裏切るカラダ-5
悠子がまだぐつたりしているので頭に新しいバスタオルを折り畳み敷いて寝かせる。
ガラステーブルを横立てにしてバスタオルを掛け、隣の襖を開けられても顔が見えない様にする。
悠子は小一時間寝た後起きる。櫻井が近くにいて唇に指を当て隣を見る。悠子はスマホをミラーモードにして身支度を整える。
帽子を被り、サングラスをすると櫻井が自分のスマホを見せる。メモ帳アプリに
《また連絡する》
と書かれていた。悠子は頷くと櫻井は引き戸を開け周りを見廻し悠子に頷く。悠子は6畳の部屋を出ると櫻井が悠子のパンプスを置いてくれた。
悠子は櫻井に会釈し櫻井も返す、悠子はドアを開け周りを見廻し確認してから櫻井の部屋を出る。
アパートから出るとタクシーを拾い駅に向かう。駅のコインロッカーから別の紙袋を取り出すと近くのショッピングモールのトイレで仕事用衣類に着替えた。
ショッピングモールで私服用の衣類を購入、大きな袋を貰いそれに紙袋を入れた。食品売り場で夕食用の物を2人分買い、帰宅の為ショッピングモールを出た。
自宅に帰ると夫が出迎えてくれた。夫にショッピングモールの食品売り場で買った物を見せ、
『買ってきちゃった。食べよ。』
と言うと夫は、
『良いね、出前取ろうかと思ってた。』
と笑う。悠子は、
『着替えて来るね。』
と言い、クローゼットのある部屋に向かう。仕事用の服から家用の軽装に着替えると夫と食事した。夫が、
『少しは、気晴らしになった？』
『でも半休じゃあな。』
と聞いてきた。悠子は、
『うん。服を少し買ったし、ほとんど見て廻るだけだったけど。楽しかったわ。』
と話す。夫は、
『映画見なかったの？』
と聞く。悠子は
『見る予定だったけど、休憩スペースでいつの間にか寝てたわ。』
と言う。夫は笑い、
『そうか、でも気晴らしになったなら良かった。』
と言ってくれた。悠子は、
【あなた、ごめんなさい。】
【裏切って、嘘付いて。本当にごめんなさい。】
【私、駄目で最低な妻だわ。】
と心の中で詫びる。
食事が終わると夫が片付けてくれると言うので礼を言い、お風呂に入る事にした。クローゼットから下着を取り出す。
今日買った衣類を袋からクローゼットにしまう。紙袋から衣類を取り出し、洗濯用のカゴに入れる。
洗濯機に衣類を入れ動かし、浴室に入る。シャワーを浴びながら、櫻井の部屋を出てから今まで努めて考えない様にしていた事を思い出す。
【櫻井の言っていた通りだった。】
【媚薬のせいばかりじゃ無かった。】
【櫻井の性器、チンポを見た瞬間スイッチが入った様に私の体は反応したわ！】
【櫻井のセックスは凄かったし、櫻井の性器に夢中になった。】
【今日、それを自覚させられたし口にもした。】
【私、淫乱かも知れない。】
【あんなに櫻井の性器を舐め廻して】
【精液を自分から飲ませて欲しいと頼んだり。】
【櫻井に証明出来無かったら、性奴隷になれと言う約束だ。】
【私、どうなるんだろう。】
【櫻井には逆えない、言いなりになる気がする。】
【でもそれで良いわ。櫻井無しだと櫻井の性器無しには私、おかしくなるかも知れない。】
悠子は浴室から出て、リビングに行き夫と話しながらビールを飲む。仕事やお互いの実家の親や家族の事、笑いながら楽しく時は過ぎていく。
夫が
『今夜、良いかな？』
と照れながら聞いてくる。久しぶりの夫婦生活の誘いだ。悠子は、
『ええ、嬉しいわ。あなた！』
と歓迎する。夫が言いにくそうに、
『あの、そろそろ子供作りたいんだ。』
『君が仕事に打ち込んでるのは解ってはいるんだが••』
と言ってくる。義母の圧力かなと思ったが夫との子供は欲しいし、自分の年齢ももう29才だ。夫もそろそろ子供が欲しいと思ったのかも知れない。
『良いわよ。子供作りましょ。』
と笑いながら返すと夫は凄く嬉しそうに、
『ありがとう、ありがとう。』
と言ってくる。悠子は、
『あなた！まだ子供、出来て無いわよ！』
と微笑むと夫は頭を掻いて、
『そうだな、まだおめでとうは早いな。』
と笑い、悠子も笑った。
その夜の夫婦の営みは以前とかわらなかったが、久しぶりに中に出されて悠子は幸せな気分だった。悠子は、
【早く子供が出来れば良いのに。】
【夫を早く喜ばせたい。】
【子供を産んだ私を櫻井は抱くだろうか？】
【櫻井が私を抱かなくなったら、私平気かな？】
と色々考えているうちに寝むりに付いた。