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想いの届く日
【幼馴染 官能小説】

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想いの届く日-2

2. 神宮外苑
 社会人になって直ぐに彼女が出来た。学生時代に下宿をしていた時の家の娘で美代子といい、その当時から僕に思いを寄せていたらしい。

 大学を卒業して実家に戻ったが、盆暮れには訪ねて行った。
 短大生になった美代子からは手紙が来たが、それはまさに想いを込めたラブレターだった。
 新米の社会人と短大生の組み合わせでは、結婚を考えるには時期尚早と考えて、深い付き合いは避けた。
 学校祭に誘われて美代子の同級生と一緒に食事をしたが、美代子はすっかり恋人気取りだった。

 本を買いに行くから付き合ってくれと言われて、神田神保町の本屋街を歩き回った。
 学生時代行きつけの洋食屋でハンバーグを食べて、喫茶店で一休みした後、夕暮れ時になったので当時デート・スポットで有名だった神宮外苑に向かった。

 車が好きだったので、今から50年前、未だ自家用車が珍しい頃に中古車を買って乗り回していた。自家用車を持っている僕に、美代子は何がしかの憧れのようなものを持っていたようだ。

 外苑の並木沿いの車道に車を停めて、手をつないで歩いた。通り過ぎる木蔭のベンチにには、既に先着のアベックが肩を寄せ合い抱き合っている。
 
 手を腰に回して歩くうちに、美代子の足元が乱れたので大きな木の根元にハンカチを敷いて座らせた。美代子とは映画の帰りなど、深夜喫茶で唇を合わせる程度の仲になっていた。
 
 最近の若いダイエット女性のカトンボのような貧弱な身体と違って、美代子は日本女性としてはやや大柄で、身体は十分に成熟した肉体を持っていた。
 抱き寄せたときのズシッとする質感は、美代子の一番の魅力だった。 顔は普通に美人で振り返るほどではないが、僕は満足していた。
 
 唇を吸い、ブラウスの胸元を開いて乳房に手を伸ばした。乳房は掌に余るほどにはち切れて、欲情を刺激する。周りがアベックだらけなので恥ずかしくない。

 胸を開いて乳首を吸った。「ふっ」吐息を漏らしてしなだれかかる美代子の上半身の重みが、のしかかった。胸に美代子の上体を抱え、唇を吸った。差し込む舌を美代子が吸い、美代子の舌を僕が吸った。

「わたし、今日は帰りません」
 美代子が合わせた唇をずらして、耳元に囁いた。
「いいのかい?君は未だ学生だよ、直ぐに結婚はできないよ」
「いいんです、秀樹さん好きですから」
 ウズウズしていた股間のペニスが、一挙に膨れ上がった。

 処女を奪ったら、責任を取って結婚をしなければならないと言う風潮の残っていた時代だ。躊躇いと欲望との葛藤が続く。まだ結婚までの決心はつかない、その間にも股間の高まりはズボンを押し上げて、圧迫されたペニスが痛い。
(据え膳食わぬは男の恥)
 都合のいい言葉が頭に浮かぶ。
 



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