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ひと夏の女神たち
【ファンタジー 官能小説】

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再会-1

あの日以来、利夫は暇があれば瑞希の姿を探し求め、
島中を探し回った。

(この島に、若い女なんて、そうたくさんいるはずはない。
 誰かしら知っているはずだ。)

そう思って知り合いはもちろん、
道ですれ違う島民にも瑞希のことを聞いて回るのだが、
手掛かりは一向につかめなかった。

(あの日の出来事は、もしかすると夢だったんじゃないか)

夏の熱い日差しに照り付けられて、気を失って夢でも見たのじゃないか。
あまりにも手掛かりがないことに落胆した利夫は、そんな気にさえなった。

そんな日々がしばらく続いたある日のことだった。
朝から熱い日差しが降り注いでいた。
利夫はいつものように漁に出ようと、港へ行った。
「利益丸」と書かれたその船は、中古ではあったが利夫の全財産と言ってもよかった。

島のみんなは、
「利益丸なんて名前、聞いたことがないわ。」
「確かに。第一丸とか、栄昇丸とか…なあ?」
などと言って笑ったが、利夫は意に介さなかった。
「利夫が頑張って利益を上げる。利益丸。いいじゃないか。」

利夫は沖まで船を出すと、エンジンを止め、しばらく波に船を任せた。
そのまま、甲板にごろりと横になり空を見上げた。
青い空。白い雲。
上下、左右に漂うようにゆっくりと揺れる船。
(ああ、最高だ)
目を閉じる。
遠くにカモメの声が聞こえる。

5分くらいした頃だろうか。
利夫は何かに気づいて目を開けた。
真上まで上がった太陽の光を遮る影があった。
その影はゆっくりと動き、ようやく利夫には、
それが人の顔だということが分かった。

「だ、誰だ?」
利夫は驚いて、素早く横に転がり、その顔から離れた。

ゆっくりと目を上げていくと、そこには長く細くすらっと伸びた足があった。
ふくらはぎには、適度の筋肉が付き、
スポーツか何かで鍛えたようだった。

さらに視線を上げていく。
太股の付け根あたりまで見上げると、
太陽の光が入って、その人物はまた影になった。
突然、その影が利夫のそばにしゃがみ込み、顔を覗かせた。

「利夫君、だよね。」
「えっ?」
「やだな、忘れちゃった?」
利夫も体を起こし、その人物を正面から見た。
「み、みず、き?」
「よかった。忘れられちゃったかと思った。」
「ど、どうして、ここへ?」
「やだ。もしかして、お化けか幽霊とか、思ってない?
 わたし、ちゃんと、足、あるでしょ?」
そう言うと、瑞希は再び立ち上がった。

確かに、足はある。
改めて見てみると、やはりきれいな足だった。
いや、魅力的、というべきだろう。

黒いワンピースの水着。と言っても、
長い足を強調するかのように、股のところは細く切れ上がっている。
一昔前のレースクイーンが着ていたような、
ひと時代前にはやったハイレグのような、
とにかく、彼女のスタイルの良さと魅力を十二分に表現するために選ばれた水着だった。

「いやねえ。そんなにじっと見つめられたら、照れちゃうわ。
 って言うか。。。この前、裸で、したっけね。」

「め、女神?」
「何、変なこと、言っているの?
 わたしは瑞希。隣の島に住んでるの。
 あなたの島へは、時々遊びに行くのよ。
 そう、知ってるでしょ?白いワンピースを着た不思議な少女。」
「それが瑞希?」

「そう。謎めいても何でもないわ。
 あなたの島で過ごすときは、誰とも会話をしないって決めてるの。
 だって、せっかく不思議な少女って言われてるのに。。。
 しゃべると人間って、本性、出ちゃうんだもの。」

休みなく話し続ける瑞希に、利夫は圧倒されていた。

「あ、まだ信じてない、って言うか………。
 やっぱり、驚いたよね?いきなり、現れるんだもの。」

利夫は黙ってうなずいた。
それにしても、魅力的な女性だ。
白いワンピースに包まれた不思議な少女が、
今、黒い水着をまとった肉感的な女として、目の目に立っていた。

「ど、どうして、ここ、に?」
「船室に隠れてたんだ。今日、あなたが沖に出るような気がして。」

利夫は、まだ自分に起こっている出来事の意味を理解できないまま、
目の前の女神に尋ねた。

「お、おれが、今日、沖に出る、なんて、どうしてわかった?」
「まだ、なんか、オカルトめいた事、想像してるんでしょ?
 あのね、何度も言うように、わたしは、隣の島に住んでいる瑞希。
 苗字は………秘密。もちろん、年齢も。」
「ほら、やっぱり、秘密があるところが、怪しい。」

「だって、住んでるところとか、いろいろと探されたりするの、いやだもの。
 だから、秘密。年齢は………女性に年齢を聞くのは失礼でしょ?」
「失礼も何も、自分から言い始めたんじゃないか。」

話をしているうちに、利夫の心も少しずつ、落ち着きを取り戻し始めた。
(ま、幽霊でもお化けでも、こんなにいい女なら、憑りつかれてもいいか。)

「会いに来たのよ。あなたに。ね、しよ。」
「しよ、って、、、何を?」
{何を、って。。決まってるじゃん。この前のつ・づ・き。」

「続き?」
まだ、疑心暗鬼の利夫の態度に焦れたのか、
瑞希は利夫の左手を自分の胸に当てた。

そして、鋭く切り込まれた布の隙間へと導いた。
利夫の手が、水着の下に隠された、あの豊満な乳房に触れる。

「もう。鈍感だなあ。まさか、忘れた訳じゃないでしょ?」
そう言うと瑞希は、利夫の反対の手を取り、
今度は水着の股間へと導いた。

「ほら、ここ。」
そう言うと瑞希は、利夫の右手を自分の乳房の上に残したまま、
その手を自分の股間に当てた。
片目を瞑りながらそう言うと、
瑞希は人差し指で少し離れた小島を指差した。

「あの島まで行こ!」


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