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床屋妖魔
【二次創作 その他小説】

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床屋妖魔-1

妖気の気配が感じた。
月野うさぎは急いでセーラームーンに変身して妖気の場所へと向かった。
辿り着いた場所は年季の入った床屋だった。
うさぎは躊躇うことなく店内に入るとそこには赤と青と白のサインポール柄の服を身に纏った妖魔が立っていた。
「来たな・・・女の獲物・・・」
「妖魔!今すぐあなたを浄化する!」
技を繰り出そうとした時ドアが勢いよく閉まった。
うさぎはドアを開けようとしたが鍵を掛けられてもいないのに押しても引いても開かなかった。
そして妖魔は妖術でうさぎの身体を動かし、散髪椅子に座らせた。
「きゃあ!何するのよっ!」
立ち上がろうとするも立ち上がれずこのまま縄に縛らわれたかのように固定された。
そして白いケープをかぶせられ髪を解かれ、ティアラも外されるとシャンプー液をぶっかけて来た、
「まずは綺麗にしようね」
「やめっ・・・いやあっ!」
乾いた髪にシャンプー液を掛けられ、乱暴に洗われる。
前の洗面所を出すとうさぎをうつぶせてシャワーでシャンプーと髪を濡らし、このまま洗髪を続行する。
数十分の洗髪が終わり、シャンプーが流されると再び起こされた。
濡れた髪にブラシが入り綺麗に整えるとハサミを持った。
「バッサリ行こうね」
「いやっ!これだけは辞めてっ!」
否定するうさぎを無視して妖魔は右サイドにハサミを入れた。

ジャキン!

パサリ・・・

長い金髪がケープと床に落ちて耳全面露わになった。
「いやあ!」
うさぎは辞めてと抵抗するも体は動かず、髪はどんどん切られて行った。
床には大量の長い髪が積もり、ケープにも纏わりついた。
左サイドの髪も切り落とし最後は前髪も真っ直ぐに切りそろえた。
分け目が出来ないように髪のボリュームもとことんと落とした。
「うっ・・・ううっ・・・私が何をしたって言うの・・・」
短くなっていく髪を見てうさぎは泣きじゃくっていた。
「次はこれだ」
妖魔はバリカンを持つとうさぎの頭を押しやりスイッチを入れるとうなじから入れ始めた。

ビィィン!!!

バリカンは後頭部の髪を刈り、青々とした道を作り上げた。
バサリバサリと落ちて行く短い髪にうさぎは叫ぶも妖魔は聞く耳持たずバリカンを動かし続けた。
短い髪が長い髪の上に積もり、ケープにも大量に纏わらせた。
後頭部の髪を全部刈り終えるとサイドの方も耳上まで刈り落とした。
「ううっ・・・」
バリカンの音が耳元に聞こえるとうさぎは更に涙を溢した。
バリカンが止むとブラシで細かい髪を払い落とし、シェービングクリームの入ったカップを持って髭ブラシで泡立ててからうなじやバリカンを入れた後頭部に塗りつけた。
生暖かいクリームが刈り上げ全面に塗られると剃刀で丁寧に剃って行った。

ジョリジョリ・・・

僅かな髪を剃る音が響いた。
剃刀が通るたびに青々とした頭皮は透き通るような白い頭皮になっていき、剃り残しが無いように2回も剃られた。
タオルで頭皮を拭うとドライヤーで髪を乾かされケープを外された。
鏡に映るうさぎは刈り上げおかっぱ・・・剃り上げおかっぱが完成された。

セーラー衣装に剃り上げおかっぱの少女はあまりにも痛すぎる光景だった・・・

うさぎは自分の姿を見てショックを受け、このまま深く意識を失った・・・

目が覚めると傍らに仲間達が心配そうにうさぎを見つけていた。
あの後、妖気に気づいた仲間達が駆けつけて妖魔を退治したが気を失ったうさぎの姿を見て驚きを隠せなかった。
綺麗な髪がここまで切られ、刈られて、剃られてしまっていることに・・・
散髪椅子からソファーに寝かせ、変身を解除しても髪は元に戻ることなかった。
「皆・・・あたし・・・何を・・・」
うさぎが起き上がろうとするとやけに頭が軽く感じてくらくらした。
そして頭の方がやけに寒くて涼しく感じるしいつもは腕にぶつかる長い髪が無いのに気付いた。
少しずつ思い出して行く気を失う前の記憶・・・
ソファーから立ち、鏡を覗き込むと剃り上げおかっぱの自分の姿が見えて漸く全てを思い出した。

妖魔に髪を切られたことを・・・

「いやああああああああ!!!」

うさぎは膝を付き泣き叫んだ。

その後、うさぎは仲間達の協力でウィッグとエクステを買ってもらい、髪がある程度伸びるまではこのまま過ごすことにした。
幸いながらもうさぎのこの髪型を見たのは4人の仲間達だけなので話のタネにされたり嫌な噂が流れることは無いだろう。
しかしトラウマを植え付けられたうさぎの脳裏には繰り返し髪を切られ、刈られ、剃られて行く光景がこびりついてこの日の夜はまともに寝付けなかった。
ベッドに潜り込みその拍子でウィッグが外れ、ここで初めて短いトップとサイドと前髪、ツルツルになった後頭部を触ると嫌な感触でしかなかった。
ウィッグを被り直すとうさぎは一晩中泣き続けた。

うさぎのトラウマは半年も続き、2ヵ月半後には剃られた後頭部はベリーショート辺りに伸びてトップとサイドと前髪も徐々に伸びて行き、半年後にはやや長めのショートヘアーになっていた。
その頃にはもうトラウマも徐々に消えて行きウィッグも必要なくなりエクステで過ごすようになった。
元の長さになるまではまだ時間は掛かるが仲間達の支えもあってうさぎのトラウマは神が伸びるごとに少しずつ消えて行こうとしていた。


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