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エロティック・ショート・ストーリーズ
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未来が見えない(処女、ちょっとホラー)-5

        3

「そういえばさ、名前はなんていうの?」
「名前も知らない男に抱かれようとしてたんですね、あなた」
 占い師がそう言うと、玲佳の顔が真っ赤になった。
「いいから! 教えてよ」
 バスローブ姿でベッドの縁に並んで座っている玲佳を、占い師は優しい目で見つめた。彼も既にシャワーを終えている。
「清爪習字。清らかな爪、と書いて『きよづめ』」
「ふうん、かっこいいね。下はどんな字?」
「字を習う、の習字ですよ。学校の授業であったでしょ? 習字」
「うわ、ダサ……」
「僕も子供の頃はイヤでした。もれなくからかわれるから」
 玲佳の頬が少し歪んだ。
「あ、ごめん」
「いいんですよ。今では結構気に入ってますからね」
 習字が微笑む。玲佳も柔らかく笑う。ラブホに特有の、むりやりシーツ類を乾燥させた様な臭いの中、空調の音がだけが静かに流れている。
 玲佳の顔に、習字が近づいていく。ゆっくりと瞼が閉じられる。微かに震える唇に、習字のそれが、そっと触れた。
 脱力した玲佳の体を引き寄せ、肩に頭を乗せると、洗いたての髪の匂いがフワリと漂った。ライトブラウンに染められたショートヘアを優しく撫でると、彼女はくすぐったそうに小さく笑い声を漏らした。
 両手で頬を挟み、じっと見つめる。玲佳の瞳がぼんやりと焦点を失い、潤いが揺れた。習字はもう一度唇を重ねた。軽く触れ合ったままゆったりと習字が動くと、玲佳は小さく吐息を漏らし、僅かに唇を開いた。ふっくらと瑞々しい唇を、味わうように舐めながら、習字は舌を彼女の唇に静かに差し入れた。玲佳は眉を寄せ、荒い息を吐いた。
 玲佳の口の中で、湿った音を立てながら舌が絡まり合う。完全に習字に身を委ねている玲佳のバスローブの紐が解かれていく。彼女は身を固くするが、抵抗はしない。
 バスローブの下には何も身につけていなかった。雪のように白く、しっとりと柔らかで弾力に満ちた肌の全てが、オレンジ色の電球の光の中に優しい輝きを伴って浮かび上がる。ぎこちない笑みを見せる玲佳をゆっくりとベッドに寝かせると、習字は自分もローブを脱いだ。
 彼の股間に目をやった玲佳が、急に夢から覚めたような顔をして凍りついた。
「あ、あの……それを入れるの? ここに」
「そうですよ」
「ムリじゃないかなあ、あはは……」
「標準的なサイズだと思いますよ、このくらいなら」
「そ、そうなんだ」
「大丈夫ですよ、ちゃんと下準備をしてから挿入しますから」
「下準備?」
 ワケが分からない、という顔をしている玲佳に、習字は教授のようなしゃべり方で説明を始めた。
「経験の少ない男の子は、とにかく見たがり触りたがり入れたがりますが、それでは女の子は十分に感じることは出来ません。不快なだけです。なので、準備が必要なのです」
「はあ」
 今ひとつピンと来ていない様子の玲佳に馬乗りする形でベッドに上がると、習字はウェストに手のひらを乗せ、スーっと這い上がらせていった。
「え? え?」
「実際にやってみましょう」
 習字の手が乳房へ迫るほどに、玲佳の顔のひきつりが強くなっていく。
「さ、触るの? 胸」
「触るだけじゃありませんけどね」
 裾野に到達した手のひらが、膨らみを包み込むようにゆっくりと撫で上げた。玲佳は口を半開きにしてその様子を見つめていたが、繰り返し撫でられるうちにその瞳に潤いが流れ始めた。習字の手の動きが大きくなり、それに伴って乳房もユラユラと揺れ始めると、ほとんど他の部分の肌と変わらないほど色の薄い小さめの乳輪がギュっと収縮を始め、その中心の可愛らしい乳首を勃ち上がらせた。
「このように、まずは受け入れる態勢にしてあげるのです。それから」
 習字の舌が伸ばされ、乳首の先端へと迫った。頬をこわばらせ、身を捩る玲佳。しかし馬乗りになった習字に膝で太股を挟み込まれ、両手もベッドへ押しつけられているため、逃げることが出来ない。
 舌が乳首の先端に、ツ、と触れた。
「んふ……」
 初めての刺激に玲奈は思わず吐息を漏らし、顎を反らせた。そして、少しザラザラとした湿った舌の感触が乳首にゆっくりと這い回るたび、彼女は胸をピクリと揺らせ、息を荒くしていく。しかし、まだまだ反応が固い。習字は口を離した。
「自分で弄るのと比べてどうですか」
「……は?」
 されるままにぼんやりとしていた玲佳は、最初何を訊かれたのか分からなかった。
「オナニーはしますよね?」
 何も言えずに頬を染めて口をぱくぱくさせているのが、その答になっている。
「あるアンケート調査によれば、約八割の女性が経験しているそうです」
「つまり、みんなしてる?」
「そうです。だから恥ずかしがることはありませんよ」
「いや、恥ずかしいでしょ、そんなこと訊かれたら」
「どうして?」
「だって……」
 玲佳は自分の行為をリアルに思い出してしまったのか、気まずそうに習字から目を逸らした。
「ちなみに男性は、ほぼ百パーセントしている、という結果が出ています」
「ということは、習字さんも?」
「してますよ」
 玲佳は左の頬をピクっとさせ、習字の股間を盗み見た。
「して見せましょうか?」
「え……」
 目を見開く玲佳。その視線の先には習字の肉の棒が揺れている。
「なんてね。そんなことしたら、あとの楽しみが無くなってしまう」
「あとの? ……あ」


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