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ブービートラップ
【ショタ 官能小説】

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Gangsters-1

Kearny Mesa Highには、4つの人種別のギャンググループがあった。白人至上主義者のSwastika、ヒスパニックのSagrada Cruz、黒人のBrotherhood、そしてアジア系のBamboo Groveであった。もちろん、全校の生徒の大半は普通の生徒で、ギャングメンバーとは距離を置いていた。しかし、一般学生も時に、ギャングの同士の抗争に巻き込まれたり、不当な因縁をつけられることがあった。

不本意ながら、その俺も巻き添えを食らった。諸悪の根源は、ジャッキーに武術部の除名を言い渡された11年生のホゼ(Jose)であった。彼は元々、ジャッキーに一方的に懸想して、彼女にストーカー行為をはたらいていた。ジャッキーは、生徒の将来を考えて、表沙汰にはせず、一人でじっと我慢し、自分の胸に抱え込んでいた。すると、ホゼの行動は次第にエスカレートしていき、猥褻画像を添付した手紙や精液のついた使用済みのコンドームなどを次々に彼女に送りつけるようになった。除名後は、彼女を露骨に脅迫するブラックメールが彼女のオフィスに投げ込まれた。

俺がそのことを知ったのは、ジャッキーの拉致未遂事件が起きた後のことであった。ホゼはSagrada Cruzの一味で、武術部からの除名処分を怨み、ジャッキーが撤回しなければ、彼女を拉致してギャングレイプすると、脅迫した。じかし、彼女はそんな卑劣な脅しは屈せず、毅然とした態度を貫き通した。

それに憤ったSagrada Cruzのギャング供は実力行使に出た。彼らは退勤途中の彼女が運転する車を待ち伏せして、襲撃した。そして、車から彼女を引きずり降ろそうとしたところを、警ら中の警官のパトカーに見つかり、ジャッキーは間一髪助かった。Sagrada Cruzのメンバーで事件に関与した連中は全員逮捕され、退学処分になった。これに伴い、ヒスパニックギャングは、メンバーを半数以上失い、壊滅的な打撃を受けた。彼らには、裁判所から、ジャッキーに対するハラスメントの差し止め命令(restraining order)が出されたため、法的には彼女には指一本触れられなくなった。

しかし、俺はジャッキーのことが、心配で心配でたまらなかった。退学処分になったチンピラ供がまた、復讐のため彼女を襲う恐れがあった。連中には、不法移民(undocumented immigrants)が多数含まれおり、彼らは逮捕されても国外退去処分になるだけなので、失うものが少なく暴走しがちだった。しかも、たちの悪いことに、連中は国境の向こう側に国外追放されても、国境フェンスを強行突破して再び、米国に不法入国した。まさにイタチごっこであった。

俺は片時もジャッキーの側を離れたくなかった。それで、俺は事件後直ちに武術部に入部した。というのは、部のメンバーの中にまだ、ホゼのダチだと疑われる人物が残っていたからだ。彼女の双子の姉のジェニファーが卑劣なストーカーに殺された悪夢が俺の念頭をよぎり、もう二度とあんな思いは御免だと、俺は胸に固く誓った。俺は絶対に、ジャッキーを守り抜くと決意した。俺は親に頼んで、セキュリティが強化され、監視カメラと武装警備員に厳重警護されたゲート・コミュニティにある我が家の一室をしばらくの間ジャッキーに提供することにした。我が家にはバスルーム付きのベッドルームが3つあり、1つ空いていたからだ。ジャッキーは俺の申し出を快諾してくれた。このようにして、彼女は一時的に、俺の家に身を寄せることになった。

一方、校内のSagrada Cruzの残党は、そもそも、ホゼが武術部を除名されるに至った原因が俺にあると考えて、恨みの矛先を俺に向けてきた。俺の合気道の技はかなり板に付いてきたため、俺は一対一の勝負なら連中に負ける気はしなかった。しかし、やつらは群れで行動する卑怯者達だ。警戒するに越したことはなかった。

そんな中、俺はある男と出会った。俺は授業の間の空き時間に、人気のない校舎裏で、合気道の型の自主トレをしていた。突然、人の視線を感じて、辺りを見渡すと、少し離れたところから、アジア系の男が、ニヤニヤした目で俺を見ているのに気づいた。

“Yo. You’re practicing Aikido, huh? I’m, kind of, into Kung-fu, right now. Can you fend off my attack, man? (やあ。きみ、合気道の練習してるのか?今ちょっと、俺の中で効夫(カンフー)がマイブームなんだ。俺の攻撃をかわせるか?)”

と、男は言うと、いきなり俺に向かって蹴り技を繰り出してきた。正統派合気道には対蹴り技防御法がないことを知った上での、挑発なのは明らかだった。しかし、時任流には、蹴り技対抗策もバッチリ存在した。俺は正面両手取りで、男の右脚を捉え、グイと押し上げると同時に、俺の右足で、ヤツの左脚を軽く払った。すると、男はあっけなくバランスを崩して倒れ、ドスンと尻もちをついた。

「やるじゃねぇか。俺の名は劉優作(Lyu Yusaku)だ。」と彼は日本語で言った。

驚いた顔の俺に向かって、彼は、「俺、台湾人と日本人のハーフだ。アメリカにやってきた12歳の時まで、日本語を話すじいさんとばあさんに育てられた。俺のことを”You suck.(テメェ、ムカつく)”と呼ぶヤツは皆ブチ殺す。」と、続けた。

俺は彼の自己紹介に爆笑した。”You suck.”という言い回しは、アメリカ人の若者が、相手をディスる時に用いる典型的な罵倒表現だ。彼のユーモアのセンスに好感を持った。その後、優作は俺より2つ上の11年生だと知った。


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