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下屋敷、魔羅の競り合い
【歴史物 官能小説】

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艶之進、気張る肉刀-7

「おいこら二倫坊、その体勢では拙者が参戦出来ぬ。いったん交合を解き、別な格好となれ!」

「……別な格好とはどういう格好だ?」

「おぬしは後門、拙者は前門、同時に攻められる格好をとれ」

「そう言われたってなあ……」

 すると、凜が口を挟んだ。

「艶之進様、あなたがまず仰臥なさいませ。そこへわたくしが覆い被さります。その上へ二倫坊様が、さらに覆い被さればよろしいのです」

「拙者が寝転び、そこへ凜どのが……」艶之進は頭の中で体勢を想像した。「四十八手のうちの本茶臼 (ほんちゃうす)じゃな。……仰向けになった拙者の上に、対面で凜どのがまたがり、上半身を前に倒す。さすれば、拙者が下から魔羅を女陰に入れても、その上に肛門がくるので、二倫坊も後ろから楽々入れることが出来る」

 火魔羅の坊主も合点がいったらしい。いったん交合を解き、艶之進と凜に本茶臼の格好で嵌めさせた。そうしたうえで、背後から凜の肛門に再度、一物を挿入した。

「ああう……、二穴に入ってる…………」

 凜が喘ぐ。前門の虎後門の狼ならぬ、前門に艶之進の長い魔羅、後門に二倫坊の火魔羅。それぞれが出たり入ったりして二重の快感を生み出す。しかしまだ本格的な喘ぎではない。
 二倫坊はさっきのように自在に腰を振り、女の享楽を引き出すが、艶之進のほうは、凜の体重のほかに二倫坊の重さも少し加わっているため、腰のせり上げが闊達にはいかなかった。そこで、凜に囁く。

「そこもとのほうで腰を振り立てよ。拙者は二人の重さで腰があまり……」

 そこまで言うと、聡明な凜は心得たという目をし、自ら下半身を動かし始めた。おかげで、艶之進の一物も女陰とこすれ合う度合いが増し、凜の嬌声にも熱が籠もりだした。

「あああ……、あああ……、あああ……、あああ……」

 感じているらしく、膣肉がキュッキュと締め付けてくる。

『ようし。この調子で、まずは一回、逝ってもらわねば……』

 艶之進は挿入角度を微妙に変え、女壺の内壁、浅めの部分で亀頭が強くこすれるようにした。そうされると喜ぶ女が多いことを経験上、知っていた。

「あああっ……、あああっ……、あああっ……、あああっ……、あああっ……」

 凜の顔に喜悦が浮かぶ。尻の上げ下げに力感が伴ってくる。その上下動に合わせ、二倫坊も調子よく肛門への出し入れを繰り返しているようだ。
 やがて、膣内の肉の感じが微妙に変わり、艶之進は凜が逝きそうになったのを悟った。そこで、二人分の重しを乗せながらも、腰の突き上げを大きくした。一度、二度、三度、四度……。
 
「あ…………だめ、……だめっ…………だめっ………………、い……いくぅっ!」

 凜が熱く悶え、ようやく、見届け人が筆録の紙の左側、り組の欄に一の字を記すこととなった。

 この三戦目を、綾乃は鹿革の敷物に寝そべり、脇息にもたれかかって眺めていた。片手には盃を持ち、腰元に酌をさせて美酒を楽しみながらである。
 その横では老女の嵯峨野が、きっちりと正座し、しかつめらしい顔を保っていた。その目には、ら・り二組の交情の様子が映り、その耳には二人の女の喘ぐ声が聞こえているはずなのだが、さながら、薙刀の試合を観戦しているかのような厳しい表情だった。

 さて、ら組の力蔵はというと、蘭への怒濤の攻めを続けていたが、相手も本来は局部の締まりのいい腰元、さかんに真珠魔羅を締め付けてくるので、当初の、精液を漏らさぬという宣言どおりにはいかなくなっていた。
 蘭の四度目の絶頂における「秘肉による激烈な抱きつき」を魔羅に受け、射精してしまったのだ。競い合いは四半刻(30分)以上過ぎていたようだが、刻限まではまだ間がある。吐精してやや萎えた魔羅を引き抜き、叫んだ。

「ええい、しかたねえ。おい、やさ男、てめえが嵌めろ」

「おや、いいんですかい? あたしが出しゃばっても」

「いいから早くやりな。おれはすぐに回復するから、それまでのつなぎだがな」

 堅太りの身体がどいたので、小夜之丞は蘭の股間のほうへ移動し、秘所を一瞥すると、どこに持っていたものか、懐紙を取り出して蘭の陰部を拭いた。

「悠長なことしてねえで、さっさと嵌めやがれ!」

 力蔵にせき立てられて、それでも小夜之丞はもう一枚の懐紙を揉んで柔らかくし、女陰の中へ入れてよそ者の精液を処理していた。

「さて、では、まいりますか」

 小夜之丞の交合が始まった。腰元のうち、大女の満を逝かせ、年かさの八重をも逝かせた彼である。女の種類を選ばず相手に気をやらせる小夜之丞は、そのなよなよとした見かけとは違い、性の練達の士といえるかもしれなかった。
 本手(正常位)でおもむろに交わると、すかさず両手を乳房に持ってゆき、甘い刺激を加え始める。

「ああーーーん。……いい!」

 蘭が悶える。
 しばらく両胸を揉みながら交わっていたが、片手をおさねへ伸ばし、いわゆる「三所(みところ)攻め」を繰り出すと、蘭の嬌声は粘っこいものとなった。

「ああああーーーー。……たまらない。……もっと……もっと…………」

 小夜之丞の巧みな腰づかい、性戯を目の前にして、力蔵は面白くない顔をしていたが、見届け人に声を掛け、冷や酒を持ってこいとか煙草を都合しろとか、色々と注文を付けていた。

 一方、り組はというと、女体を挟んで男二人が奮戦していた。
 艶之進が下から開(ぼぼ)を攻め、二倫坊が上から肛門を攻める。その牡(おす)二匹の呼吸が徐々に合ってきていた。いや、凜も積極的に尻を上げ下げしているので、彼女の動きも男達に合ってきたといえるだろう。
 女陰は艶之進の長尺物を滑らかに呑み込み、肛門は二倫坊の火魔羅をきっちりとくわえ込んでいる。その二つの秘穴からは淫らな汁が溢れ、交接の潤滑油として十分に機能していた。


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