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私は英語が嫌いだ
【SM 官能小説】

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更なる悪行-1

 翌朝、ベスが私に聞いてきた。
「Could you tell me where I can get the things for period? I will have it soon.」
「Period?」
 聞き返した私にジュディーが
「Don’t you know what? Haven’t you ever heard of it? She will have a visit from her friend.」
「Who?」
 げらげら三人は笑い、キャロルが
「The bloody days of girls.」
 言うと、汚いパンツを見せ、その真ん中に手をやって、何かが出てくる仕草をした。月経のことだと合点した私は
「Do you all have that?」
 私の問いに三人が
「Yes, of course!」
 堂々としたものだ。ベスが
「Carol had the first one last month.」
 私は、それ以上この話に深入りするのは避けておくことにした。コンビニで品は購入できると伝えると、オーケーと返された。

 昼間、姉妹は自由に活動し、夕食は一緒に取るという決め事が私たちの間にできた。
 帰れば女が家にいるというのは不思議な感覚だった。私にとって女とは、想像の中で性の対象に過ぎなかったのだから、まさか他人が家にいることが、それが女であるというだけで、楽しいものになるとは、思ってもみなかったことなのだった。
 八時ごろ私が帰ると、既に三人ともシャワーを済ませてあり、夕食の支度もできていた。
「I take a bath before supper.」
 私はシャワーでなく風呂である。ジュディーに沸かすよう伝えてあったので、直行した。
 驚いたことに、姉妹たちは一日で打ち解けた様子を見せていた。洗濯籠の中に、乱れた入れ方で下着も靴下も投げ込んであったのである。
 少し検分してみたところ、パンツは三人分入っていた。また、数枚、汗になったシャツの類がにおっていた。
 私は、この宝を夜の楽しみに取っておき、まず風呂に浸かることにした。
 姉妹たちが浴びて間もない風呂場には、まだ暖かく湯気が残り、女の体臭が籠っていた。長い金髪が、抜けて何本も落ちている。私はそれを丁寧に拾い集めた。よく見ると、ベスのものらしい陰毛もたくさん床に散らばっていた。
 安全剃刀が台に置いてあったのは、腋毛や体毛の処理のためだろう。誰がどこを剃ったものか詳しく知りたくなった。
 天井を眺め、湯の中で仕事の疲れを癒しながら、いま自分が豊かな世界にいることを私は実感した。

「We are planning to go to the sea at the weekend. Will you come?」
 ベスが聞いてきた。海に少女三人と行くなど、夢のような話である。また、一応、ホームステイのホストとして、何かしてやらなくてはならないとも感じていた時だった。
 しかし、私は考えた。私の在宅中に姉妹のいない時間など、滅多にない。だから私の行動は制限されている。だが、姉妹が海に行っているあいだ、私は自由になる。何か大きな冒険を堂々とすることができるかもしれない。
 迷った挙句
「I still don’t know about it. I tell you maybe on Friday.」
 私たちは、山盛りのスパゲティーを食べ始めた。姉妹たちは賑やかにずっと喋り続けて、止まることがなかった。
 ヨーロッパ人は一般に行動的で明るい。それは文化的なものと言うより、体に備わった性質だろうと私は思っている。ちょうど、犬種によって犬の性質が違うように、人間も、人種により性格上の特徴があって不思議ではなかろう。私は元気な少女が好きだ。自分にはない明るさで、心を照らされるように感じるからだ。
 案外健康的な生活を姉妹たちはニュージーランドでしているようだった。みな、早寝早起きの上、テレビもパソコンも見ない。何も言わなくても十時には床に着いてしまう。


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