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捜査中に触られて〜電車編〜
【痴漢/痴女 官能小説】

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法事-1

昨晩は、色んな事を考えてしまい中々寝付けなかった。それでも、早く起きたのは普段の生活のリズムのお陰だろう。寝ている夫を起こさない様にして起き上がり、今日の法事の準備をしていく。

クローゼットから黒のスーツ、黒のインナー用ワンピース、黒のスカートを用意しチェックする。

【派手にならないようにしないと。】

と思い黒いパンストも余り透けていない物にした。黒のブラ、黒の下着を置いた所で苦笑した。ウエストゴムのスカート、フロントフックのブラ、Tバッグ、みんな脱がせやすい物ばかりだ。

【私ったら、桜井と会う事前提で服装選んでたんだわ。】
【無意識に。】

と思い、変えようかなと思ったが結局その組み合わせのままにした。

お寺は大きく、駐車場も広かった。タクシーを降り親子3人で建物に向うと、併設のこれまた広い墓地が見える。墓地には、あちこちに水桶を持った墓参りの人達がいた。本堂の前に着くと、20人位集まっていた。

咲良達が、出席する法事の人達みたいだ。近づくと、夫に声を掛けて来る。夫は、会う人に挨拶しながら言葉を交わしていた。咲良もおじきして挨拶しながら、何人か結婚式の時に見た人達がいた様な気がしたが、自信が無かった。

咲良が知ってる夫の親戚関係は、夫の兄弟位で後は殆ど判らない。義父母も先に来ており、咲良達を見つけると近寄って来て

『咲良さん、忙しいのに来てくれてありがとう。』

と笑顔で義父が話してくる。咲良は、

『いえ、中々法事に来れなくてすいません。』

義父は、

『いやいや、気にしないで下さい。』
『咲良さんのお仕事だと休むのも大変なのに、来てくれて嬉しいですよ。』

と言ってくれ、

『施主に紹介しますから。』

と咲良を連れて行く。施主や他の親戚に、義父は咲良を紹介していく。挨拶をかわしていくと、

『テレビでやっていた事件の捜査されてるんですよね?』
『新聞に載っていた事件、咲良さんが逮捕したんですか?』

などと、今咲良の捜査課が取り組んでいる犯罪組織の捜査の件を聞かれる。咲良は、当たり障りなく、捜査の詳細はボカしながら返していく。義父は、その様子を笑顔で見ている。

横から夫が小声で、

『親父が、しつこく聞いてくるから、咲良が担当してる事話したんだけど。』
『親戚中に話したみたいなんだ。ゴメン!』

と謝ってくる。咲良は、

『大丈夫よ。』

と笑いながら返す。咲良は、

【義父は、自分の事を自慢に思ってくれているのかもしれない。】

と思い嬉しくなった。時間になり、本堂に入ると本尊に向かって座椅子が並べてあった。咲良達親子は、やや後ろの席に座り法要が始まるのを待つ。

法要は、思っていたほど時間はかからず、併殺の墓地にお墓参りをしてから本堂横の建物へ移動して会食となった。会食は、和気あいあいで若い親戚の子達は、連絡先を交換したりスマホで写真を撮ったりしている。

咲良にも写真のお誘いが有り、喜んで応じた。何人かにビールを勧められたが、この後仕事に行く事を説明し丁寧に断る。夫は、子供の事は義母が見てくれるとなり、どちらかと言うと自らビールを勧めに回っていて自分もすっかり酔っていた。

戻ってきた夫に、

『会食終わるまで、居られないと思う。』

と伝えると夫は、

『うん、そう思って親父や施主には話しておいたよ。』

と言ってくれた。咲良は、

『ありがとう。』

と返し、いつも自分の事を気付かってくれる夫に感謝していた。それなのに自分は、夫を裏切っている。その事を思うと胸が痛くなって来る。

トイレで、化粧直しをしていると上着のスーツの中のスマホが振動するのを感じた。スマホを取り出し画面を見ると〈桜井太郎〉と表示されている。

咲良は、顔が赤くなり、心臓の鼓動が大きく聞こえてくる。周りを見廻し、近くの誰も居ない屋根付きの休憩所に駆け込み、桜井に電話をかけ直した。


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