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MatchingDIVE
【SF 官能小説】

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出逢い-8


「ユキト!
ちょっとヒヤヒヤしたぞ!」

カーブがユキトに詰め寄る。

「ああ、うん……
お前が言うなって
言っていたからな…

それからさっきの
就職の件だけど
ちょっと本気で
頑張ってみようかなって
思っているんだ」

「へ〜何処に就職するんだ?」

「え!?えーっと
親父の紹介で
小さなソフト会社に……
だからハワイ旅行は
行けないかもしれない……」

「そっかー
それはカノンが
悲しむかもしれないな……」

「いいじゃないか!?
俺がいなくても
皆で楽しんでくれば?」

「いや〜そうなんだけどよぉ
カノンは
皆で行くことに
意味があるわけでよぉ」

カーブの歯切れが悪い。

「まぁ仕事なら仕方ない!
新人だし
有給なんて取りにくいもんな〜
でも
出来るだけ行けるようには
してやってくれよ!」

「ああ、分かったよ……」

その日はみんな解散し
リアル世界に消えていく。


翌朝
ダイニングで
父親が朝食を食べている。
そこに義人が部屋から降りて来る。

「おはよう、義人
今日は早いじゃないか?」

「父さん…俺
あれから考えてみたんだけど……」

「考えたって?」

「仕事の話だよ……」

「なに!?
か、母さん!
ちょ、ちょっと来なさい!
義人が!」

「なーに?どうかしたの?
あれ?義人、起きていたの?」

「ああ、うん…あれから
ちょっと考えてみたんだけど
俺、父さんの会社で働くよ」

「今、なんて?……
義人?本当に?
本当にお父さんの会社で
働いてくれるの?」

母親が泣きそうな目で言う。

「ははは、父さんは嬉しいぞ!
ちゃんと
考えてくれていたんだな…」

父親も泣きそうだ。
しかし
義人は真剣な顔をして両親に話す。

「だけど条件があるんだ!」

二人は固まって義人を見る。

「条件って?」

「うん……
父さんの会社には偽名で入社して
社長の息子としてではなく
普通の社員として入りたいんだ!」

「で、でも…
お父さんの側にいる方が
綺麗なお嫁さんを見つけやすいし……」

母親は嫁探しの事が優先である。
父親は腕を組んで考え込んでいる。

「よし!分かった!
うちは途中採用していないが
何とかしよう!

お前が父さんに頼らずに
働こうって気持ちがよく解った!
ただし、厳しい世界だぞ!
それでもいいのか?」

「うん……それでいい!」

「それじゃ人事課に
何とか話をつけておくから
その偽名とやらの
履歴書データを父さんに
送っておいてくれ」

「わかった……」

義人は偽名データを
自分の部屋から送信する。

松雪義人(25)
父親がデータを受信する。

「なんだ!?母さんの旧姓じゃないか!?」



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