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真奈美の性春
【学園物 官能小説】

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禁断 家族の交わり-5

しかし、次の日、学校に行くと、敏明はまた休みだった。
(どうしたんだろう。結局、昨日は何も話せなかったけど。。)

真奈美は、寂しいというだけでなく、
何かとても物足りない気がした。

勿論、教室の中で敏明と、
それほど気楽に話ができるわけでもなかったし、
かと言って、どこかでひそひそと話し込むことも無理だった。

けれど、時々敏明が投げかけてくれる笑顔や、
休み時間や帰りにさりげなくかけてくれる言葉が、
真奈美にはとても嬉しかったのだ。

それがないことが、こんなにも寂しく感じられるとは。
真奈美は授業が始まっても、頭から敏明のことが消えなかった。

次の日も、敏明は学校を休んだ。
先生は風邪をこじらせていると連絡がありましたとしか教えてはくれなかった。

でも、真奈美は、自分のせいではないだろうかと、ずっと悩んでいた。

(急にとし君、お部屋から出て行っちゃったし。
 さよならも、またねも言ってくれなかった。
 とし君のは元気になったけど、とし君は元気がなかったみたいだし。
 わたしがなにかいけないことをしてしまったんじゃないだろうか。
 どうしよう。)

しかし、真奈美は誰にも相談できなかった。
お友達はもちろん、学校の先生、そして両親にも。
それは、なにも敏明の父親から口止めされていたからではない。
真奈美自身が、自分を責めていた結果である。

(どうしよう。どうしよう。)

真奈美にとって、敏明は、今やもうなくてはならない存在だった。
そして、心の中では、敏明の姉の紗理奈も、
そして優しいとし君の父親にも、
共通の秘密をもったことで、
真奈美はまた友達が増えたことを喜んでいた。

(真奈美のことを褒めてくれて、色いろんなことを教えてくれて。
 とし君と同じくらいにやさしい人たち。
真奈美、大好き。また、会いたいなあ。
 そういえばワンちゃんの格好をしていたお姉ちゃんもいたっけ。
 え〜と。確……あ、奈美子、美奈子お姉ちゃんだ。
今度はお話しできるかなあ。
 でも、とし君が学校に来ないと、そんなお話もできないや。)


それから敏明は、学校を休みがちになった。
2日来ては1日休み、1日来ては2日休む。

友達と遊ぶことも少なくなった。
何よりも、真奈美に対しても、どこかよそよそしく、
以前のように話しかけてくることもなくなり、
当然、真奈美を家に誘うこともなくなった。

真奈美は寂しくてたまらなかったが、
敏明に何をどう伝えてよいのかわからなかった。
真奈美の頭では、敏明の突然の変化に、
どう対応していけばよいのかがわからなかったのだ。

当然、真奈美からも笑顔が消えた。

朝起きると、母親に「頭が痛い。」「気持ちが悪い」「元気が出ない」などと訴え、
登校を渋るようになったのである。

母親は心配し、担任に相談した。
そして、敏明も、
ほぼ同じような時期から学校を休みがちになったことを知った。

真奈美の両親は悩んだ。
「真奈美、いったいどうしちゃったんでしょう。」
「敏明君がいないというだけで、
 学校に行きたくなくなるということも、あまり考えられんな。」
「敏明君とけんかをしたとか。」
「う〜ん。一度、斎藤さんのおうちと、話してみる必要がありそうだな。」
「じゃあ、わたし、明日にでも電話をしてみます。」

翌日、真奈美の母親は敏明の家へ電話した。
対応したのは敏明の姉、紗理奈で、
父親も母親も、
長期不在だという答えしか返ってこなかった。

真奈美と敏明の間に何かあったのかを聞いても、
自分ではわからない、という答えしか返ってこなかった。

真奈美に聞いてみても、明確な答えは返ってこなかった。
でも、必ず理由があるはずだ。
そう思った母親は、根気よく真奈美に聞いた。
問い詰めるのではなく、さりげない会話の中で敏明のことに触れ、
真奈美が何か話すのを待った。

しかし、真奈美は話が敏明のことに向かうと、
表情を硬くし、口を閉ざしてしまうのだった。

常に明るく、楽しく生きて来た真奈美にとっては、
初めての経験だった。
真奈美自身も、どうすればいいのかがわからなかった。



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