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出会い
【ガールズ 恋愛小説】

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出会い-2

『ふふっ。クラス替えをして間もないもんね。覚えていなくて当然かも知れないわ。私は須藤涼子。小岩井さん、あたしたち一緒のクラスですよ』

そう、あたしの学校では学年が上がるごとにクラス替えをします。

何でも、学年の人みんなと仲良くなりましょうということらしい。

恥ずかしながらあたしはもの覚えが悪く、自己紹介で彼女の名前を覚えられなかったみたい。



『ごっごめん。あたし、もの覚えが悪くって』

そこであたしはひとつの疑問にぶつかる、何で彼女はこの時間にバスに乗っているのだろう?

あたしはふと思う疑問に口にする。

『あの。須藤さん。あなたもこの時間にいるってことは、須藤さんも遅刻なのじゃ』

『遅刻?』

あたしの発言がおかしかったか、それとも、まだ遅刻という、失態に気付いていないだけなのか、須藤さんは不思議な顔をして、時計を見ていた。

『う…ん。この時間にバスに乗っているなら、遅刻にはならないと思うけど』

そう言って彼女は困惑そうにしながらあたしに時計をかざす、



『あれ?』

今度はきっとあたしがさっきの須藤さんみたいな顔をしているのだろう。

あたしは腕時計をもっていなかったから、携帯電話の側面を見た。

七時半。

『あれ?』

頭の中が混乱する。

そこで、あたしは昨日の夜を回想してみる。



 黙りこくったあたしを見て、また彼女はくすりと笑う。

『落ち着いたみたいね。遅刻になるってどういうことなのかな。教えてくれる?』

『あたし、もの覚えが悪くって言ったでしょ。昨日の夜に目覚まし時計の設定を三十分早めたのを忘れちゃたみたいで』

『あはは。でもよかったね。おかげでまだ空いている時間帯にバスに乗ることができて』

確かにあたしはいつもよりも快適にバスに乗ることができた。

『そうだね。まっ。遅刻しなかったってだけ、ラッキーだしね』

すると、須藤さんは妖しい笑みを装って言う。

『そうね。一年での総遅刻数の更新。という訳にはいかないもんね』

その発言にちょっとぎくりとする。

思い当たらない節が無いわけでもないわけで。

さすがに、留年はできないから、今年こそはと思ってはいたんだけどね。



『でも、うれしいな。だってこうやって小岩井さんとお話できたから』

『そうだね。あっあたしのことは彩夏でいいよ。』

『はい。彩夏さん。あっ。着いたみたいですよ。』

 そう、須藤さんが言った時に窓の外を見てみると、学校が見えた。


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