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是奈でゲンキッ!
【コメディ その他小説】

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是奈でゲンキッ! 番外編 『シークレット・ガールズ』-9

「おわぁーー! あっぶなぁーー! なによあんた、いきなり! あたしに何か用っ!!」
 ミーヤは飛び退きながらファイティングポーズを取り、身構えて、襲い掛かって来た女の子を睨んで文句を言う。
 だが、襲い掛かって来た女の子は、ミーヤの声をのんびりと聞いてはいなかった。
「あたしは秘密警察機構の特別警備隊員、コードネームは『ガーディアンZ』、貴方が持ち逃げした『デコイチ』のナンバープレートを取り戻しに来ただけよ! 怪我をしたくなかったら、大人しくナンバープレートを返して頂だい!」
 そう言いながら、再びミーヤを捕まえようと、彼女に飛び掛かるのだった。
 だがミーヤとて、黙ってされるがまま、などとおとなしい娘でも無いだろう。掴み掛って来たガーディアンZの腕をとっさに捕まえると、それを逆手に取ってクルンと自身の身体ごと捻って、逆にガーディアンZをねじ伏せながら、その彼女の首を地面へと押し付けたのだった。
「フンッだぁ! 秘密警察だか、『カーディガンV』だか何だか知らないけど、あんたなんかに捕まる様なミーヤ様じゃないんだからね!!」
 何気に相手の名前を間違えながらも、ミーヤは、私を捕まえ様なんて100年早いわよ! とでも言いた気に「フフンッ」と鼻を鳴らすと、ほくそ笑みながら、ガーディアンZの顔をアスファルトの地面に、これでもかと擦り付けていた。
「おのれえーー、この盗人(ぬすっと)風情(ふぜい)がっ! 特別警備隊を舐めるなよっ!」
 ガーディアンZはミーヤに押さえ込まれながらも、全身に力を入れ、身体中の気を放出させるがごとく、全身から強烈な光を発してミーヤの目をつぶす。
 これにはミーヤも堪えられなかったらしい、慌ててガーディアンZの腕を放して、その場から逃げようとするが。
 今度はガーディアンZの動きの方が速かったらしい。
 振り回したガーディアンZの鉄拳が、ミーヤの横っ面を殴り掃い、
「きゃっ!」
 ミーヤもよろけて地面へと、仰向けに倒れ込んだ。同時に彼女が顔を隠していた大きなバタフライマスクも、その反動で飛ばされるや、ミーヤはその素顔を余す所無く、曝け(さらけ)出す。
「佐藤さん!」
 それを見て叫ぶガーディアンZの声に、ミーヤも驚きの表情を隠せない。
 とっさに手で自分の顔を覆い隠し、顔を背けるが。
「あなた『佐藤 都子』ちゃんでしょっ! なんでっ! どうしてぇ……どいうして貴方が怪盗ミーヤなのっ!!」
 ガーディアンZは、途惑いながらも、都子を問い詰めた。
 だがミーヤ……いや都子は、丸で憎い相手でも睨み付けるかのように、それとも獣が獲物でも狙うかのような鋭い眼差しでもって、ガーディアンZを睨み付けながら、言った。
「あたしの素顔を知っているとは、いったいお前は何者っ! ……うぅ〜ん、あんたが何者でも構わないは、私の正体を知っている以上、生かして置く訳にはいかないわっ!!」
 言うか、言い終わらないかの間だっただろう、それは一瞬の出来事だった。
 都子は左腕を突き出し、それをガーディアンZに向けると、左肘関節を折り曲げて、そこに仕込まれていたマシンガンでもって、ガーディアンZを攻撃した。
 無数の弾丸が、まるでシャワーの様に都子の腕から飛び出し。
「きゃーっ!」
 それを食らって、今度はガーディアンZが成す術も無く、吹き飛ばされ、倒れ込んだ。
 だがしかし!
「なにいーーっ! あたしのマシンガンを喰らっても平気だなんてっ! 貴様いったい何者っ!?」
 着ていた赤いジャンパーはボロボロに成ったものの、ガーディアンZはむっくりと起き上がると、その真っ赤な髪の毛を更に逆立てて、
「無駄よ! そんな物……あたしには効かないわっ!」
 そう言いながら、ボロボロに成った赤いジャンパーを、脱ぎ捨てる。


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