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香澄の本性
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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解き放たれた抑圧-5

ふたりは互いに何かを体に塗り合っている。
互いの身体を弄り合う手。
相手の首筋や胸、腹部など、あらゆる場所を丁寧に優しくキスしていく唇。
天井の照明に照らし出される二人の営みの姿は、
香澄には、いやらしさよりも何か神々しささえ感じられた。

麗子が香澄の疑問を察したように言った。
「若干の媚薬効果とでもいうのかしら。
 性ホルモンを配合したローションです。」

「二人とも、奇麗だわ。そして何よりも、幸せそう。」

香澄は心の底から二人を祝福したい思いになっていた。
そう、互いにつぶやくような小さな声を掛け合い、
時折笑い声さえ聞こえてくる二人の姿は
まさに幸福そのものの姿のように感じられた。

「香澄さん。ああして二人が笑顔で抱き合っているのも、実は5年ぶりなんです。」
「5年ぶり?では、治療と言うのはセックスではなかったのですか?」
「詳しく申し上げるのはもう少し時を置いてからの方がいいかと思いますが、
 真奈美さんがしてくださった治療は、言ってみれば一方向からのみの奉仕でした。」
「一方向からのみの?」

「はい。真奈美さんは敏明の、つまり、その、ペニスを咥え………。」
「麗子さん。遠慮なさらずにありのままを話してくださって結構です。
 わたしも言葉を選ばずにお聞きしますから。」

「わかりました。真奈美さんのフェラで、
 敏明を射精させるところから治療が始まります。
 敏明のペニスはある薬の副作用が原因で、
 勃起状態が日常的に続いてしまうというものでした。

 それを治すためには十分な刺激を与え、射精に導く必要があります。
 ただ、それには真奈美ちゃんの卓越したフェラチオとセックスが必要だったのです。
 他の誰が刺激しても、敏明のペニスは絶頂には至らない。
 しかし、真奈美ちゃんにはそれができた。

 一度射精することができると、敏明のペニスは一時的に萎えるのです。
 そして再び極限の勃起状態へ導く。そして再び射精。
 これを1日に2回。真奈美ちゃんには約5年の間、
 2週間に一度来ていただいていましたから、
 ざっと計算すれば130日、来ていただいたことになります。」

「そうですね。そんなにお邪魔していたんですね。」
「はい。そしてそれだけの回数のフェラチオを施し、セックスをしてきてくれた。」
「それが多いんかどうなのか、わたしにはわかりませんが、
 でも、もしもそれが本当に治療と言うものであるのなら、
 わが子ながら大したものだと思うべきなのでしょうね。」

「はい。本当にありがたいことです。
 ただ、セックスの回数は単純に2倍と言うわけではありませんでした。
 真奈美ちゃんの体調や敏明の状態によってはセックスまでたどり着けない時もあった。
 主人は最初は3年ほどで感知するのではないかと予想していたようですが、
 実際には5年もかかってしまった。」

「真奈美は………。その間、その、いくことは、できたんでしょうか。」
「女ですものね。そこを一番心配なされますよね。」
「いえ、はあ、あの、そうですね。正直に申し上げます。」
「ねえ、香澄さん。話し方。もっとざっくばらんにお話しましょ?」
「そうです、ね。友達感覚、ですか?」
「ええ。その方が本当を語れるような気がするんです。」

「はい。では、じゃあ、真奈美はその治療をしていて、いくことはできたの?」
「そこが真奈美ちゃんのストレスになっていったの。
 治療の目的はあくまで敏明をいかせることであって、
 真奈美ちゃんは優しいからそれにばかり集中してしまう。
 セックスを楽しんだり感じたり、
 もっともっとと求めたりすることも出来なかった。
 ううん。できなかったというよりも、
 真奈美ちゃんは一途に敏明の治療のことを考えてくれていたの。」

「治療に集中して、自分は楽しめなかった……。」
「そう。でも、それは真奈美ちゃんにとって、次第にストレスになっていったの。
 もっと感じたいのに、敏明はベッドに横になったまま治療を受け続ける。
 敏明からキスをすることもなければ、真奈美ちゃんの身体を愛撫することもない。
 ただひたすら、真奈美ちゃんが敏明を刺激し続ける。」

「でも、それはフェラの時だけでしょ?
 セックスになれば、真奈美だって感じたのでは?」
「ええ。回数を重ねるにつれ、真奈美ちゃんも女の悦びをどんどん知っていったわ。
 けれど、さっきも言ったように、
 〈もっと〉ということを真奈美ちゃんは敏明に要求しなかった。
 治療に影響が出ると考えていたんでしょうね。」

「強く触って欲しいのに触ってもらえない…。」
「そう。下から突き上げて欲しいのに突き上げてもらえない。
 バックからしてほしい時でもいつも真奈美ちゃんが敏明の上で動くだけ。」

「治療は騎乗位だったの?」
「ええ。真奈美ちゃんが、どうすれば敏明を一番刺激できるかを考えた末の体位だわ。
 対面の時もあったり、背面の時もあったけれど、基本は騎乗位。
 そして動くのは真奈美ちゃん。下からの突き上げもない。」

香澄は視線を真奈美に移した。
敏明の頭が真奈美の股間で動いている。
真奈美は顔を時々ゆがめるが笑顔のままだ。
(きっと、敏明君の口で喜ばせてもらっているのね。
 あんなにうれしそうな真奈美の顔、本当に久しぶりに見た気がするわ。)

ふたりの身体の位置が変わり、
ふたりは69の体勢になって互いの性器を口で刺激している。
(きっと、治療のためのフェラチオは、もっと必死だったのに違いない。
 真剣な顔をして、必死になって行うフェラチオのどこが楽しいだろう。
 そして今のような相互愛撫もない。
 クンニも指による刺激さえもしてもらえない、一方的なフェラ。


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