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雪の華
【ファンタジー 官能小説】

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雪の華-4


 そうして居眠りをしていた朔太郎が朝になって気がつくと、怪我をしたキツネの姿はどこにもなく、どういうつもりなのか爆(は)ぜた木の実が玄関先に置いてあったのだ。
 後で知ったことだが、その木の実はメタセコイアという品種で、食用には向いていないために吊るし飾りなどに加工するのが普通らしい。
「君は、あの時のキツネなのか?」
 朔太郎は真顔で訊いた。しかし花梨は自分の正体に触れようとはせず、
「一晩だけ、あなたのそばにいてあげる」
 それだけ言って朔太郎の正面にひざまずき、羽織っている布を脱ぎ落として全裸になると、彼の着衣からいちもつを取り出してその長い竿に両手を添える。
「何をするつもりだ……」
「私にまかせて」
 まだ子どもにしか見えない花梨の繊細な手の温もりが朔太郎の下半身に命を吹き込み、とくんとくんと脈打つたびに眠れる精力が目を覚ます。それは雪女でもなければキツネでもない、人間の少女に奉仕される心地だった。
 花梨は悩ましい表情のまま男根を両手で包み込み、うんうんと息を弾ませながら竿の部分を前後にしごいてくれる。時々、朔太郎の顔色をうかがい、しばらく見つめ合った後で陰嚢(いんのう)を愛撫すると、ふたたび男根に視線を落として亀頭にやさしく口づける。
「うっ……」
 思わず声を漏らした朔太郎の股間はさらにふくらみ、花梨は顔をうずめて口淫を開始する。どこでおぼえたのか、舐める、頬張る、しごく、しゃぶる、そのどれもが気が遠くなるほど気持ち良く、朔太郎はあっという間に花梨の口内に射精してしまう。
「けほっ、けほっ」
 咳き込む花梨は口の中に溜まった精液をたっぷり時間をかけて飲み込んだ。
「私のためにこんなにたくさん出してくれるなんて、嬉しい」
 白いものを顎まで垂らした彼女の表情を見て、朔太郎はとても複雑な気持ちになった。もしも叶うなら処女膜の奥をほじくり返して花梨をひいひい鳴かせてみたかったのに、思いを果たせないまま無駄に精子を吐き出してしまったのは口惜しい。
「そんなにがっかりしないで。ね?」
「でも……」
「だいじょうぶ、こうすればまた大きくなるから」
 と、花梨が朔太郎のものを頬張った途端にそれはむくむくと回復し、それから二人はしぜんと唇と体を重ね合い、ついに性器と性器で交わった。
 朔太郎は花梨を布団の上に押し倒し、結合した下半身をさらに沈めていく。表情を歪める花梨にかまわず竿先で子宮を圧迫すると、遠慮がちに腰を揺すって少女の肉体を堪能する。花梨は処女ではなかった。
「あん、気持ち良い……」
 その言葉を花梨がどれだけ口にしたかわからない。
 素性がわからないとはいえ、思春期の傷つきやすい心と体をもてあそぶことに朔太郎は少なからず罪の意識をおぼえた。下手をすれば妊娠させてしまうかもしれない。それでも乳房にむしゃぶりつき、割れ目から垂れる蜜をねぶり、七分咲きの花びらの奥へ欲望の種子を放出した。
 そんな朔太郎の思いに応えるように花梨もまた絶頂し、のぼりつめて、何度も何度も鼻声であえいだ。目に涙を浮かべて快感の言葉を連呼した。
 でも朔太郎は行為の途中で見てしまう。囲炉裏の火に照らされた花梨の影が人間のものではないということを。そして彼の影もまた、いつの間にか人間とは呼べない輪郭を描き始めていた。強いて言えばキツネの影に近いか。
 とうとう気が狂っちまったかなと朔太郎は不吉な影から目を逸らし、花梨の両脚を肩に担いで膣のぬかるみに竿を突き立てて思いきり貫く。一晩だけとは言わず、この娘と夫婦になれるのなら残りの人生すべてを捧げても良いとさえ思った。
 けれども一緒に暮らそうとは言えなかった。言えば夢から醒めてしまいそうでこわかったし、たとえキツネに化かされ、行為の後に命が尽きたとしても願いが成就するなら本望だった。


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