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真奈美の性春
【学園物 官能小説】

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小学校高学年 その2-2

 敏明による【治療】の日は、ほどなく訪れた。

 体験学習から帰ってきた日の週末、4年生は午前中で授業が終わり、給食を食べたら下校という処置が予定されていた。宿泊外見学習の、いわば振り替えのようなものだった。

 その前日の帰り、教室を出ようとする真奈美を敏明が呼び止めた。
「真奈美ちゃん。この前のことだけど。」
「あ、敏明君。」
「真奈美ちゃん、この前のこと、誰にも言ってない?」
「言ってないよ。」

  そう、あの日、家に帰っ真奈美は、両親からの質問攻めにあった。

 「どうだった?」「楽しかった?」「何か失敗、しなった?」と矢継ぎ早に聞かれ
 た真奈美はニコニコしながら両親に言ったのだった。
 「大丈夫。とっても楽しかったし、失敗なんかしなかったよ。むしろ、大成功。」
 「大成功?それだったらよかった。そう、成功したの。」
  両親はその言葉と、何よりも真奈美の楽しそうな顔(少し眠そうではあったが)
 に安心し、むしろ娘の成長を喜んだのだった。

 (思い切って、行かせて良かった。これからも、いろいろなことに挑戦させてあ
  げよう。それが、真奈美の良さをもっともっと伸ばすことになるに違いない。)

 敏明がいきなり、提案してきた。
「真奈美ちゃん、明日の午後、治療しよう。」
「えっ?明日?」
「うん。ぼくの家、明日は夜までぼくひとりだけなんだ。」
「え〜と。お母さんがいいって言ったら、ね。」
「でも、誰にも言わない約束の、秘密の治療だよ。お母さんに言ったら秘密じゃなくな
 るよ。」
「え〜。どうしよう。」
 真奈美は本当に困っていた。
 敏明君に、病気を治してもらいたいのはやまやまだったが、お母さんに黙って行くことはさすがにできなかった。

「じゃあ、お母さんに聞いてみて。遊びに行ってもいいか、って。でも、この前のことも、治療のことも、言っちゃだ
 めだよ。」
「う〜ん。でも、なんて言えばいい?わたし、お友達の家に遊びに行くときは、いつ
 もお母さんが友達のおうちに電話してくれるんだよ。」
「そうか。ぼくの家に電話しても、お母さんはいないからなあ。」

 ふたりは昇降口まで歩きながら考えた。
「そうだ。いい方法がある。あのさ。。。」
「え〜?そんな方法で、大丈夫かなあ。」
「大丈夫。ぼくに任せて。真奈美ちゃんは、できるだけゆっくり家に帰ってね。」

 そう言うと敏明は、家に向かって全力で走り始めた。

 真奈美は敏明との約束通り、できるだけゆっくり家に帰った。
 一歩踏み出しては立ち止まる。そして10数える。また一歩踏み出しては立ち止まってを繰り返し、ようやく家に帰り着くと、思ったより時間がかかったようで、家の前でお母さんが待っていた。
「真奈美。何かあったの?遅いから、心配したわ。」
「ごめんなさい。約束だったの。」
「約束?そんな約束、お母さんとしてないでしょ?お母さんとの約束は、学校が終わっ
 たら、より。。」
「寄り道せずに、まっすぐ帰ってくること。わたし、ちゃんと、約束、守ったよ。寄り
 道なんて、してこなかったもの。ゆっくり歩いてきただけ。」
「だったらいいけれど。」

「あ、あのさあ、お母さん。明日、午後から友達の家に遊びに行っていい?」
「明日?いいけど、ちゃんとあちらの家に電話をするから。誰の家?」
「あ、この前、転校してきた子だから、電話番号は、はい、これ。」
「〇35の〇×25。。。斎藤さんっていうおうちね?」
「うん。そうだよ。」
「じゃあ、、今、電話してみるから。。。」

 母親は受話器を取った。
「はい。」
「あ、もしもし、斎藤さんのお宅でしょうか?」
「はい。」
「あ、わたくし、同じクラスの生野真奈美の母でございます。」
「はい。」
「あの〜。うちの娘が、これからそちらにお邪魔したいと。お約束、してきたそうで。」
「。。。はい。」
「あの〜、うかがっても、よろしいでしょうか?」
「。。。はい。」
「あの〜。本当に、斎藤さんのお宅ですよね。
「はい。」
「では、真奈美がそちらにお邪魔します。よろしくお願いします。」
「はい。」。。。。

 母親は少し怪訝な顔をした。
「ねえ、真奈美ちゃん。斎藤さんって、どんなお友達?」
「えっ、とっても優しいんだよ。」
「そう。でも、お母さん、ちょっと心配になっちゃった。」
「えっ?どうして?」
 真奈美は、敏明の家に行けなくなるのではないかと心配になった。

「だって、斎藤さんのお母さん、はい、しか言わなくて。真奈美ちゃんが行くこと、あ
 まり喜んでいなかったみたい。」
「そ、そんなことないよ。あのね、言ってたよ。斎藤さんのお母さん、とってもシャイ
 なんだって。だからだよ、きっと。」
「そう、じゃあ、平気かしらね。」
 真奈美の母親は、それでも少し心配だったが、真奈美を行かせてやることにした。

 翌日、真奈美は学校から寄り道もせず、ゆっくりゆっくりもせず、家に帰った。
 着替えを済ませるや否や、お母さんに向かって
「おかあさ〜ん。いってきま〜す。」
と、大きな声で言った。
「行ってらっしゃい。気を付けてね。失礼のないように。あまり遅くなっちゃだめよ。
 夕飯までには帰ってくるのよ。」
 母親は玄関先まで真奈美を見送りながら声をかけた。
「は〜い、わかった。行ってきま〜す。」

 教えられた敏明の家の近くまで来ると、そこには敏明が立っていた。
「真奈美ちゃん、遅いから、心配したよ。」
「あ、敏明君。ごめんなさい。ちょっと迷っちゃって。」
「さ、こっちこっち。」

 真奈美の肩を包み込むようにして、敏明は家への中へと招いた。
 敏明は、新しい家が完成すると同時に転校してきたので、その家はまだ新築の香りが漂っていた。


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