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真奈美の性春
【学園物 官能小説】

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エンドレス-8

それぞれの思惑の中で、真奈美デイは再開された。

雅和は敏明と戯れる真奈美の姿を見ながら、征爾との話を思い返していた。

真奈美に学ばせたいことはたくさんある。
出来るならば、良い事のみを真奈美の頭の中に残したかった。
しかし、現実はそうは甘くないだろう。

男の人はみんな真奈美に優しくしてくれるもの、
そう思って真奈美は育ってきたのだ。
そしてそれは現実として、真奈美の周りにあった。

小学校生活から中学校卒業まで、クラスメイトによる差別やいじめらしきものが、
なかったというわけではなかったが、
真奈美自身はそこまで深刻な問題として受け止めていなかったり、
信じていた人に裏切られたり、
人を疑わなければいけないというような場面に出くわすこともなかった。

真奈美自身の理解力が人よりも遅れていたことが幸いしたのかもしれない。
しかし、これから先のことを考えた時、真奈美には、
人間の醜い部分を教えていかなければならないのだ。

人を騙す。
人を裏切る。
人を利用する。

真奈美の世界観と全く違う、真奈美が経験してこなかった世界を、
真奈美が傷つく前に、疑似体験させ、
人を疑う心を持たせなければならないのだ。

(本当に、それしか方法はないのだろうか。)
雅和は何度も自問自答したが答えは同じだった。
自分が、あるいは真奈美のことを理解している誰かが、
いつでも、そしていつまでも、真奈美のそばにいられる保証はどこにもないのだ。

真奈美は、真奈美の力でこれから先の人生を生きていかなければならない。
そのためには、自分たちが見守っているところで、
真奈美に涙を流させる必要があるのだ。
(鬼にならなければ……。)

それが雅和の決意だった。

しかしそれを理解させるために、レイプ擬きを体験させるというのはどうなのだろう。
そして真奈美はそうした行為を、
そしてそうした行為を行う男というものを、どうとらえるだろう。

大人たちの心配をよそに、あっさりと受け入れてしまうかもしれなかった。
しかし、あまりの衝撃に、今までの自分に関わってきた男たちさえも、
嫌悪に満ちた目で見るようになるかもしれない。
ある意味でギャンブルとも言えた。
果たして今の真奈美にそうしたギャンブルを行う必要があるのだろうか。

そんな迷いの中で雅和は真奈美デイを終えたのだ。

そして、その答えは意外な形で雅和にのしかかってきたのだ。


その日の夜、香澄は帰ってこなかった。

雅和は麗子に連絡を取ったが、もう1時間以上も前に家を出たという。

雅和は香澄の携帯に電話を入れた。
【電源が切られているか、電波の届かないところに】
というお決まりのアナウンスが流れるだけだった。

雅和はもちろん、真奈美も、そして征爾や敏明、潤一も、
香澄の心配をし、真奈美デイのプレイは中断した。

それから10分ほど後、香澄から連絡が入った。
「どうした、香澄。何かあったのか?」
「あ、ああ、あなた。ごめんなさい。遅くなっっちゃって。
 も、もう少し、したら、帰るから。 
 先に休んで、あ、いて。
 あ、そうじゃ、なかったわよ、ね。
 わたしが遅いからって、せ、っかくの、真奈美デイを、中、断なんか、
 して、ない、でしょうね?」
「香澄、どうしたんだ?何かあったんじゃないのか?」
「電波の、具合が、あう、悪い、のよ。きっと。
 あ、あう。あなた。あのね、わたし、い、今、あ……。」

そこで電話は途切れた。

「香澄さん、大丈夫ですか?」
「あ?ええ。なんか電波が悪いみたいで。話が途切れ途切れだったんですけど。
 心配しないで、中断なんかしないでって言われちゃいました。
 あ、そうそう。買い物を思い出したから、ちょっとスーパーに寄ってくるって。
 まあ、1時間か2時間で帰ってくるでしょう。」

雅和は征爾たちにそう言って取り繕った。
雅和は確信していたのだ。
香澄の、途切れ途切れのあの声は、電波が悪いせいなどではないと。
(香澄のやつ。襲われて……多分間違いない。しかも相手は数人……。)


征爾たちは雅和の言葉に安心し、真奈美への愛撫を再開した。

「ねえ。今夜は寝なくてもいいんでしょ?」
「ああ。明日は休みだ。ずっとしていてもいいし、
 少し休んで、夜中でも起きたら始めちゃっても構わない。
 ただ、相手がいるかどうかだけどね。」
「あ、だったら、順番、決めてよ。」
「順番?」
「そう。寝る順番。 
 ほら、2時間ずつ、朝まで起きている人を決めておくの。
 そうすれば、真奈美がいつ起きても、必ず相手がいるっていうこと。」
「不寝番、だな。」
「ああ、そういうことだ。」
「不審番?」
「違う違う。寝ずの番、ってことだ。
 じゃあ、じゃんけんでもして決めるか。」
「いや、年齢のことも考えて決めないと。」
「いや、ここは公平にくじ引きにしましょう。」
「あのさ、なんでもいいから早く決めて。
 真奈美はちょっとだけ、休むからね。
 真奈美が起きた時に、誰も起きていないなんてことになったら、
 全員蹴っ飛ばして起こしてやるからね。」

真奈美はそう言うと、そのまま横になり、あっという間に寝息を立て始めた。

「ほら、なんだかんだ言いながら疲れてるんですよ。」
「ああ。このまま朝までぐっすりっていうことも考えられるな。」
「まあ、それはそれでいいとして、一応順番は決めておきましょう。」

敏明が作ったくじを順番に引いていく。
くじの結果、10時から12時が雅和。12時から2時が征爾。
2時から4時が潤一。最後の4時から6時が敏明という順番になった。

「じゃあ、皆さん。まずはゆっくり休んでください。」
雅和が言った。


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