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[姦獣共の戯れ]
【鬼畜 官能小説】

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迫りくる闇-3



「奥村チーフが高校生の時、小さい女の子に悪戯しようとした不審者を捕まえた事がありましたよね?あの時はキッパリと「弱い女の子を狙う卑怯者が許せなかった」って言ってました。あの時、とても感動したのを憶えています。だから私は……」

「はい、そこまで。新庄さんの考えは正しいです。でも[君子危うきに近寄らず]よ?空手だって中学三年生の時に辞めて、もう身体はだいぶ鈍ってると思うけど。それにもし相手に仲間が居たら、かなり危険な状況になるわよ?自分は正しいって信念だけで突き進んでちゃ駄目よ」


かずさは高校卒業と同時に空手道場に通うのを辞めた。

持ち前の格闘センスを買われて高校一年生の時にフルコンタクト……つまり直接相手の身体に打撃を与える試合に推薦されて出場となり、初出場で見事に優勝を攫った。
空手の実力もさる事ながら、その美少女ぶりで話題となり、格闘技の専門誌に載った事もあった。
当時は〈ジョシカク〉と呼ばれた女子格闘技はまだまだマイナーであり、話題性を見込まれてのエキシビジョンマッチでとある興行に参加した事もあったが、周りの熱気とは裏腹に、かずさの心は冷めていた。

かずさが空手を始めた目的は強くなる事だったが、それは相手を打ち負かす強さを求めたからではなかった。
落ち着いた心で言葉を聞き、曇りなき眼で物事を捉え、分け隔てのない優しさで人と接する事が出来る文武両道の《強い人》になりたかったからだ。
それは図らずも由芽の想う強さと、全く同じであった……。


「もうこの話はお終いです。さて、今日のお昼のアポは何時だったかしら?間に合うように書類とサンプルを用意してね」

「は、はい。急いで用意します」


由芽は必要な書類と食品サンプルを用意し、軽の営業車に積み込んだ。
ちょうど準備が整った頃にかずさが現れ、由芽は運転席に乗って二人で商談相手の介護施設へと向かった。

暫くすると、目的の施設が見えてきた。
もう今朝の出来事を、あれこれ考える必要はない。
ここからは気持ちを切り替えて、いつも通りの業務に勤しまなければ。

商談は上手く進んで契約成立となり、次に訪問したショートステイでも感触は良好。
明日の午前中に再訪が決まり、更に以前商談した介護施設からもレスポンスが届いた。
素晴らしい一日を送れた由芽はテキパキと書類作成を終わらせてタイムカードを押し、朝ほどギュウギュウではない電車に揺られた。
そして五つ先の駅に降りて二十分ほど歩き、あまり新しくないアパート二階の自室に入ると、簡素な夕食を済ませて翌日に備えて眠りについた……。


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