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MatchingDIVE
【SF 官能小説】

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広報室-4

カノンと義人が総務課長に
呼び出される。

「二人には
先日から言っておいた

マッチングダイブの広報を
担当してもらう事にあたって
取締役会で詳しい説明がある。

明日の取締役会に私と一緒に
出席して貰いたい」

「はい、分かりました
ところで広報の内容は
それまで分からないのですか?」

「うむ!そうだな
重要な事業なので

取締役会から直々特命が下ると
思うから
そのつもりで居てくれ」

「分かりました……」


「カノン……いよいよヤバそうな
雰囲気になってきたな……」

「そうね……
大変な仕事になるかもしれないね

でも、私は義人と一緒なら
頑張れると思う♪」

「そうなのか!?
俺は不安でドキドキだよ!」


翌日の取締役会の時間になる。

課長と二人は10分ほど早めに
会議室の最後列で
取締役たちが集まるのを待つ。

一人づつ
お偉いさん達が入ってきて
自分の席に着く。

全員が揃ってから
最後に父親である西園寺が入室し

最上部の中央に座り
取締役会が始まる。

司会の本部長がマッチングダイブの
プレゼンテーションを続けている。

「……と言う事でありまして
反対勢力の最重要ポイントは
民意の情勢であります

そこで我が社としましては
歌手をデビューさせ
イメージアップを図ることに
致しました。

それでは、入りたまえ……」

一人の女性が入室する。

「彼女の名前は
リサ・クリスティー24歳

彼女にイメージキャラクターとして
働いて貰います

それから
彼女のマネージメントを
総務部から二人選出しております

二人とも立って!

この小林君と松雪君に
彼女のマネージメントを
担当して貰います」

父親である社長が
義人を見て口を挟む。

「本部長…
この二人を選出した理由は何だね?」

「はい
リサの歌を視聴する年齢層から
出来るだけ若い人材が良いかと

総務部と相談しまして
選出致しました」

「ふむ、そうか……」

「デビュー曲も
出来上がっておりまして
システムの公開前から
BGMで活動して貰っています」

「うむ!解った!
それでは各部署
慎重に事を進めてくれ」

取締役会は程なく終り
総務課長に呼び出される。

「と言う事で
二人にはリサのマネージャーとして
働いて貰うことになった

今後は総務課ではなく
新しく設立される

リサ・クリスティー
マネージメント広報室で
活動してもらう事になる」

「マネージャーですか?
そんな事、私達に出来るのですか?」

「やって貰わないと困る!
社運が掛かっているのだからな!」

「分かりました……
何とかやってみます……」

「義人…今夜、部屋で
ちょっと打ち合わせをしよう…」

「そうだな…いつもの時間に行くよ」


夕食後
義人とカノンが部屋にログインすると
他のメンバーも数人集まっていた。

義人に駆け寄るカノン。

「ユキト、ここじゃ皆が居るから
外で話そう?」

「うん…そうだな…」

「すまないが
ちょっと外に出てくる……」

カーブがからかうように声を掛ける。

「おいおい何だよ〜
二人でヒソヒソ話か!?」

「いや!そんなんじゃ無いよ」

「おお!お熱いね〜
行ってらっしゃい!」

「カーブのバカ!
そんなんじゃ無いって
ユキトも言ったじゃん!」

「そうなのか?……
そりゃすまない……」

二人部屋を出て
公園コミュニティに来ると
カノンが口火を開く。

「義人!参ったね?
マネージャーよ?

やれると思う?
絶対無理よね?

しかも
あんな美人の……何て言ったっけ?」

「リサ・クリスティー」

「そうそう!そのリサ!
あんな美人でスタイル良くって!
わたし、何かやる気起きない!」

「そんな事言ったって
仕事なんだろ?
やるしか無いじゃん!」

「義人はあんなタイプが好きなの?」

「は!?別にアバターだし
タイプとか気にして無いし……」

「へぇ〜そうなんだ!?
でも、ずっとリサの事を
見ていたじゃない?」

「え!?そうか?
そんなつもりは無いけど……ただ…」

「ただ、何よ?」

「うん…ただ、声が気になって…」

「声がいいんだ!?」

「気になっただけ!
それより、これから俺たちは
どうすべきか
話し合うべきだろ?」

「あっ?うん…ごめん…
そうね、そうよね?
わたし、取り乱しちゃって
ごめん……」

「別にいいよ…
初めての仕事を
押し付けられたんだから

しかも社運の掛かった
ヤバイ仕事を……
だから取り乱しても仕方ないよ」

「義人は大人だね……」

カノンは
取り乱した原因が
仕事にあることでは無いのを
義人に悟られなかった事に

恥ずかしさと
いじらしさを胸に秘めるのであった。

すると
遠くで
歌声が聴こえてきた。


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