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探偵、依頼受付中
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探偵、依頼受付中 【弁当】-2

 弁当屋に着いて10分少々…ようやく命は注文を決めた。
「よし、決めた。サーモンカツ弁当ライス大盛りでくれるかな?」
「はい、550円です!」
「うむ」
 命は注文と会計を早々に済まし、とりあえず雨に濡れないように弁当屋の向かいのマンションの玄関に駆け込む。そして今だに強く降る雨に天を仰いだ。
「望君、ついでにできあがったら受け取ってくれ」
「はい、わかりました。わたしは、から揚げ海苔弁当ください」
「はーい、480円です!」


 数分後。

「サーモンカツ弁当ライス大盛りと、から揚げ海苔弁当お待たせしましたー!」
「はーい」
「ありがとうございました!」
 望は二人分の弁当を受け取り、命のもとへ。そして二人で事務所へ向かう。
「あの店員、こんな雨だというのに活力溢れる接客。中々やるな」
「先生も見習ったらどうですか?」くすくす、と笑いながら望が指摘する。
「さあ、早く帰って食べようではないか!」
 その発言をあたりまえのように聞こえないふりをして前を行く命に、望は微笑みながらついていくのだった。



 事務所に戻り、二人は早速弁当を食べようと袋から出す。袋から弁当を出すと、美味しそうなサーモンと唐揚げの香りが部屋を包んだ。
 この臭いに、二人の腹部も大きく喜びの叫びをあげる。分泌される唾液の量も半端ではない。
「あ、先生、お茶入れますね」
「おー頼む……ん? 何だ、これ?」
 袋の中にはなぜか弁当の他に一枚の紙が入っていた。命は箸でその紙を摘んで取り出す。
「先生どうかしました?」
 望がお茶を入れながら聞くと、命は急に笑い声をあげた。
「ははは、これは私達に対するちょっとした挑戦状だな!」
「どういうことですか?」
「この紙を見てみな」
 と命はその紙を望に渡した。もちろん箸で。
 望はお茶の入った湯呑みを二つテーブルに置き、その紙を見つめた。因みにこの湯呑みは寿司屋でよく見掛ける、あの魚の名前が沢山書いてあるヤツだ。

『お二人が探偵だということを伺いましたので、ちょっとした暗号をださせて頂きます。正解した場合は、お好きな弁当をお一つずつタダで差し上げます!』

「ふふふ、あの店員中々面白いことを」
「でも正解すればお弁当貰えるんですよね。頑張って解きましょう!」
 望は自分が空腹であったことをもう忘れているようだ。


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