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THE 変人
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急展開-5

朝7時になってもまだ瀬奈は来なかった。海斗は悩んだが、幸代に電話で事情を話した。幸代も驚き瀬奈を心配した。それから海斗は上司の安田部長に今日は休む事を伝えた。理由は言わず、ちょっとした病気でも決して休んだ事がない海斗を心配した安田だが、何か外せない用事があるような雰囲気を察して了解した。その後幸代からも休むと言う電話があった事を海斗はまだ知らない。

「怪しいな…。あいつらもしかしていよいよ結婚か??俺はお似合いだと思ってたんだよな!こりゃ結婚式のスピーチを考えておかなきゃならないな!しかし本当に海斗と幸代がねぇ…。海斗が幸代とヤッてる姿、想像出来ないな!」
安田は的外れな事を考えながら、ようやく海斗に春が訪れようとしている事を喜んでいたのであった。

幸代は海斗からね電話の後、慌てて身支度をした。決して自信がある訳ではないが、化粧もせずに、服もシャツとジーパンと言うラフな格好にパパっと着替えて車に乗り込んだ。
「大丈夫かな…」
幸代が心配するのは瀬奈か、もしくは海斗か…、自分でも良く分からなかった。瀬奈に対してジェラシーは感じるが、対抗心はない。瀬奈は友達だ。心配する気持ちには何の偽りもない。自分の恋愛事情はなしで幸代は動いている。胸騒ぎを覚えながら幸代は車に乗り込み海斗の家に急ぐのであった。

康平から電話があった。特許よりも始発の普通列車の方が早く着くとの事で、東京から普通列車に乗って来た康平らは今木戸駅に着いたとの事で、こちらまでタクシーで向かっている途中だ。

「おかしい…」
ずっと瀬奈の事を今や今やで待っていた為、あれこれ考える余裕はなかったが、良く考えれば夕方福岡を出てきた康平らがもう到着するのに、昨日の朝にこちらに向かったであろう瀬奈がまだ到着しないのはおかしいとようやく気付いた。話では特急や飛行機でこちらに来られるだけの金は持っていたとの事だ。両親に気付かれるまでの時間稼ぎをしてまで各駅停車や時間のかかる移動手段を選ぶ理由はない。こちらに来るならなるべく早く、追手が来ないうちに来たいはずだ。自惚れではないが、瀬奈が向かった先は自分以外の所ではないと確信している。必ずここに来る筈だ。
「何やってんだよ瀬奈!さっさと来いよ…。思い切り抱きしめてやるから…!」
そう焦りながら海斗は家の門の前で瀬奈を待っているのであった。


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