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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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お持ち帰りされる人妻 (2)-2

「まんこの具合は昔から良かったけどケツや太ももにむっちり感が出たせいか最高の抱き心地」
「密着感ハンパないしパンパンパンと派手な音が出るしムレムレ度がアップしてまんこもアナルも脇の下も昔より臭ってた」
「クンクンしつこく嗅いだら泣いて嫌がってて興奮したw」

 Fも調子づいて、書き込み内容の鬼畜ぶりが昔を彷彿させるものになってきた。

「写真だって最初は嫌がってたくせに、結局撮られて興奮するマゾ女なのは変わってなかったな。最後は動画も撮らせてもらったから上げとくね」
「本スレッド初、ゆきのセックス動画です。結構可愛い声で喘ぐでしょ?」
「会話もほら。ちょっと鼻にかかった感じの媚び媚びスイートボイス。ボイチェンかけてるけどね、甘えん坊の雰囲気は十分でてるよ。ちなボイチェンも顔モザも全自動って最高すぎる。手作業で顔消してた十五年前が懐かしいわw」
「あとね、笑っちゃうのがデートの途中から自分のこと『名前呼び』しだしたのw 三十八のいい歳した女が昔を思い出しちゃったとか言ってw」
「ピー音入れてるとこ全部自分の名前な。浮気相手にふさわしい頭の悪さw」
「なーんてディスってるけど、ゆきがやるとこれがめちゃくちゃあざと可愛いのよ。許しました可愛いからw そして勃起した」
「まあでもこんなのと結婚しなくてよかったわw 危ないところだったw」
「粗チンの旦那に隠れて他の男とも浮気してるみたいだし俺ともすぐヤッちゃうし、これで自称旦那を愛する人妻なんだからホント恥ずかしい女」
「浮気相手としては最高だから別に俺はいいんだけどwww」

 昔からFの書き込みはゆきを罵倒し貶めるものが多かったが今も変わっていなかった。これまではFの彼女だったからまだ許せたが、今同じようにやられたらたまったものではない。人の妻のことをなんだと思っているのだ。
 どうせ今日だって、ゆきの前では完璧な紳士を演じていたに決まっている。ゆきがときどき語る「Fくん」と、私が知る「スレ主」とのギャップに、人間の二面性を見る思いがする。

  *

 二面性といえばゆきも、いやゆきのほうが酷いかもしれない――。
 隣で穏やかな寝息を立てているゆき。

 今晩もゆきの様子はいつもと変わらなかった。急に同僚と飲むことになったといって帰りは遅かったが、年に二、三度はある話で取り立てて怪しむほどのものではない。家事当番でない日は連絡さえすれば何でもオーケーというのが我が家のルールである。帰宅後もいたって普通で、ついさっきまで私とセックスしていたほどだ。
 この妻がしかし、Fと不倫セックスをしてしまった。同僚と飲んでくると嘘をつき、妻は浮気を済ませていたことになる。このスレッドがなければ私が気付くことは決してなかっただろう。あらためてゆきの、女としてのしたたかさに寒気がする。

 スレッドでは相変わらず妻が見知らぬ男の好奇の視線に晒され、文字通り身体の隅々まで品評されている。
 ゆきの容姿、いやらしさ、年齢に反した若々しさへの絶賛が溢れかえり勢いが衰えることはない。きっと数日間はこの調子だろう。あっという間に大量の「顔写」画像が投稿され、妻の顔と身体が汚されていく。無修正の妻の女性器やアナルにもたくさん射精された。画像加工の得意なユーザーにより、本物と見まごうような中出し画像が作成されスレ住民を楽しませた。
 これまでのように十五年以上前の写真ではない。おそらくはほんの二、三時間前の写真である。横で天使のような寝顔を見せているゆきの顔に、まるでたくさんの男が直接顔射し中出ししているかのような錯覚に襲われる。愛する妻の大量ぶっかけ、大量膣内射精の疑似体験に、私はパジャマを着たまま射精した。

 トイレでドロドロの下着の中を処理して寝室に戻る。

 ネットの常ではあるが、高速で流れていくスレッドの中には、ゆきへの非難も含まれている。
 昔から、ゆきのインモラルで社会常識に欠けた奔放な性行為が批判されることはあったが、とくに今回は、再会翌日での浮気というだらしなさをゆきが見せたことで、厳しめの書き込みがたくさん見られるのも事実である。いくらアングラサイトといえど、女性の浮気とくに人妻の不倫行為に厳しい意見を持つ人間は大勢いるのだ。

「さすがに再会翌日はムリ、ドン引き」「だよな、この女見損なったわ」「ブクマ登録解除した。さようなら」「同じく」「なろうでいきなりヒロイン寝取られぶっこまれた気分」「NTRタグつけとけやボケ」「胸糞展開すぎるだろ」「作者はキャラ設定考えろw」「清楚な美人が彼氏の前でだけは淫乱雌豚ってのがよかったのに」「これじゃ単なるクソビッチ」

 残念ながら擁護の余地はまったくない。「もとを正せば自分のせい」とまだ言えたZのケースとは違う純然たる不倫。
 十五年間見続けて未だ飽きることのない、妻の可愛らしい寝顔を見つめて思う。
 ゆきの貞操はもう信用できない――。

  *

 私はICレコーダーをゆきのポーチに仕込むことにした。
 実はもともとZからもお願いされていた。「自分を百パーセント信頼してもらえるのは嬉しいが、デリケートな遊びだしできればOさん側からも監視してもらったほうがお互い安心できるんで」ということらしい。別にそこまで信頼してないよと毒づきつつ、彼の言うことは一理あると思っていた。

 もうひとつ。あのときのZは、ゆきの浮気を示唆するようなことも言っていたなと思い出す。


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