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香澄の本性
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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思いがけない出来事 1-3

そんな美奈子が、今、大輔によって縛られ、
身体の自由を奪われ、身動きできずにいる。
身動きできないという状況が、
今までになかった快感を美奈子の身体にもたらしているのだ。
しかもその不自由さを選んだのは、美奈子自身とも言えた。

美奈子は心が解放された状態での身体の拘束を、自ら求めたのは初めてだった。
そしてわずかな時間で、その不自由さの虜になったのだ。

いつ、どこを、どうされるかわからない。
舐められるのか、指を差し込まれるのか、弄られるのか、くすぐられるのか、
あるいは、叩かれるのか、絞められるのか、

自ら望んだ拘束の世界は、
それを探ることも見ることも、
そして何よりも逃げることも避けることも不可能な世界だった。
それにもかかわらず、その刺激を感じ取ろうとする美奈子の集中力は、
自身の感覚をより鋭く研ぎ澄ませていったのだ。

大輔は、自分を縛り上げ、天井から吊るしたままで無言で部屋を出て行った。
薄暗い部屋に上半身を縄で縛られ、手足の自由もほとんどきかない状態で、
天井から吊るされたまま、たった一人にされる。
美奈子を途方もない孤独感と絶望感が襲ってくる。

早く大輔に戻ってきて欲しい。
しかし、今、問題なのは、相手が誰なのかではなかった。
戻ってきた相手が自分に何をするかでもなかった。
ただひたすらに一人でいることを望んだ時代を経験した美奈子が、
たった一人きりに放っておかれる寂しさや孤独を、
今、生まれて初めて、味わっているとも言えた。

美奈子はその暗くなっていく心をまぎらわすために、
動かない身体を動かないなりに動かしてみようとした。
腕は両方とも、縄でしっかりと体に巻き付けられていて、少しも動かない。
脚も膝を曲げた状態で胸のあたりまで上げたところで固定されていた。
ギリギリまで開いかれた股は閉じることも出来なければ、
もちろん今以上に開くことも出来なかった。

動くのは手首から指先にかけてと、腹筋くらいなものである。
試しに美奈子は腹筋を思い切りへこませてみた。
腰から下半身にかけてが緊張するせいか、股間に通された縄がわずかに張り、
その一部がクリトリスのあたりを刺激する。

後ろ手に縛られた腕は動かないが、縄の力に逆らうように胸を張ると、
胸を縛った縄が上下から乳房を圧迫する。
指先は比較的自由に動くので、
自分で尻のあたりを触ったり爪ったりすることも可能だった。

美奈子は孤独感を解消するために、
そうした身体の一部を少しずつ動かしては、自分の性感帯を刺激した。
そして、そのいくつかを連動させることで、
今までにはなかった快感を少しではあったが感じることができた。

腹筋に力を入れ、動かない脚を思い切り伸ばそうとすることで、
美奈子の身体が少しだけ反動で揺れることも分かった。
それをタイミングよく連続することで、美奈子の身体は、
縄で吊り下げられたまま、ギシギシと音を立てながらゆっくりと揺れた。
揺れの頂点で胸を張り、腹筋を使うと、股間の縄がさらに強くクリトリスを刺激し、
絞り出された乳房と乳首は、
美奈子自身が吹きかける息でさえ感じるほど敏感になっていた。

「あ、ああ。い、いいわ。あん。」
(せめて手だけでも自由に動かせれば、思い切り股間をまさぐりたい。縛られたまま、極限まで開かれた股間に指を入れてオナニーをしたい。
ああ、自由に動けないって、こんなにも辛いものなのね。)
そのもどかしさ自体が美奈子をますます異常な世界の誘惑に引きずり込んでいく。

自由にならない身体をどうにかして動かしてまで感じたいほどに、
美奈子の身体は性的な刺激に飢えていた。

ごくわずかな快感が次第に連鎖し、
少しずつ大きな快感となって美奈子の身体を巡っていく。
腹筋や括約筋を緊張させたり緩めたりするだけでこれほどの快感が得られるのも、
身体の自由が奪われているからかもしれなかった。


やがて大輔は無言のまま、美奈子のもとに戻ってきた。
大輔にとっては短い時間だったかもしれなかったが、
美奈子にはそれが30分や1時間にも感じたのだ。

勝手に揺れ動く美奈子の身体を、大輔はしばらくの間、不思議そうに見つめていた。
「あ、い、いい。あ、あん。」
僅かに漏れ聞こえる美奈子の小さな喘ぎ声で、
大輔は美奈子の身体が揺れている理由を理解した。

スライドドアが閉まる音に、ふと我に返った美奈子は、
入り口に突っ立ったまま自分を見つめている大輔に気づき、はっとした。


口を突いて出たのは、美奈子自身思ってもいない言葉だった。
「何をしていたのよ。わたしを一人にさせて……。しかも、こんな格好のままで…。」
大輔を詰りながら、美奈子の声はいつの間にか涙声になっていた。

大輔は見た。
縄で吊るされた美奈子の目から、一筋の涙が流れ落ちるのを。
(???)

大輔には美奈子の涙の理由は到底わからなかった。
美奈子自身、自分の弱みを大輔に見せてしまったことに動揺し、
次に出た言葉は、美奈子の動揺をそのまま表した言葉となっていた。

「あっさり射精しちゃうんだもの。物足りないったらありゃしない。
 てっきり田辺さんと礼二さんに助けを求めに行ったのかと思ったわ。
 一人で戻ってきて、大丈夫なの?」

自分の弱さを素直に認め、大輔に縋ればいいのに……。
美奈子自身、自分の中に生まれている感情が、
一体何なのかが理解できていなかった。
そう言う意味では、人との関わり方については、
美奈子はもしかすると真奈美以上に幼かったのかもしれない。

しかし、その美奈子の言葉が大輔の心に火をつけた。
大輔は掌に隠し持ってきた媚薬を一気に飲み干したのだ。
田辺の、量を過ごすなという忠告さえ忘れるほどに逆上したとも言えよう。


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