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遠恋カレンダー
【女性向け 官能小説】

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9月:ドイツ-2


降り立ったシュトュットガルトの駅は・・・
大改修の最中みたいで、ただでさえ初めての駅なのに
もうっどっちに進んだらいいのかさえ分からない。

高い高い工事中の天井を見上げながら、思わず出た「ほぅ〜」というため息とともに立ち止まっていると

「ほのかさん」

笑いを含んだ懐かしい声が聞こえてきた。

「小川くん!」

声の聞こえたほうを振り向くと私の恰好を笑って
「上ばかり見ていると人にぶつかるよ」
そう言いながら私の荷物を、すっと受け取った。

「凄いね」
「うん。改修が終わるのが楽しみだよ」

再び上をぐるりと見渡した私を見て
「シュトュットガルトにようこそ」
そう言って私を抱きしめた。

「おじゃまします」
私も笑いながら小川くんをギュッと抱きしめる。

目をつぶってゆっくりと深呼吸すれば
それは好きな人の身体で、その安心感にホッとする。

「ココが小川くんが住んでる街なんだね」

駅から車に乗り込んで、家までそんなにかからないから。という小川くんに
やっと景色を楽しむ余裕が出てきた。



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