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A RAINY DAY
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A RAINY DAY-2

  ◇    ◇    ◇    ◇
「私、女の子しか好きになれないんだよね」
「…は?」
下校途中の、電車の中。
美弥がいきなり爆弾を落とした。 
さわっていた携帯を閉じて、私は美弥に向き直る。
「…それ、で?」
「それだけ」
美弥は肩をすくめる。
「真希が、どういう反応するかなって」
「…別に。気にしないよ、そんなの」
実際には頭の中が真っ白だったけど。
何とか、そういって笑うことができた。
美弥がにっこり笑う。
「ありがとう」
私は、そのピンクのグロスがぬられた唇を見てた。
なぜか彼女と目を合わせられなかった。
心臓がいつもより早く鳴る。落ち着かなくて、意味もないのに携帯に指を走らせた。

 

「同性愛者」という人種がこの世に居るのも、差別されるようなことじゃないのも
知ってる。
それに、私は美弥を信じてる。
…はずだったけど。
その日から、私は美弥をまっすぐ見つめられなくなった。
理由をつけて行き帰りの時間をずらしたし、休み時間も席を立つことが多くなった。

教師が来るのを見計らってから、教室に入る。
私は明らかにおかしかった。
美弥を意識的に避けているじゃないかと言われたら否定できなかっただろう。

  ◇    ◇    ◇    ◇
―――美弥に捕まったのは、2週間後。
雨の日だった。
昇降口で私は折りたたみ傘を開こうと奮闘していた。
「真希」
懐かしい声に振り向く。 
同時に、私の腕を後ろから美弥がつかむ。 
「話、したいんだけど」 
HRが終わったらすぐに私は教室を出てきたから。
急いで追いかけてきたのだろう。
髪を少し乱して赤い顔でつめよる美弥に、私は何も言えなかった。
つかまれた腕が必要以上に痛かった。

私たちは駅を目指して歩き始めた。通学路の閑静な住宅街で肩を並べるのは久しぶり
だった。
周りの生徒達の声が雨音と混じって雑音のように聞こえる。
「…やっぱり、あの話が原因なの?」
「そういうわけじゃないけど」
嘘。 
「…ひいちゃった?」
「まさか」
また、嘘。
同性愛を否定したいわけじゃないけど、私には理解できない感情で。
恋愛感情は、友達の私にも向けられるのだろうか? 
今まで美弥と遊んでいる間、彼女は私をそういう対象として見ていたのだろうか。

正直に言うと、美弥が怖かった。
「…私、真希が好き」
私は立ち止まる。
「好きなの。ねぇ。そういうの、迷惑かな?」
美弥の足音も、止まる。
私たちに奇異の目をむけながら、同じ学校の生徒が歩いていった。
水の音が異様に大きく聞こえる。


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