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香澄の本性
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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解き放たれた抑圧-2

「確かに。真奈美ちゃんの行為の全ては優しさがもとになっていますから。
 敏明とセックスをしたことだって、
 全て真奈美ちゃんの優しさのおかげなんです。」
「真奈美の方から、セックスを、求めた、と言うことですか?」

「いいえ。敏明の方からです。
 敏明はこちらの学校に転校してきて、誰一人友達がいなかった。
 そんな時に真奈美ちゃんが敏明の孤独に気付き、声をかけてくれた。
 そして敏明の心の中に、深く深く入り込んでくれたのです。」

「真奈美は、やはり………。」
麗子の話を聞きながら香澄は再び下を向いてしまった。

「香澄さん。
 あなたは真奈美ちゃんが小学4年で体験してしまったことを、
 ひどく気になさっているようですね。」
「当たり前じゃないですか。まだ小学生ですよ?
 しかも4年生。10歳の子どもです。
 人様に知られれば敏明君は立派な犯罪者です。」

「確かに、世間の常識や法律に照らし合わせればそういうことになりますね。
 もしも、生野さんたちが望まれるのならば、
 わたくしどもは訴えられたとしても、何も文句は言えません。
 しかも、保護者もそれに関わっていたとなれば、
 敏明だけではなく、父親もわたしも、罰せられることになるでしょう。」
「それがわかっていて、あなたは。」

「お怒りはごもっともです。
 でも、だとすれば、真奈美ちゃんは、
 何歳になればセックスをしてもおかしくなかったのでしょうか。」
「そ、それは、やはり、成人して、とか、結婚を前提に、とか。
 せ、せめて高校生、いえ、大学生……。」
「香澄さん。あなたも、そうでしたか?」
「えっ?」
「あなたも、今ご自分でおっしゃったような、
 大学生や成人になってから、結婚を前提とした方と
 初めてセックスなさったのでしょうか。」
「そ、それは………。」 

「香澄さん。世の中には、確かに正論と言うものがあります。
 同じように常識と言うものがあります。
 そしてそれに沿って行動することが昔から良しとされてきた。
 親からはそういう生き方を求められてきた。違いますか?」
「それは………。確かにおっしゃる通りだと思います。
 だから親として真奈美にもそう教えてきたつもりですし、そう望んできた。
 わたし自身がどうであれ、真奈美のこととは別の話………。」

「別の話でしょうか。
 常識から外れたセックスをする真奈美ちゃんが普通でないというのなら、
 香澄さん、あなたも普通ではなかったということになりませんか?
 もちろん、わたしはもとより、
 そういったもの、つまり常識というものに従おうという考えは、
 一切持たずに生きてきました。
 一切持たずにと言うよりは、一切縛られずにと言いいた方がいいかもしれません。
 わたしの夫もそうです。
 そういう意味では、同じ価値観の男と女が一緒になったのだ、
 そう思ってくださって間違いはありません。
 でも、だから、こうした考えは類い稀な、
 世間には認めてはもらえない話なのでしょうか。」
「………。」

「わたしたちは、と言うよりも、わたしたち家族は、
 世間からは変わり者、という評価を受けながら生きてきました。 
 こちらの街に移ってくる前は、地域の方々から変人扱いをされてきた。
 そのために、敏明も、その姉の美奈子も、
 周りの人と普通に接することができなくなり、
 自分の中に閉じこもってしまいました。
 幸い、敏明には真奈美ちゃんという人が現れた。
 敏明は、5年前に、真奈美ちゃんと出会った時点で、
 すでに真奈美ちゃんに救われていたのです。」
「………。」

「それができなかった美奈子は完全な引きこもりになってしまった。」
「………。」

「小学4年生同士の男女が心を通わせ、
 互いを大切に思う心から、セックスをする。
 それは確かに、世間の常識とはかけ離れた方法だったかもしれない。
 でも香澄さん。親という立場を離れて、
 真奈美ちゃんの行動を、生き方を考えてみてください。
 真奈美ちゃんのどこかに異常なところはありますか?
 セックスというものが介在したために、
 世間の評価は一変してしまうかもしれない。
 けれど、一人の人間を救うという点において、
 真奈美ちゃんは世間の常識や世間から、
 非難されるような落ち度や間違いはあったのでしょうか。」
「………。」

「そうした非難の全ては、
 セックスを忌み嫌うものとしてみる世間の常識ではありませんか?」
「………。」

「わたしたち家族は、と言うよりわたしと夫は、
 セックスに二つの意味を持たせています。
 ひとつは子孫を残すという生殖行為としてセックス。
 もう一つはコミュニケーションの手段としてのセックスです。」
「コミュニケーション、ですか?」
「はい。セックスは、コミュニケーションの手段としては最高のツール。
 そういう考え方が、わたしと夫との共通の見解です。
 生殖活動としてのセックスは、厳粛であり、慎重でなければなりません。
 つまりは命のバトンタッチですから。
 わたしたちはそれを否定などしないし、
 むしろ世間などよりもよほど大切にしています。
 必要のない妊娠などをして、余計な不幸を作る必要はない。
 したがって、避妊についてはことさら気を使っています。
 でも、妊娠の可能性が全くないセックスは、
 その目的はあくまでも快楽の追求であったり、
 人と人とがより親密に繋がっていくための、
 最良のコミュニケーションツールです。」
「セックスがコミュニケーションツール………。」


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