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遠恋カレンダー
【女性向け 官能小説】

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9月:ドイツ-9


「Hat sie so viel Wert?」
「そんな話は休暇中に聞きたくない」

雰囲気で・・・
彼女がなんて言っているのか分かるような気がする。

「Kannst du überhaupt eine solche Person noch als deine Freundin benennen, die du fünf Monate lang nicht berührt hast?」

じっと黙り込んだ小川くんは私の手を握ってその場から離れた。

「ほのかさん、行こう」

歩き出した私たちの後ろからその女性が

「私、恭平が好きなの!!!」

そう、日本語で、叫んだ。
彼女のドイツ人の外見にそぐわない流暢な、日本語だった。

「私だったら、ここでの恭平を支えてあげられるわ。
仕事も、プライベートもね」

その言葉が聞こえていないかのように、小川くんは歩くのを止めない。


「あなた、恭平に何が出来るの?ねぇ!答えなさいよ!!」


最後は叫ぶようにその言葉を私に投げつけた。

「ほのかさん気にしないで」


私は小川くんを愛していて、小川くんが愛しているのも私だから!

そう叫ぼうとして後ろを振り返るけど
言葉がのどに張り付いて上手く出てこない。

彼女は強い言葉とは裏腹に、今にも泣きそうな顔で
どんどん遠くなる私たちを見つめていた。

私を引っ張る小川くんはそこから立ち去るための歩きを止めなかった。


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