせいにしていい。サクちゃんさえ俺の側に居てくれるなら」
 「…んっ、…そ、そういうとこ…だよ…」

 硬度が増した肉棒が熱くなるくらい内壁を擦り続ける。気持ち良くなりたいと気持ち良くしたいというお互いの想いがその一点に集中している。
 私は彼を好きになってる。どこでどう間違ったのか、好きになってはいけない男を好きになってしまった。
 何かで聞いたことがある。女は好きになった男しか身体を許さないと言われているけど、それは厳密に言うと誤りなのだ、と。
 好きでもない男に抱かれると “好きな男にしか抱かれない” という自分のルールに反するから、 “抱かれたのは好きな男だったから” と脳内で変換される…という話し。

 「好きだよ」

 またこの男はそういう事を…。
 分かったよ。素直になればいいんでしょ?貴方を好きって認めればいいんでしょ?

 「ベッド…行こ」

 私は誘う。
 後悔しても知らないから。と、樋口へなのか私自身へなのか分からない捨て台詞を心の中で吐いて、私達はベッドへ戻っていった。


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