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Lovem@le
【純愛 恋愛小説】

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Lovem@le-2

よく考えなくとも、ひどいことを言ってしまったのは分かっている。自己嫌悪に陥るのにも、そして彼女の心をボロボロにしてしまうのにも、それは十分すぎるくらい十分すぎた。要は確かめたかっただけなのだ。彼女の気持ちがいったいどこにあるのか。そんなもの、ただいつものようにキスをして、そして確かめあえばよかったものを。それが一番簡単で優しい手段だったのに。その時の僕は、僕の罵声で傷ついていく彼女の泣き顔からしか、彼女の純粋な愛情を感じ取ることが出来なかった。だけど理性が制御しようとする意識の片隅で、ケイミをなぶることへかすかな快感を感じている自分も確かに存在していた。 嫌悪なんてものじゃない。これは恥じだ。
それがついさっきの出来事かと思うと、もうどうにかなってしまいそうだった。言いようのない不安で、いっそ狂ってしまった方が楽な気さえした。
……ケイミ。
ベッド上で丸くなる。
俺は、ただ嫉妬していたんだ。誰がどうという訳ではなく、お前と仲良くして笑いあっているやつらに。でも根本的な所を探れば、きっと僕が自分に自信を持てなかったから、だからこんなにもお前を傷つけてしまったんだと思う。
許してくれるだろうか。
僕は右手に握られた携帯を見つめた。
謝れば、あいつは許してくれるだろうか。いつもの喧嘩のようにはいかなくても、結果的に許してくれるのなら、どんな罰でも受け入れるつもりだった。彼女の愛情を取り戻せるかどうかは分からない。でも、このまま黙っていたら、僕は確実にケイミを失う。
と、意を決して携帯のアドレスを開こうとしたところで、メールの受信音が鳴った。
びくっと反射的に携帯から手を放した後、僕はおそるおそるもう一度それを手に取った。訳もなく、心臓がばくばくと跳ね上がった。そして、メールの差出人を確認した瞬間、横になっているにもかかわらず強いめまいを感じた。
ケイミからだ。
弾かれたように体をお越し、メールを開く。 そこにはたった一行しか書かれていなかった。

『ごめんね。でも私が好きなのはシンだけだから』

気が付いた時には、もう僕は部屋を飛び出し、階段を転がるように駆け降り、玄関でスニーカーを引っかけて走りだしていた。一秒でも早く会いたいと思った。強く、強く思った。僕が悪いのに。友達とただ仲良くしていたあいつはどこも悪くないのに、それなのに謝るなんて。彼女が、どんな気持ちでこのメールを打ってきたのか。
それを考えただけで、涙がこぼれた。
白い息が、後ろへ流れて行く。コートを来てくる余裕もなかったけれど、そんなの全然かまわない。
猛ダッシュしながら、携帯をかける。
三コールめに、ぷつりと音が鳴って、彼女の気配を耳元に感じた。
「すぐに」
息が切れて、うまく声が出ない。
「すぐに行くから。ごめん。ごめん。今すぐお前に会いに行くから、待っていろよ、な?」
携帯の向こうには、確かにケイミがいた。
泣いていたんだろう。声がかすれていた。でも、僕は確かに聞いた。彼女の答えを。

うん。待ってる。
早く来て。会いたいから。すごく会いたいから、早く来て。


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