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[幸せな隣人]
【鬼畜 官能小説】

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[お隣さんの正体]-3



『なんだよぉ…ちょっと触っただけだろ?そんなに騒ぐなよぉ……ん〜?』


ズルズルと床に倒れる優乃の目に、黒光りする凶器が映った。

ヘラヘラと笑う隣人が手にしているのはスタンガンだ。
あのスタンガンの電撃で身体を痺れさせ、立つ事すらままならなくされたのだ。
多少の意識の混濁はあるものの、目はしっかりと見えているし、耳も健在だ。


(あ…あたしに何を…ッ!?い、嫌あぁッ!)


隣人はヒョイっと優乃を肩に担ぎ、そのまま階段を上っていく。

目は見えている。
音も聞こえている。
ただ、身体は全く動かせない。

二階に運ばれていくのが現在進行形で分かっているのに、それを優乃は止められない。


(離してッ!嫌よ離してぇッ!)


埃の浮いた階段はギシギシと安っぽく軋み、淀んだ空気には僅かな異臭が混じっている。
階段を上りきった先のドアがガチャリと開けられ、散らかった室内が優乃の瞳に飛び込んできた……そこは一人暮らしの男性の部屋というだけではない《不潔さ》に満ち満ちていた……。


(な…何よこの部屋…ッ!?き……気持ち悪い……ッ)


安っぽいマットレスの上には屋外で使うブルーシートが敷かれ、その周りには大小の黒い革ベルトが散乱していた。
真っ赤な首輪に細い鎖、そして得体の知れない革紐やガラス製のボール……こんな退廃的な道具が揃った部屋に連れ込まれたという事は……優乃の心は錯乱しそうになるも、傍目から見たなら平静そのものだ……。


『よいしょっと……ヒヒッ…奥さん、散らかった部屋だけど、ゆっくりしててくれよな?』


ブルーシートの上に優乃を下ろした芦澤は、遂に念願が叶った現実を噛み締めて、ジロジロと舐めるように優乃を見た。

滑らかな頬のラインも、大玉のメロンを仕込んだような胸も、コンパスで引いたように綺麗な弧を描く尻も、何もかもが麻美に勝るとも劣らない見事な《一品》であり、ようやくにして二人きりになれた喜びに身体はフルフルと震えた。



(に、逃げなきゃッ!?この部屋から…ッ…この人からッ!)


一方、不自然に身体をガタガタと震わせるのは優乃である。
部屋中に散らばっている代物は、その全てが変態が好む《淫具》だった。
こんな物を集める最悪の趣味性は、つまりはこの隣人の異常さの表れである。
そして難なく二階まで担ぎ上げたあの身体は、何処も痛めてなどいない……あんな嘘を信じた自分が情けなく、そして、あの時から既に《計画》を進めていたと気づかされた優乃は、この芦澤という隣人の心の闇に慄くしかなかった……。


『なんて可愛い人なんだ…?奥さんみたいな美味そうな女≠ヘ見たコトが無いよぉ』

(こ、コッチを見てるッ……な…何する気よッ!?あ…あ……アッチに行ってえッ!来ないで、イヤあ!)


ブルーシートの上で少しも動けない優乃は、ただ心の中で叫ぶだけだ。
ベランダから何気なく見ていた隣家の二階の部屋……あのカーテンの閉め切った窓の向こうが、まさか《こんな世界》だとは思いもせず、この眼前に広がる光景は、まさに悪夢という他はない……。



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