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神は何処にいる?
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神は何処にいる?〜ビジネス〜-2

当日。
オフ会はとあるホテルのホールを貸し切って行われた。
参加者は12名。
よく集まった方だとエイジは思った。
まずは深海さんから一言。
「みなさん、今日はオフ会に集まってくださりありがとうございます。どうぞ楽しんでいってくださいね。」
乾杯をし、個々に話が弾んだ。
そしてエイジの出番が来た。
予めポケットには目薬を仕込ませておいた。
エイジは深海さんに駆け寄り、周りの死角になるように目薬を差した。
「深海さん!!ありがとうございます。
おかげで今もこうして生きています。
深海さんがいなかったら今頃、灰になっていましたよ。」
わざと大きな声で深海さんの手を握り膝をついて泣き叫んだ。
周りの視線が集まる。
作戦どおりだ。
周りのそれぞれも深海さんに挨拶をする。
中にはエイジよりもオーバーに泣き叫ぶものもいた。
会も終盤に差し掛かり、深海さんから全員にもう一度話しはじめた。

「実は皆さんにお伝えしたいことがあります。
私深海は皆さんの悩みや痛みを聞いているうちに、本気で人助けがしたくなりました!
宗教を開こうと考えてます。
もちろん金儲けとかじゃなく、一人でも多くの方を幸せにしたいんです。」
深海さんの演技もなかなかのもので目には涙が零れそうなくらい溢れている。

周りからは大きな拍手が起きしばらく止まなかった。
「もし興味ある方いたらぜひ連絡ください。
力になりますから!」
と皆に名刺を配りオフ会は幕を閉じた。

それからすぐに4件連絡があり、真堂の集いの幹部誕生である。
4人の幹部とエイジの尽力もあり、口コミづ信者は増え一ヵ月で50人を越えた。
別け隔てなくそれぞれの痛み、悩みを聞いて回った。
感謝の手紙が耐えなかった。
しかし、利潤はまだ産んではいない。
いつもの喫茶店で改めてエイジは確認した。
「このまま、慈善事業していきますか?それとも…」
しばらく深海さんは考えこみながら言葉を選んでいるようだった。

そして
「私はエイジさんのお陰でたくさんの笑顔に会えた。そんな方達からお金を取ろうなんて考えられません。今のままいきたいです。」
エイジは深海さんの決断にため息をつきながら
「儲けたいなら、今が最大のチャンスですよ。
あなたは自分の儲けの為にはじめたのでは?」

それでも深海さんの決断は覆らなかった。

そして今でも真堂の集いは着実に信者を増やし続けている。
この時まだ深海さんは自分に転機が起きる事を気付くはずもなかった。
ともあれ、エイジの第一番目のクライアントは成功へと漕ぎ付けたのである。

第二クライアントについてはまた別の機会にお話しよう。


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