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任務中なのに〜アパート張り込み編〜
【レイプ 官能小説】

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強面の住人-2

緒方が、捜査課に戻ると篠山主任が緒方の報告を聞く為に待っていた。他の捜査官達は、詐欺グループのアジトの監視や詐欺グループメンバーの調査などで殆どいない。

既に他の捜査チームから応援に来て貰っていたが、今週末には更なる応援が来る予定だった。緒方は悠子に、

『例のアパートの上の部屋の住人ですが反応は今一です。』
『そんな広くも無い部屋に、捜査官が
常駐する事を嫌がっています。』

と報告すると悠子は、

『まあ、普通そうよね。』

うなずき言う。続けて、

『どんな人なの、櫻井さん?』

と聞く。緒方は、

『身長180cmは有りそうな大男です。頭は、剃っているのかスキンヘッドの強面風です。年齢は40前後と言った所でしょうか。』

と答える。悠子が、

『堅気の人なのよね?』

と聞くと緒方は、

『私も最初、反社関係を疑ったのですが話して見たら違いました。』
『話し方も丁寧で、一般の方だと思います。』

と答える、ベテランの捜査官になると経験上暴力団の構成員などは雰囲気で判るものなのだ。

悠子はうなずきながら、

『仕事は、何を?』

と聞くと緒方は、

『本人には、確認しておりません。交渉が順調に行けば聞くつもりだったのですが。』
『管理会社によりますと、個人で大工業をやっていて小規模な修繕等をやっているそうです。』
『でもこちらに引っ越して半年位で中々仕事の依頼が来ず、夜中の土木工事を不定期にやっていると本人から聞いたそうです。』

と報告する。悠子が、

『何故、引っ越したのかしら?』

と聞くと緒方は、

『以前働いていた建設会社が倒産した為、家賃の安い今のアパートに移ったのだと管理会社は聞いたそうです。』

と話す。悠子は頷きつつ、

『他の部屋の住人達は、家族や夫婦、女性が多いのよね?』

と聞く。緒方は、

『男性も何人かいますが、みんな学生で人の出入りは多いみたいです。』
『管理会社に苦情が来る位騒ぐ人もいるみたいです。学生ですから。』

と苦笑しながら報告する。悠子も笑いながら、

『学生は、避けたいわね。』

と言いながら考え込み、おもむろに口を開く、

『上に掛け合い、協力金を出して貰うわ。』
『お金で人を動かすみたいで嫌だけどこの際好き嫌い言っていられない。』
『あのアジトの監視は重要よ。更なる詐欺グループの繋がりが分かるかも知れない。』
『監視が確実に出来る部屋が望ましいわ。』

と緒方に言い、緒方も同意する様にうなずく。協力金は、一般人の部屋などを使う際の光熱代、水道代の使用料に少し足して払うものだ。だが多めに払う事で協力を促す場合もまま有る。悠子は、

『櫻井さんから、明日の午前中に返事が来なければ私が出向いて協力金の事を話し、再度監視協力を頼んで見るわ。』

と力強く話した。

翌日、昼過ぎても櫻井からの電話無く悠子は、櫻井のアパートに行く事にした。緒方は、櫻井の住むアパートの別の部屋で張り込み監視をしている。山田が捜査課に居たので、

『山田君、例の櫻井さんの部屋に行くので送ってくれる?』

と頼むと山田は、

『はい、わかりました。』
『すぐ、出ますか?』

と言ってくる。悠子は、

『着替えるから、10分後にして。』

と答える。山田は、

『了解です。』

と返事して出て行く。車を準備して回してくれるのだろう。

悠子は、運転出来るのだが向かう先のアパートに駐車場は無く、有料駐車場は少し離れている上経費節減の為出来るだけ出費を抑えたい。

女性用ロッカーで、今日の為持ってきた私服の白いスーツ、白いスカートのセットにベージュのブラウスに着替えた。


朝、出掛ける時に私服を衣装ケースに詰めていると夫に聞かれたので、

『張り込み場所に出向くの。』

と答えると捜査官だが違う捜査課の夫はすぐに理解し頷き、

『忙しいみたいだな、張り込むの?』

と聞いてくる。悠子は、

『近々、そうなるかも。』
『人手がもう既に足りて無い。』
『でも今日は、張り込み先の住人に交渉に行くの。渋っているのよ。』

と返すと夫は、また頷きながら、

『頑張って。』

と言ってくれた。仕事に理解が有り優しい夫だ。夫は、姑達から子供はまだか頻繁に聞かれているが悠子にはそんな素ぶりは見せない気遣いの人だ。

夫には、以前から課長になり多数の部下を指揮して大きな事件を解決するのが一つの目標だと話していた。その課長昇進も夢では無い所まで来ている。それで言い出せ無いのかも知れないが。

支度が出来、下の車寄せに向かうと山田が車で待機していた。横の助手席に乗り込むと悠子に上下の視線を走らせ、

『いけてますよ、主任。』
『デート見たいで楽しいな。』

と呑気な事を言っている。悠子は山田の頭を小突きながら、

『何言ってるの。出して』

と言うとシートベルトをした。

山田に櫻井のアパート近くで降ろして貰い徒歩で向かう。緒方も同じアパートの違う部屋で張り込み監視しているが声は掛け無い。

このアパートでの張り込み監視任務は、捜査官は私服で1人で行う。張り込み部屋以外で捜査官同士で会話も禁止され、すれ違っても挨拶もしない様に命じられている。

これらは、全てこのアパートの住人達や近隣住人達へ張り込み監視任務がバレる事を警戒したものだった。住人に張り込みがバレればアパートのアジトの構成員にバレる可能性がある。



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