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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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アナルヴァージン喪失 (4)-2

 ここまで来たらもうあとはやることはひとつである。ゆきもFもわかっているし、自宅で一人盗聴している私もわかっている。テレビには私とのデートで幸せそうな表情を見せるゆきの姿がランダムに映し出されている。コンサバティブなファッションに身を包み私と手を握り、あるいはそっと身体を寄せている。はにかんだ笑みを浮かべカメラを見つめるゆき。美人で清楚でありながら、ふとした瞬間に見せる笑顔は幼くて可愛らしい。とてもアナルセックスをするような女性には見えない。

  *

「ねぇFくん。私すごく緊張してる……」
「俺もだよ」
「初めてエッチするときみたい。ほら心臓がドクドク言ってる……」
「どれどれ?」
「ぁん! それは乳首……っ!」
 笑い声。
「そう、そこ……」
「ほんとだ。ゆきって心臓の音まで可愛い気がする」
「うふふ。優しくしてね……」
「もちろん」
「ねぇ、チュウして……」

 またキスをおねだりしている。今日はいつもより多い。

「ゆきのこと好き……?」
「大好きだよ」
「愛してる?」
「愛してる」
「奥さんより?」
「……」
「あはは、困ってる。めんどくさい女って思ってるでしょう?」
「美女に困らせられるなんて男冥利につきるよ」
「ゆき、お尻の穴で頑張るんだから、Fくんも嘘くらい上手に付いて!」
「あはは、参ったな」
「ほら早く嘘ついて」
 Fのために「嘘」を強調するところに、ゆきの優しさを感じる。
「もちろん愛してるよ。嫁さんより愛してる……チュ……嘘なんかじゃないよ」
「嬉しい!」
「ゆきも聞かせてよ」
「ゆきもFくんのこと愛してるよ。旦那なんかよりずっと愛してる……チュウ……」
「あぁ、ゆき……!」
「ほんとだよ……! 嘘じゃないよ、大好きFくん……ん、んん!」
「ゆき! 俺も本当だよ。嫁さんよりゆきが好きだ!」
「もう少しこのままでいい? ごめんね、早くしたいよね」
「ううん、いいよ。落ち着いたら言って。ゆきのペースでいいから」
「ありがとう。もう少しチュウしてたいの。退屈だったらおっぱいも触っていいよ。触りながら優しく抱きしめて……!」
「ゆき!」
「Fくん! ぁあ! そう、嬉しい……!」

 ロマンチックに抱き合いキスなどしていても、この女はじきに尻穴でセックスをするのだ。「初めて」は夫とするつもりで何ヶ月も守ってきたはずの肛門貞操を、再会したばかりの元彼にあっさり捧げ、ぼさぼさの陰毛がはみ出るランジェリー姿を見られて恥じらい、興奮してしまう女なのだ。
 大便排泄口に男の陰茎を突っ込まれほじくり回されれば、女性としての尊厳は完全に破壊される。それを全世界に無修正動画として公開される。どんなに清楚ぶって仕事をしていても、何万、何十万の男たちにゆきは「アナルセックスした女」「肛門に浮気チンポをぶち込まれ犯された女」として記憶されるのだ。

  *

 しばらく無言で身体をまさぐりあい、唾液を交換する音。沈黙を破ったのはゆきだった。

「Fくん、ありがとう……」
 緊張のためか、少しかすれた声が色っぽい。
「もういいよ……。しよ……?」
「……心の準備はできた?」
「……うん……ありがと……」
「ひとつになろうね。お尻の穴で」
「うん……」

 あぁ、ゆき――。

「四つん這いで、そう……自分の手でお尻拡げて……ほら、こうするとチンポがアナルに当たるだろう?」
「うん、当たってる……あったかい……」
「ゆき、そのままで」
 自ら尻を左右に開くアナル処女の人妻に、ピチャピチャ、ネチョネチョとアナル用ローションを塗りたくる音。これこそ男冥利に尽きる瞬間。私がやるはずだった。私さえしっかりしていれば、できたはずだった。
「もっと拡げて。そう」
 中心の薄茶色の窄まりは左右にぐいと醜く変形していることだろう。私が夢にまでみたゆきのアナル。
「ゆっくりするからね。安心して」
「………………うん、ありがとう」
「行くよ」
「うん……来て……」

 沈黙。ゆきの苦しそうな息遣い。あぁ、ゆき。やめて、もうやめて――。

「……っん!」
「大丈夫?」
「うん……っ、大、丈夫」
 また沈黙。何かに耐えるようなゆきの吐息。ゆきの可憐なアナルに他の男のペニスが突き立てられている――。
「先っぽが少し埋まってる。わかる?」
「うん、入ってる……あったかい……」
「亀頭の一番太いところはまだだからね。ゆっくり行くよ」
 まだなのか。それならまだゆきはアナル処女だ。まだ大丈夫。まだ――。だからゆき――お願いだからもうやめて! これ以上しないで!
「力を抜いて。そう」
「……んん……!」

 ゆきの荒い吐息と、それを気遣うFのやり取りがしばらく続く。
 さすがのゆきも力んでしまうのだろうか。バイブとは勝手が違うらしい。私としたときもここで断念した。ひょっとして今日もここで――私の脳裏に一筋の希望の光が灯った。

 ゆきが、アナルヴァージンを喪失したのは、その瞬間だった。


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