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ブービートラップ
【ショタ 官能小説】

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Gulf Crisis-1

俺が華恋を海軍航空基地で見かけてから、ほぼ1カ月が経過した。華恋の消息を求めて俺は、あらゆる手を尽くしたが、手掛かりは全く掴めなかった。

あの再会の直後、ジャッキーの父親が海兵隊の大佐だったことを思い出して、すぐ彼女に連絡した。同じ組織の幹部なら、隊員について何か有益な情報をもたらしてくれるかもしれないと期待したからだ。しかし、自分の思い通りにはなかなかいかなかった。

“I’m not sure I can help you out here, because my daddy got retired from Marine Corps in May and is now working for a bank. So, he’s not an insider any more. On top of it, he’s involved in a lawsuit, right now. It’s pretty nasty stuff. So, he doesn’t seem to have emotional leeway in his life. I’m sorry, sweet heart.
(コウの力になれるか分からないわ。うちのパパ、5月に海兵隊を退職して、今は銀行に勤めているの。だから、もう内部の人間ではないわ。それに、今酷い訴訟に巻き込まれていて、心にゆとりがないみたいなの。ごめんね。)”と、ジャッキーは、すまなさそうに俺に言った。

もちろん、Camp PendletonのPublic Relation Office(広報部)にも直接問い合わせたが、隊員の個人情報に関しては一切答えられないの一点張りで、取り合ってもらえなかった。

そうこうするうちに、中東のペルシャ湾岸で軍事衝突の危機が発生した。8月4日、当時世界第4位の軍事大国だったイラクの最高指導者サダム・フセイン大統領が、直属の共和国防衛隊に下命し、隣国の産油国クウェートを侵略した。イラクの正規軍ではなく、大統領隷下の親衛隊が、半日足らずの電撃作戦で一国を制圧したことに、サウジアラビア及びアラブ首長国連邦を始めとするペルシャ湾岸一帯の産油国に激震が走った。

湾岸産油国はアメリカに軍事支援を求め、合衆国陸海空軍及び海兵隊の4軍が、イラクからの軍事的脅威に対抗するため、湾岸地域に急派された。

イラクの暴挙に、国際社会の怒りも沸騰した。それまで、東西冷戦のあおりを受けて、常任理事国(米ソ)の拒否権発動の応酬が続き、まともに機能したことが一度もなかった国連安保理において、イラク非難決議が全会一致で採択された。それを受けて、クウェート解放のため、米英仏軍だけでなく、世界中の32カ国軍から成る有志連合(多国籍軍)が組織された。

イスラエルは紛争非当事国であったが、イラクは、イスラエルが1967年の第3次中東戦争で軍事占領したヨルダン川西岸(West Bank)の支配を欧米諸国が黙認する一方、イラクのクウェート侵略のみを非難するのは、偽善的なダブルスタンダード(2枚舌)だと主張し、イスラエルに対し、一方的にソ連製の弾道ミサイル(スカッドミサイル)による攻撃を開始した。

それを受けて、デイブの父親の所属するIsraeli Defense Air Force F15 Squadron (イスラエル防空軍F15飛行中隊)は、米国での訓練課程を中断し、新鋭機とともに本国に急遽召喚された。

デイブは、”My heart and mind lie in my father land. I’ll take up arms and fight to death along with my family, if that’s what it takes, in order to defend Israel. (僕の感情も魂も祖国とともにある。もし必要とあらば、僕は武器を手に取り、イスラエルを守るため、死ぬまで家族と一緒に戦う。)”と言った。

俺はデイブの壮絶な覚悟と強烈な祖国愛に圧倒された。自分と同じ15歳の少年の言葉とは到底思えなかった。デイブは、夏が終わる前に、家族ともにイスラエルに帰国した。


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